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骨付き子羊の燻製 野菜のマリネ添え

 フランス料理やイタリア料理といったヨーロッパの食文化や料理を学ぶようになって、好きになった食材は子羊です。それまでは、ジンギスカンくらいしか食べることもなく(しかもラム【子羊】ではなく冷凍のロール状のマトン【成羊】)、家でやると羊の脂のせいで、煙がモクモク、臭いが部屋中に蔓延、翌日の鉄板やお皿には固まった脂がベットリ…と食べるという行為に付随する副作用が気になっていました。
 しかし、ハーブやスパイスを巧みに使って風味を生かし、ローストでロゼに火入れしたロース肉やモモ肉、トマトやワインで柔らかく煮込んだ肩肉を食べて、正しく調理された食材はこんなにも美味しいものなのか!と感動を覚えました。はじめて食べたラム肉のペルシャードの美味しさといったら!

 今回の料理は、通常メイン料理で登場するラム肉を前菜の一皿としてつくったものです。通常子羊には、ハーブやスパイスを合わせますが、桜の木で燻製をかけることによってコースの中でも印象的な味わいになると思います。

作り方

·掃除した骨付きラム肉に塩と黒胡椒を刷り込みしばらくおく。
·水分を拭き取り、桜のチップで燻製にする。
·夏野菜のマリネをつくる。茹でたオクラ、焼きナス、焼いて皮をむいたパプリカ、赤玉葱をレモン果汁、オリーブオイル、鮎魚醤、刻んだミントで和える。
·オーダーが入ったら、ラム肉をサラマンドルで炙って中まで温める。

追記

 付け合わせは、ラタトゥイユでも良いし、茄子のキャビア風、カプレーゼ、ピペラードなどでも良いです。風味付けのハーブは個人的にミントが好きですが、バジルやタイムでも構いません。
 またラム肉ですが、前菜ということもありなるべく軽くしたいので「かぶり」の部分や脂は除去しました。取り除いた屑肉は、ためておいてキーマカレーにしたり、ソーセージの具材にしても良いでしょう。


野菜のマリネはセルクルを使って盛り付けました。オクラが入るとネバネバが乳化剤と増粘剤の役割を果たしてくれるので型崩れしにくくなる。

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