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2023年の本ベスト約10冊

 今年も色々面白そうな本がたくさんありましたね。読みたかった本を全部読めたわけではありませんが、それは来年のお楽しみ。
 今回は、2023年に読んだ同年刊行の本の中から、約10冊を選んでみました。

※上半期ベストは刊行年問わず約10冊を選んでいます。あわせてお楽しみ下さい。

※以下、読了順です。各タイトルに貼ってあるのは出版社公式のリンク、概要はすべてそちらから引用しています。
 また、該当する本について取り上げたエッセイがある場合は、〈関連エッセイ〉としてご紹介しているので、ご興味あれば覗いてみて下さいね。


1.すべての、白いものたちの

ハン・ガン 著/河出文庫

〈概要〉
 アジア初のブッカー国際賞作家による奇蹟の傑作が文庫化。おくるみ、産着、雪、骨、灰、白く笑う、米と飯……。朝鮮半島とワルシャワの街をつなぐ65の物語が捧げる、はかなくも偉大な命への祈り。
 生後すぐに亡くなった姉をめぐり、ホロコースト後に再建されたワルシャワの街と、朝鮮半島の記憶が交差する。

公式サイトより


2.外国語の遊園地

黒田龍之助 著/白水社

〈概要〉
 はじめて手にする海外製品はときになぜかなつかしい。旧ソ連や東欧で出合ったさまざまな物をとおして、外国語の魅力を語る「物語」。

公式サイトより


3.オレンジ色の世界

カレン・ラッセル著/河出書房新社

〈概要〉
悪魔に授乳する新米ママ、〈湿地遺体〉の少女に恋した少年、奇妙な木に寄生された娘、水没都市に棲むゴンドラ乗りの姉妹……。不条理なこの現実を生き残るための、変身と反撃の作品集。

公式サイトより


4.シャーロック・ホームズとミスカトニックの怪

ジェイムズ・ラヴグローヴ 著/早川書房

〈概要〉
 精神病院に収容された男が口にしたのはクトゥルーのルルイエ語だった。彼の身にいったい何が? またもホームズが古き神々に挑む。

公式サイトより


5.怪獣保護協会

ジョン・スコルジー 著/早川書房

〈概要〉
 映画のゴジラは、並行宇宙の地球〈怪獣惑星〉からこちらの地球にやってきた巨大怪獣がモデルだった! ジェイミーはひょんなことから〈怪獣保護協会〉の一員となり、もうひとつの地球でこの怪獣たち相手に大奮闘することに!? 『老人と宇宙』著者の冒険SF!

公式サイトより

〈関連エッセイ〉


6.奇病庭園

川野芽生 著/文藝春秋

〈概要〉
 奇病が流行った。ある者は角を失くし、ある者は翼を失くし、ある者は鉤爪を失くし、ある者は尾を失くし、ある者は鱗を失くし、ある者は毛皮を失くし、ある者は魂を失くした。
 何千年の何千倍の時が経ち、突如として、失ったものを再び備える者たちが現れた。物語はそこから始まる。

公式サイトより

〈関連エッセイ〉


7.グレート・サークル

マギー・シプステッド 著/早川書房

〈概要〉
 1950年代に消息を絶った女性パイロットをめぐる壮大な歴史小説
 幼い頃から空の世界に魅了されていたマリアン。空軍での従軍を経て、生涯の夢である地球一周飛行挑戦の途上、彼女は消息を絶った──50年後、ハリウッド映画でマリアン役を演じるハドリーは、明かされることのなかった秘密に近づいていく。

公式サイトより


8.テムズとともに 英国の二年間

徳仁親王 著/紀伊國屋書店

〈概要〉
 1983年から約2年間を過ごされたオックスフォード大学での日常生活や研究生活、音楽活動、ご学友との交流、登山やテニスなどのスポーツ、英国内外への旅……。
 内側から英国を眺め、外にあって日本を見つめ直した「何ものにも代えがたい貴重な経験」。

公式サイトより

〈関連エッセイ〉


9.わたしたちの怪獣

久永実木彦 著/東京創元社

〈概要〉
 わたしは踏みつぶされるかもしれない。ミサイルに焼かれるかもしれない。それでいい。一番の怪獣は、わたしなのだから――。
 『七十四秒の旋律と孤独』の著者が描きだす、現実と地続きの異界。

公式サイトより


10.シャーロック・ホームズとサセックスの海魔

ジェイムズ・ラヴグローヴ 著/早川書房

〈概要〉
 1910年、ホームズとワトスンがクトゥルーの古き神々と初めて対決してから30年後。闇の勢力に仕えるドイツ人スパイが暗躍し、ヨーロッパが戦争へ突き進む中、海辺のサセックスで隠退生活を送るホームズは、三人の女性の失踪を調査することに。事件の陰には、邪神としてよみがえった仇敵モリアーティがいた!? ホームズは多大な犠牲を払い、最後の戦いに挑むが……。驚異のホームズ×クトゥルー・パスティーシュ、第三弾!

公式サイトより


11.8つの完璧な殺人

ピーター・スワンソン 著/東京創元社

〈概要〉
 ミステリー専門書店の店主マルコムのもとに、FBI 捜査官が訪れる。マルコムは以前、“完璧な殺人”が登場する犯罪小説8作を選んで、ブログにリストを掲載していた。ミルン『赤い館の秘密』、クリスティ『ABC殺人事件』、ハイスミス『見知らぬ乗客』……。捜査官は、それら8つの作品の手口に似た殺人事件が続いているというが……。ミステリーを心から愛する著者が贈る傑作!

公式サイトより


12.ナイフをひねれば

アンソニー・ホロヴィッツ 著 / 東京創元社

〈概要〉
 「われわれの契約は、これで終わりだ」彼が主人公のミステリを書くことに耐えかねて、わたし、作家のホロヴィッツは探偵ホーソーンにこう告げた。翌週、わたしの戯曲を酷評した劇評家の死体が発見される。凶器はなんとわたしの短剣。かくして逮捕されたわたしにはわかっていた。自分を救ってくれるのは、あの男だけだと。〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズの新たな傑作!

公式サイトより


13.シャーロック・ホームズとジェレミー・ブレット

モーリーン・ウィテカー 著 / 原書房

〈概要〉
 映像の世界でも愛され続ける名探偵ホームズ。数々の名作が存在するなか、決定版ともいえるホームズを演じたのがジェレミー・ブレットである。作品について本人・共演者・制作陣の言葉と、百点以上のカラー図版とともにたどる。

公式サイトより


終わりに

 自分は海外ミステリーやSFを読みがちなのですが、2023年は普段ちょっぴり遠く感じていたジャンルに手を伸ばして、好きな本が増えた年でした。幻想小説、短歌・俳句、エッセイ……。著者の出身地も広がったと思います。
 最初から日本語で書かれた本も、例年より多く読んだ気がします。やっぱりこう、言葉の産地直送といった雰囲気があって心と脳に染み渡りますね。

 また、2023年は私にとって怪獣元年と言いますか、怪獣にまつわる作品を読んだ珍しい年でした。SFと一言に括っても、色んな題材があり何をメインに描写するのか作品ごとに異なって、面白いなぁと改めて思った次第です。

 更に、シャーロック・ホームズ関連の本をたくさん読めたのも思い出深いです。クトゥルー×ホームズというパスティーシュ、かなり変わり種ではありますが自分が好きな名探偵の活躍ぶりに心躍らせた年でした。ジェレミー・ブレットについては言わずもがな。

 2023年も好きな本がたくさん増えました。2024年も好きな物語・ことばにたくさん出合いたいものです。

 最後に、今年読んだ本の感想ツイートまとめを置いておきます。

 それでは、2024年にまたお会いしましょう。



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© 2023 Aki Yamukai

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