#ドラマ感想文「ポラロイドに託す想い」(2014年)
1度観ただけでは「?」となるような、ふんわりとした描かれ方だった。
私はすっきりしないと確認したくなる性分で、何度も見返して、ヒントを探して、時系列を考えた。が、結局はっきりとはわからなかった。
考えれば考えるほど、あの時がこうで、この服を着ていた写真があるということは・・・等、どんどん深読みしていくと、余計わからなくなっていき、疲れてしまった。
タイムリープものはややこしてくて、ちゃんとした解説が欲しくなる。
ラストは、見る側に委ねるスタイルだったため、どう捉えるかを考えなくてはならない。
その為にも時系列やタイムリープとパラレルワールドの構造がわからないと、と思うのだが、わからないために、う~ん、う~ん・・・と唸るばかりで、自分なりの結末を導き出すのも困難だった。
妻のチェヒが最後、ポラロイドの残りが1枚の状態でシャッターをきったこと、結婚指輪をしていること、缶コーヒーを渡されるのに、目が見えていないかのようだった事から、チェヒの病気は治らないまま過去に戻って、未来には戻らないということ?くらいしかわからなかった。
夫のスヒョクが(タイムスリップして過去がかわった時になる現象)「夢を見たような」と言っていたけれど、それがタイムリープのどこに影響しているのかわからなかった。ただその後に来るチェヒの台詞を言わせるためのもの、だったような気もする。
結局、タイムリープの推測、考察が気になって、ラブストーリーそっちのけで感動しそびれてしまった。
1時間で観られた作品だったのに、見た後にもっと時間を費やしてた上に、わからないというモヤモヤが残ったのは残念。
▼以下いろんな疑問と考察▼
妻のチェヒもタイムスリップしていたと思う。(考察)
ファーストシーンで、「生きるために来た」と言っていた。
ラストで何枚も同じ海で夫のスヒョクが写ったポラロイドが出てくるが、タイムスリップしたスヒョクが着ていたコートを着ている。
「なんとかしようとした」というのが、なんとかしようとしてタイムスリップしていたのでは?と思わせる。
ポラロイドの秘密を知っていた。
残り13枚から始まって、スヒョクは6枚のところから始まる。(もしかしたらスヒョクが13枚から6枚までの記憶をなくしているのかもしれないけれど、チェヒがタイムスリップしていたと推測した)
ラストでチェヒは見えていたのか見えていなかったのか。(疑問)
缶コーヒーを受け取るときに見えていないように伺えた。
けれど、携帯で電話をかけていたり、写真をとりだしたりしていたので、見えているかのようにも思える。
スヒョクが移植を匂わせることを言っていた。
スヒョクの時系列がわからない。(疑問)
移植提供者が逃げたので、自分の腎臓を移植したらしいが、最初から自分がドナーにならなかったのはなぜ?最初の提供者を待ち伏せしているのはお金を取り戻すため?
逃げた移植提供者の子供に、プラモデルをプレゼントして、「全部自分で作らないと大人になれない」と言っていたのは、何か理由があるのか。
どの時点から記憶があいまいなのかがわからない。タイムスリップしたことも忘れているのか?
最後に出てきたスヒョクは2008年のスヒョクなのか、それとも「夢を見たようなーーー」と言っていることから、パラレルワールドのスヒョクなのかわからない。
他にも気になる点はいろいろあった。
レビューを見ていると、チェヒは、最後は目が見えていると解釈している人と、そうでない人がいる。
目が見えているのなら、スヒョクが残りの腎臓と角膜移植をしようとしていて、それが叶ったということ。ラストでチェヒはスヒョクがいなくなり、孤独になったから「うそつき」と言ったということか?
チェヒは、「運命だからそれを受け入れるしかない」といったような発言をしていたことや、
「無駄だといったのに、行くなら言ってからにして」と言っていたのは、どの時点のことを言っているのかわからないが、どうやっても自分が病気になることは変わらないと言っているようにも思える。
どう捉えるかは見たもの次第という結末は、ハッピーエンディングと捉えるか、そうでないか、くらいなら意見が分かれたりするくらいだが、ラストの状況はどういう状況なのか丸投げになっているので、いろんな解釈を見てもすっきりしなかった。
<文・見出しイラスト/犬のしっぽヤモリの手>
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