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面接・面談でNG人材を見抜けるか?

面接・面談の目的

筆者は立場上、システム開発・ITコンサルティング業界での採用面接・プロジェクトでのパートナー人材アサインの面談を担当することがある。
当たり前だが「優秀な人」が欲しい。ただ、本当に優秀な人は少ないので、最低でも「きちんとした人」に来ていただきたい。

では、きちんとしていない人とはどんな人か?
ざっくり以下の3つのパターンだろう。

  1. 勤怠に問題がある

  2. スキルに問題がある

  3. その他の問題がある

それぞれの詳細を説明しつつ、そういう人材を見抜けるのかを検討してみよう。

1.勤怠に問題がある

遅刻が多い。ものすごく病気がちで月の半分は休んでしまう、などである。
こういう人がいると、他のメンバにしわ寄せが行き、チーム全体の不満も高まってしまう。
事前に見抜けるか?

病気のことは面接・面談であからさまに聞くのは難しいだろう。

勤怠上の考慮点として、平日日中の通院が必要といった制約があるかどうかは許容範囲と思われるが、この質問でも月の半分休んでしまう人を見抜くのは難しい。
ただ、質問への回答の中で精神疾患の病歴があることが分かるということはある。その場合は直近は業務に支障なく働けているのかを慎重に確認したほうがよいだろう。
もちろん社会全体としては精神疾患から回復した人が再び元気に働く場が提供されるべきだし、私もそういう社会になってほしいとは思う。実際に回復して元気に活躍している人も知っている。
ただ、チームや組織をマネジメントする立場としては、既存メンバの心身の健康がまず優先であり、そこを脅かすリスクとなりうる採用・アサインは極力避ける責任もあるというのが私の思うところである。

あとは、あくまでスキルに関連してという文脈で、普段から習慣的に心がけているスキルアップ習慣について聞いてみるのはよいかもしれない。
きちんと習慣づけできている人は、勤怠もしっかりした人が多い。

2.スキルに問題がある

これが一番多いパターンだろう。
特にプロジェクトの面談では、ポジションが明確に決まっているはずなので、その領域については即戦力の必要がある。
ここに関してはとにかく具体的に経験について語ってもらうに尽きる。

本当にできる人であれば
「〇〇のご経験は?」
という質問に対し、具体的なエピソード付きで回答してくれるものである。
逆に「あります」「問題ないです」しか返ってこない人は、経験があったとしても内容が薄い、言われた通りやっていただけで本人の経験とは言い難いというパターンが多い。

とにかく具体的に語ってもらうことでスキル不足人材は見抜ける可能性が高い。少しでも不安を覚えたら見送ったほうがよい。

3.その他の問題がある

あくまで聞いた話にはなるが、採用・アサインした人材がとんでもない地雷だったということもあるようだ。
警察のお世話になってしまった、突然蒸発して連絡が取れなくなってしまった、初日から現場に出社せずになぜか退職代行の会社から連絡がきた…など

そこまでいかなくても異常に他責思考だったり、自分のスキル不足を棚に上げて「偽装請負になるので現場の〇〇さんからの指示は受けません。自社営業を通してください。」と殻にこもってしまう人もいるようだ。(おそらく偽装請負を糾弾したかったわけではなく、面倒な人を演じることで体よく「スキル不足」ではなく「顧客都合」でリリースされたかっただけだろう。)

面接・面談で見抜くのはかなり難しいが、どこか上の空で全体的に他人事感が漂っていたり、転職歴やプロジェクト経歴がやたらと多い(=荒れている)のは要注意だろう。
論理的な説明は難しいが、自分自身の人生に真摯に向き合っている人は自分以外のことにも真っすぐ向き合っていることが多い印象で、そういう人は周囲と調和するので結果的に経歴が荒れたりすることもないと思うのである。

表向きマトモな人でも、裏の顔で警察のお世話になってしまうことも世の中的にはよくあることなので、ゼロリスクは難しい。いざとなったら事態を受け止めて、落ち着いて収拾を図るしかないだろう。

まとめ

システム開発・ITコンサル業界は、とにもかくにも「人」である。
自社フレームワーク、メソッドなどがいくら充実していても、それを運用するのは人であり、人の採用・アサインについては慎重になるべきだ。
このエントリが転ばぬ先の杖となれば幸いである。

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