システム屋が読んでいる有料コンテンツ紹介:日経クロステック
システム屋一筋20年以上の筆者が読んでいるWebの有料コンテンツを紹介してみたい。
本日は日経クロステックを紹介する。
元々「日経コンピュータ」を定期購読していたのだが、紙媒体だとかさばるし、記事の検索がしやすいWeb版だけでよいなと思い、こちらを契約。
月額2,500円(年額だと25,920円)と、お値段はちょっと高い。さすがの日経価格。なんせ日経新聞の電子版は月額4,277円!(まあ日刊というのもあるけれど、それでもこの価格で勝負できる電子メディアは他にないだろう)
日経クロステックでは、日経コンピュータだけではなく、以下の雑誌の記事も全部読める。
正直建築とかものづくり系の記事を読むことはほとんどないので、日経コンピュータだけでよいから、単品の安いプランを作ってほしい。
ここまで高いと「その金額を払う価値はあるの?」と感じる方もいるだろう。私が契約している理由は大きく二つ。
①システムトラブル事案に対する徹底した取材による解像度の高い記事を読むため
例えばみずほ銀行のトラブルが分かりやすい。普通のニュースではトラブルの結果だけが報じられ、細かい原因までは報じられていない。一般人にはシステムの作りや運用の話をしても理解できないので当たり前ではある。
Yahoo!ニュースのコメント欄には「もう作り直した方がいいんじゃね?」とか「スーパープログラマ呼んできて一人で作ってもらった方がいいのでは?」とか的外れなコメントが並んだりする。
まあこの辺は便所の落書きなので無視するとしても、システム屋としては同じ感覚でいてはいけない。日経コンピュータの記事を読むことで、アプリケーションのバグ、そしてそのエラーハンドリング、さらに組織の運用体制にも問題があったことまでがよくわかる。
日経コンピュータには「動かないコンピュータ」という名物コーナーがある。世の中の色々なシステムのトラブルを分かりやすくまとめたものだ。
この連載を読んでいると、やはり失敗から学ぶことは非常に多いと思える。
バグ起因のものから、契約で揉めて訴訟になったもの、作ったが全く使われなかったものなど「動かない」の種類も多種多様で、本当に学びしかない。
この「動かないコンピュータ」だけでも金を払って読む価値がある。
②業界トレンドへのアンテナを張るため
多くのシステム屋は常に最新の技術を選べるわけではなく、枯れた言語やツールを使った「安定志向」のシステム開発・運用に携わっていることだろう。
それでも現状に甘んじているとゆでガエルのように気づいたら「スキルの陳腐化」、そして「市場価値の下落」が自身を襲う。
今の世の中のITトレンドはどうなっていて、自分が今どの辺にいるのか、それを客観的に見つめるためにも日経コンピュータの記事で業界動向にアンテナを張っているわけだ。
最近でいうとAI、機械学習、RPA、ノーコード・ローコード開発、DX、内製化といったキーワードが目に付く。
実際にいじらないまでも、それらが何を意味するのか、どういう価値があるのかを理解しておくことは重要だ。
事例を読むだけでも実際のプロジェクトを追体験できる。
余裕があれば実際にその分野の専門書を読んでみたり、手を動かしてみるのもいいだろう。
私もRPAについてはUiPathの無料版を実際に動かしてみた。作ったのは本当に簡単なものだが、実際に動かしてみるのとみないのでは大違いだ。
私は以下の記事で書いた通り「器用貧乏」を敢えて売りにしているが、その売りの一つ、「広く浅くつなげて語れる」点については日経コンピュータの記事が大きな助けになっていると思う。
以上、有料コンテンツ「日経クロステック」および、それに含まれる「日経コンピュータ」について紹介してみました。
それではまた。
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