「とりあえず5km走ってこい」と言う理由

初めましての方もそうでない方もこんにちは。

やま施術院代表の山本と申します。

ーーーーーーーーーーーー


とりあえず「ジョギング」を勧める理由

『運動は何をすれば良いですか?』
よく聞かれる質問です。その際、もう原始反射レベルで
『とりあえず走ってください』と食い気味に話します。

大体は「走るの苦手なんで」とか「どこ走ればいいですか?」とか「靴どうすればいい?」などQ2が来るんですが、そんなことどうでもいいので『とりあえず走る(という行動)をしてください』と重ねるようにしてA2を言います。

とは言うもののやはりいきなり『走ってください』→『はい!走ってきます!』とすぐに外に飛び出せるような行動力の塊のような方ならとっくにランニングやらジム通いやらをしていると思います。
おそらくですが『走る』ことによる明確なメリットが想像できないことによって「走りに行かない」と言う選択をするものと考えました。

明確なメリットが確定しないと「走る」という自虐行為をわざわざ選択しない

なので『いいから走れよ(ややおこ)』というキツめのテンションではなく、走るメリットがある程度想像できるように伝えることが大事だと思いましたので書いていこうと思います。こちらから歩み寄って心の距離を縮めていく感じです。

メリット①

下半身の筋力強化

まずはこれですね。走るのは全身運動ですが、主に下半身の筋肉を使います。
走ることで日常使わない筋繊維を動員して急激に伸縮させる(着地しては離れての繰り返し)のでその繰り返しで適度に筋肉が壊れ、それを修復する時に前よりも強くなって回復します。(超回復)

走る動作には必ず「着地」という「衝撃吸収」の場面が歩数分含まれます。これが大事。
歩く時の着地の衝撃と比べて、走る動作の着地は刺激が数倍から数十倍になります。(速度や路面に左右される)

そして、その衝撃吸収は骨や関節でも受け止めますが、筋肉や筋膜、腱と言った南部組織も使います。衝撃吸収も筋肉にとっては一種の「運動(伸縮)」になるので筋肉の微小断裂を引き起こし、超回復を経て強くします。
もちろん、スクワットなど足裏が静止した状態での筋トレも影響があるのでオススメですが、それよりもゆっくりのジョギングの方が上半身含めた全身での衝撃吸収量が高いのでより簡単です。(スピードをかなり抑えても効果あり)

走るという日常生活であまりしない動作と普段受けない衝撃を吸収することで筋力が高まります。

衝撃を吸収することも運動の1つ

メリット②

体幹部にも影響がある

よくランニングやジョギングは脚の運動だと勘違いされますが、違います。
ちゃんと上半身や体幹部分も使われます。

走っている時の衝撃吸収はひざや足首だけで行われるものではなく、全身で受け止めます。(ちなみにこれができない方で局所的な負担がかかると痛みの原因になります。ランナーひざなど)

ランナーの怪我の大半は下手くそな身体の使い方か練習量の多さ

わかりやすい例で言うと「お尻」と「腹筋」あたりでしょうか。

お尻は骨盤に付着する大きな筋肉ですが、ランニング動作中に正しく衝撃吸収する時に股関節の位置を調整するものです。(推進力にもなります)

腹筋にも影響があります。着地して足に入った衝撃が股関節まで伝わり、骨盤に伝導します。その骨盤の前側に付着しているのが腹筋です。骨盤が前に傾きすぎたり、後ろに傾きすぎたりを調整します。

もちろん、他の筋肉たち(全身)と協調して働くのでこれら単体で動くことはありません。

体幹の中心に近い筋肉たちも鍛えることになるので「走る」と言う簡単な動作でも全身の運動になります。

腕だけとか局所を鍛えるのでないのなら全身を動かす方が健康に良い。

メリット③

肩こりに効果がある

メリットは山のようにあるのですがわかりやすいものをピックアップすると「肩こり」

まず肩こり。肩こりはほとんど姿勢不良が影響しています。(まれに肝臓の問題でも起きます。特に右肩。この辺は割愛。)
デスクワークで座りっぱなしで作業をすることで骨盤が後傾し、背中が丸くなり、頭が前にでる。典型的な現代人の姿勢です。

画像1

この姿勢になると肩こりが起きるのですが、ポイントは背中と頭の位置。

背中が丸くなることで頭が前に出ると首、肩の筋肉が引き伸ばされます。
そうすると筋繊維間の血流が阻害され、筋肉に栄養が行きません。その結果「痛み」や「違和感」を引き起こし肩こりとなります。

筋肉に血液が行き渡らないことが不調の始まり。

改善するためには血流を回復させれば良いのですが、そのためには大元の「背中の丸さ」と「骨盤の後傾」をなんとかしないといけません。
首と肩だけマッサージしても肩こりが改善しないのは木を見て森を見ず、状態に陥っているから。

で、背中を伸ばし、骨盤を立てるのは施術でどうこうするよりも運動した方が圧倒的に効果的だし早い。

正直、施術ガッツリ60分よりも軽い運動20分の方が効果的な方もいます。

そして悪い姿勢が固定された状態でスクワットをすると筋肉ではなく、関節に負荷がかかりすぎてしまうので傷めてしまう可能性があります。(扱う重量や強度による)

なので低負荷であるジョギングをお勧めしています。

そして、メリット⑷でも書くように「呼吸」にも影響を与えます。

メリット④

無理やり深呼吸させる

肩こり改善にも大きく関与するのが「呼吸」です。

頭が前に出ている(+背中が丸い)状態は呼吸が浅くなっています。
(困ったことに呼吸が浅い=軽い酸欠、状態には本人は気付きません)
息ができないと苦しいのは自覚できますが、軽い酸欠状態は無意識です。
しかし、集中力がない、疲れが取れない、眠りが浅いなど影響が出ます。

で、改善するのは言葉で言うと簡単。

深呼吸しよう。です。

画像2

深く呼吸をすることで全身に酸素を巡らすわけですね。しかし、その場で深呼吸をするのは意識的にやらないと難しい。(一瞬でできることなんですけどね)
なので「走る」と言う動作を含めて半強制的に深呼吸をせざるを得ない状況を作り出します。(ちょっとだけスパルタ)
走れば息が上がりますし、酸素をたくさん取り込まないといけません。
では酸素を取り込む時に背中が丸いままでできるでしょうか?

無理ですね。

深呼吸をすると自然に胸を張りますね。(ラジオ体操を思い出してください)
逆に胸を張ること=背中を伸ばすこと、が呼吸を深くするように自然と作用します。なんとなくイメージできますかね?

加えて、着地の衝撃は肺を動かす「横隔膜」にも刺激を与えるので肺の空気交換が無理やり促進されます。それがさらに効果を高めていきます。

走る→呼吸しないといけない→背中を伸ばすようになる→首肩の位置が正常に近づく→肩こりの改善

メリット⑤

腰痛にも効果がある

肩こりだけでなく、「腰痛」にも効果があります。

お尻の筋肉(大臀筋)だけではなく、肝腎要の筋肉「腸腰筋」も走る時に動員されます。

画像3

腸腰筋は骨盤と腰椎に付着し、単体の動きで言うと脚を前に持ち上げる動きに関与します。しかし、衝撃吸収の時はこの筋肉の微妙な調整により腰椎を最適な位置に微調整します。この微調整があることで腰の正しい位置で衝撃吸収→筋肉の伸縮(以下、前までの説明と同じ)で痛みが改善されていきます。

こんな感じで走ると言う適度な刺激で全身の筋肉が伸び縮みして血流が良くなるよ=痛みが減るよ、という流れです。

ちなみに大腰筋の一番上と横隔膜は接合しているので呼吸にも間接的に関与します。腰が硬いと呼吸が浅くなる、と言うことですね。

画像4

注意するポイント①

身体の使い方(走り方)が大事

メリットばかり述べていても胡散臭いので「走る」ことを効果的にするポイントも書きます。

同じフルマラソンの大会を走っても怪我する人と怪我しない人の違いは何でしょうか?靴?ウェア?違います。走り方(身体の使い方)です。

もちろん靴は大事ですが、ボロボロで左右差があるようなものや窮屈なものなど極端のものでなければ関係ありません。
トップ選手で1秒を争うレベルであれば別ですが、健康増進程度のジョギングであれば靴は日本で流通しているものならなんでも良くて、重要なのは身体そのものの使い方です。

正しい身体の使い方をすれば、靴がなんであろうと怪我もしません(=全身で衝撃を分散できる)ので先に述べて肩こりや腰痛の改善につながります。

背中が丸いまま走っているランナーさんの肩こりは運動中や直後は血流が増えているので良さそうですが安静時は症状が出そうですね(無自覚なこともあり)

正しい身体の使い方をすることはジョギングの効果を最大限に引き出す要因です。

じゃあ、その正しい身体の使い方は?と大事な部分は別料金です笑
それを良くしていくのが生業なので割愛させてください。ご興味ある方は施術を受けに来てもらうかたまに開催する講座に参加してくださいね。(さりげなく宣伝)

正しい身体の使い方は走る以外どんな動作にも応用可能

注意するポイント②

路面も大事

身体の使い方が第一ですが路面も選べるといいですね。
やはりコンクリートやアスファルトは硬いので正しく衝撃吸収ができないと痛みが出やすいですね。加えて、足を持ち上げなくても走れる(つまづくことがない)のでガチガチに固まったフォームでも走れちゃう&スピードが出ちゃうので負荷が高いです。

下手くそな身体の使い方でも心肺機能の強さと筋力でそれなりに走れてしまう。

もし、健康維持レベルでジョギングをするなら「トレイルランニング」がお勧め。
ちゃんとした登山道でなくても公園にある土の道でもOKです。

不整地を走ると微妙なバランス感覚が養われるので全身への影響が舗装路よりも大きく出ます。合わせて登り降りもあるので股関節の動きが大きくなったり身体の使い方が多様なのでやはり効果的。
路面も舗装路よりも柔らかい&根っこなどもあるのでスピードも出ず、痛みが出づらいです(身体の使い方ありき)

加えて、トレイルランの特徴で言うと非日常の場所に行くことによる精神的なリラックスや土壌菌の吸引など色々メリットがありますがかなり長くなるので割愛。そのうちnoteで書きたいです。

メリット⑥

内臓の働きをよくする

この辺りから筋肉や関節など運動器の話から内臓の話になってきます。

人間含め哺乳類の体は『温まるとよく働く』。これを念頭においてください。

走ることで体温が上がりますね。筋肉は熱っぽくなりストレッチすると動き始めよりも良く伸びる感じがある。熱を与えることで伸張性が増すんですね。
これは骨格筋だけの話ではなく、内臓も同じ。
内臓も温まることで良く働きます。食事の時に温かいスープを飲むと食欲出てきますよね(ですよね?)、それです。

実際のところ走ると主に筋肉に血流が行くので内臓への血流量は増えるどころかむしろ減る(のでウルトラマラソンの時に補給食が食べられなくなるといった消化不良が起こる)。
しかし、着地の衝撃で内臓を揺れ動かされるのでその内臓同士を繋ぐ膜(腹膜)にも伸縮が加わります。腹膜も存在する組織なので伸び縮みします。

画像5

そして、運動後一時的に虚血(血が少ない)状態になっていた内臓に血液がドバッと戻ってきます。運動を終えて筋肉に血液が必要なくなったので戻る感じです。
そのメリハリが内臓を活性化させて機能が上がります。運動後は食欲モリモリですね。(食べすぎちゃうくらい)

便秘などはわかりやすく、衝撃を繰り返すことで腸を揺らす&運動後の腸の蠕動運動促進により便通が良くなります。(加えて運動による熱・血液の循環や神経系への作用もあります。やることがシンプルで効果が高い。)

メリット⑦

自律神経の調整

腸の動きもそうですが、自律神経は交感神経と副交感神経のバランスで成り立ちます。簡単に言うと興奮と安静。
どちらかだけでもダメですし、どちらに傾きすぎてもダメ。『どっちも』が大切。

この自律神経のバランスを取るには興奮と安静を適度に交互に行うことが肝要です。

つまり、「ランニング」=興奮=交感神経、「寝る」=安静=副交感神経

と言うことです。
交感神経は今、僕がこの文章を書いている時のように集中状態でも刺激されますが身体的にはあまりよろしくありません。なぜならば身体運動が伴っていないので血流が流れていないから。
なので運動をすることで興奮と安静の行き来を促し、動きながらバランスが取れてきます。自転車もペダルを回すことで前輪後輪のバランスが取れますね。

なので良く運動するとよく眠れるんですね。中庸と言うものです。

「自律」とは書きますが、自律神経系単体で「自立」して活動しているわけではないので身体活動や精神活動が必須です。

メリット⑧

精神的なリフレッシュ・満足感

前項で書いてもいいんですが、走ることで日常の様々なストレスから一時的に離れられます、それがリフレッシュにつながります。
なのでランニングは中毒者が多いんですね。きついけど気持ちいいってやつです。

はたから見ると走るのは辛そうですが、辛いけど人には言い難い満足感(脳内ホルモンの影響)があるので継続できるんですね。走りたくてたまらないってやつです。

画像6

最後に

こんな感じで色々とメリットがあるのはご理解いただけたのかな?と思っています。なるべく一般の方にもわかりやすくするため、医学用語はなるべく減らして表現を優しくしたつもりです。

「こうするともっと良くなる」とか「こうゆうの聞きたい」などありましたらぜひメッセージをください。もちろん、感想も聞かせてくれると嬉しいです。

ーーーーーーーーーーーー

やま施術院 山本将也

ーーーーーーーーーーーー

院での施術・出張施術・イベント出展・セミナー開催などご要望に応じて承っております。お気軽にお問い合わせください。

今後もより良質な発信をしていくためのサポートをできる範囲でお願いします!