#10 できるだけ長く一緒にいるために、病院選びは飼い主の責任重大な仕事
持病がなかったとしても、予防接種、フィラリア予防、ノミ・ダニ予防…と犬を飼う以上、動物病院には絶対に行かないといけないわけで。
お散歩で犬友さんに会うと、近所の獣医さんの評判の話になることも。
我が家の愛犬・山さんには、2つの「かかりつけ医」がありました。
ひとつは歩いて15分くらいの小さい時からずっと行っている所。
うちに来てすぐのワクチン接種、パピー向けのしつけ教室もそこで。
10人ほどの獣医師が在籍する比較的大きな動物病院だったので、担当の先生が辞めてしまったことで途中何人か代わったけれど。
相性もあるので、多数の先生の中から選べるというのは良かったかなと。
何より、そこには16年以上にわたる山さんの記録がつまったカルテがある。それは、とても貴重なことだと思っていました。
最後に診ていただいていた先生とは、2年間くらいのお付き合い。
でも、高齢になって頻繁に病院に行く必要があった時期だったので、それまでの先生の誰よりも密に接することになり。
口数は少ないけれど、質問したことには的確に答えをくれて、無理強いはせずに、気持ちに寄り添ってくれる。
そんな先生でした。
そして、1回も「歳だから、しょうがないですね」と言われたことはありませんでした。
何か症状が出て、「歳のせいかな…?」と思いながら聞いてみると、必ず、それにはどんな対処法があるかを教えてくれ、それを選択するかをこちらに判断させてくれました。
人間だって、ある程度の年齢になってから病院に行くと「加齢のせいです」と言われることがよくあるでしょ?
「そりゃ、そうだけど…」と思いつつ、しょぼんと帰る的な。
それはそれとして、対処法があるか知りたくて行ってるのにね。
そういう点も含めて、私にとっては、とても信頼できて、この先生に診てもらって良かったなと思えました。
あと、この病院は夜間救急診療をやっているのも心強かった!
幸い深夜に駆け込んだことはないけれど、心配なことがあって電話で相談したことは何度かありました。
いざという時にすぐに相談できるという安心感は大きかったです。
もうひとつのかかりつけ医は、車で15分くらいの所。
こちらの先生は西洋医学の獣医師でありながら、東洋医学の治療を取り入れていて、漢方薬の処方と鍼灸をお願いしていました。
山さんが10歳を超えた頃に「膿皮症」という皮膚疾患がひどくなった時期があって、抗生剤を飲んでも、やめるとまたぶり返す‥という状態で。
「これ以上、抗生剤は飲ませたくないな‥」と東洋医学を取り入れているこちらを見つけて漢方薬を処方してもらったという経緯での出会いでした。
山さんは身体に熱がこもりやすい体質が皮膚疾患の原因という診立てで、身体にこもった熱を発散させる漢方薬を飲ませ始めたら、まもなく、私が触れてもすぐにわかるくらい身体の熱さがスーッとおさまり、それと共に皮膚疾患も改善していきました。
その後もその状態をキープしていくためには食事の改善も大切で、それまであげていたフードのベースとなっているラムは身体を温める効果があるけれど、山さんにとってはそれが熱をこもらせる原因になることもあるということだったので、ラムベースのフードはやめて、他のたんぱく質をベースにしたものに変えることに。
漢方薬で身体を整えて、ごはんを変えた後は皮膚疾患に悩まされることはなくなり、毎日のごはんってやっぱり大事だな・・・と再認識しました。
その後、数年間はご無沙汰していたのですが、山さんが15歳を過ぎてから、関節炎、てんかん…など、いろいろ気になることが出てきたので、また通うようになりました。
鍼といってもすごく細いものだし、お灸も犬は毛があるのであまり熱さを感じないそうで、嫌がることもなく、されるがままになっていました。笑。
印象的だったのは、鍼灸をした後は帰りの車の中でグーっと深く眠ること。
それで、家について目が覚めるとシャキッとして、覇気が出るように感じたこと。
でもそんなに頻繁には行けないので、鍼灸は月に1~2回。
その代わり、家では小豆のカイロで腰から足にかけて温めていました。
私が前から使っていた「あずきのチカラ 目もと用」が、ちょうど身体に沿って使いやすかったので。
山さんは頭がのぼせがちだったけれど、そういう時も「頭を冷やすより足腰を温めて、気の巡りをよくしてあげて」と教わり、そうしていました。
西洋医学の先生は、出ている症状を対処する治療や投薬はしてくれるけれど、「その症状がなぜ出ているか」「症状が出ないように根本的に解決するにはどうしたらいいか」には触れないことがほとんど。
だから、薬で抑えて、また出たら、また薬で抑えて…ということもあって。
出ている症状をまず抑えて、つらさを抑えてあげたら、できるだけまた出ないようにしてあげたい。
それには、症状だけを診るのでなく、全体を診る東洋医学でのケアが必要。
特に高齢になってからは、ただ薬で抑えるだけでは、身体に負担がかかってしまうだろうなと。
それが、2つのかかりつけ医のお世話になっていた理由です。
幸いなことに、最近は西洋医学と東洋医学の両方を学んで臨機応変に使い分けるという先生も増えてきています。
私は「日本獣医中医師協会」という協会に所属している動物病院で診てもらっていました。
所属病院は全国にあるので、ご興味ある方はお近くの病院を探してみてくださいね!
人間も、この数年のワクチン接種で「かかりつけ医」というものが注目されましたが、私にそういう所があるかと言えば、ないのが現実。
だから、山さんがうらやましいなぁ‥と思ったりもしていました。
家で看取ってから、それぞれの先生にご報告をすると、
「山さん、本当に立派でしたね」とお2人から褒めていただきました。
いい先生に出会えて良かったです。
最後に、思い出の1枚。
関節炎で足が痛そうにひきずって歩いていたのに、鍼灸をした翌々日にスタスタと歩く姿。
もうひとつの病院ですすめられて飲ませ始めたサプリメントの効果もあったと思うけれど、再び軽やかに歩く姿に感動しました!
「犬との暮らし 16年の記録」
#1 いいブリーダーの見極め方って?
#2 快食快便ならドッグフードでも手作りでも。酸化には要注意!
#3 ごはんを食べやすくするための愛用品たち
#4 ハーブで病気になりにくい底力のある身体に
#5 気持ち良さそうに寝ている姿を見る。そんな日常が幸せ
#6 毎日のお散歩は季節の変化を感じる豊かな時間だった
#7 一緒に旅をしたい。けれど、犬は楽しめてる?
#8 ペットホテルをレジャーとして満喫しちゃう犬もいる
#9 洋服は冬のお散歩を楽しむために大切なものだった
#10 できるだけ長く一緒にいるために、病院選びは飼い主の責任重大な仕事
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#11 次回は…「病気」のこと
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