マガジンのカバー画像

神として生きた女性

21
中山みきという人の伝記を書こうとしています。
運営しているクリエイター

#天理教

「まんが おやさま」を読み直す 12/48 「立教」その1

「まんが おやさま」を読み直す 12/48 「立教」その1

中山みきという人の伝記を書くにあたって最も謎に包まれた部分である「立教」と呼ばれる出来事が「何」であったのかを考察する作業に、今回からは入って行くことになる。本当ならば「検証」と書きたいところなのだが、「検証」をやれるほどの材料、すなわち何が史実であったかを客観的に証明できるような資料が余りにも不足しているため、今の私にやれることは「考察」がせいぜいであることを、あらかじめお断りしておきたい。もっ

もっとみる
「教祖絵伝」を読み直す 4/25 足達照之丞の話 再考

「教祖絵伝」を読み直す 4/25 足達照之丞の話 再考

前回では、中山みきという人にまつわる伝承の中で最も理不尽だと私が感じてきた「足達照之丞」のエピソードについて、幼い頃から溜め込んできた疑念を全部吐き出させてもらったわけなのだが、いまだに釈然としないのは、どうしてこのような「誰も幸せにしない作り話」が、天理教の信者さんたちには長年にわたって大切にされ続けてきたのか、もっと言うなら、愛され続けてきたのか、ということである。この逸話は平田弘史さんの「教

もっとみる
「まんが おやさま」を読み直す 11/48 足達照之丞の話 後編

「まんが おやさま」を読み直す 11/48 足達照之丞の話 後編

この話を5歳の時に読んでしまった当時の私の気持ちというものを、想像してみてほしい。中山みきという人は、何とひどい人なのだろうと思った。こわい人なのだろうと思った。今までずっと、中山みきという人はやさしい人だ、何でも許してくれる人だというイメージを植えつけられてきたわけだけど、その「正体」はこんな人だったのかと、連載一年目にしていきなり手のひらを返されたような気がした。

子どもの頃の一年間というの

もっとみる
「まんが おやさま」を読み直す 10/48 足達照之丞の話 前編

「まんが おやさま」を読み直す 10/48 足達照之丞の話 前編

「まんが おやさま」の10回目。当時5歳だった私に精神的外傷とも言うべき巨大なショックを植えつけた「足達照之丞」のエピソードの前編に当たっているのだが、本当に怖かったのはこの次の号に掲載された話を読んだ時のことだったので、その恐怖の内容については今回はまだ触れないことにしておく。しかしながら今になって読み返してみて、当時の私は決定的なことがまだ何も起こっていないこの号の時点においても、充分な恐怖を

もっとみる
「まんが おやさま」を読み直す 4/48 中山家のこと

「まんが おやさま」を読み直す 4/48 中山家のこと

1983年6月発行の「天理少年7月号」に掲載された「まんが おやさま」第4回では、前川家から中山家に嫁いだ当初の中山みきという人の姿が描かれている。(ただし史実としては、文化3年のこの時の時点では両家とも苗字を名乗ることを正式には許されていないので、「前川家」「中山家」は便宜的な表記となる)。「稿本教祖伝」ではこの頃のことが

…といった風に、ひたすら「教祖中山みき」へのお追従のような言葉でのみ語

もっとみる