精進料理に目覚める3歩前 #74 ジンセイにブラック
冬になると大抵朝はこうである
目には見えない何者かに意識をちゅーちゅー吸い取られ布団に横になっていても ああ倒れそうなどと不思議な感覚に襲われてそのまま意識がふにゃふにゃと消えていく
頭の後ろにストローを突き刺して意識をちゅーちゅーされているなんてワタクシの意識はココナッツジュース味でもするのかと意識を吸い取るお存在に尋ねてみようにも後ろに引っ張られるように意識が遠のいていくので 背後からワタクシの意識を吸い込んでいるお存在は未確認のままである
冬眠と称してひたすら布団にしがみつく最高の季節であるのに どうにも夢の世界の手前あたりで意識がウロウロして惰眠すら貪れていない
怠け者としては大問題である
カンポウに於いて意識の担当は確か【心】の『神明』である
皇帝【心】様は五臓の官における君主であり シン様の指令によって他の臓腑の機能は調整されているらしい
【神明】カラダの話に突如として顕れる“神”なる漢字に戸惑うし一氣に胡散臭さを見出して踵を返してしまいたくなるポイントでもあるだろう
が
驚くなかれ 我々はこの“神”の使用法を既に獲得しているのである
身近で当たり前すぎるが故に疑問すら抱くことなく通り過ぎているであろう単語
『失神』
おそらく【心】の『神明』を失っている状態である
【シン】様が血脈にて全身に送り出しているのが栄養と潤いを持つ麗しの『ケツ』である
そしてその『ケツ』が精神活動を支えてくれるのである
その『ケツ』を生み出すのが【ヒ】
『ケツ』をストックするのが【カン】である
結局のところワタクシの意識【神明】をココナッツジュースの如くちゅーちゅーしているのはケッキョさんであるらしい
ケッキョさんの活動はこんな感じである
年末の枕崎補血旅行以前からどうやら活動を絶好調にしていたようである
補血に補腎に忙しい冬である
耳には未だ大音量のジングルベルが補腎のブラックヨウジョウの必要性を主張していて
ココナッツジュースの如く吸い取られていく意識は補血のレッドBLACKナッツヨウジョウを推している
更に冬の冷えに立ち向かってくれる温活食材も味方についてくれて居たら安心である
更に更に 秋から引き継いで乾燥を届ける冬にもケツにプラスしてホワイト食材で潤いを強化しておきたい
潤いとエネルギーが手を組めば【ケツ】を生み出すことができるらしい
耳にジングルベルを届け続けている腎にエネルギーチャージしてくれる【メンテナンスBLACK食材】から食して行こう
そもそも冬の寒さにノックダウン寸前の【腎】の機能のお仕事エリアがこの辺りである
そして【腎】が弱るとこんな感じとなる
今回もまたゆるゆると腎精からスタートである
腎精の弱いワタクシの人生はどうにも動きが鈍いらしい
結局ケッキョさんの話をするならばケツのストック先である【肝】をスタートにすれば良さそうなものであるが
カンポウの根底にある自然界の循環の五行説にて【スイ】は【モク】の母となって母子の存在となっているらしい
このサイクルに五臓の機能を当てはめて行くとこんな感じになるらしい
カラダの水をコントロールする【腎】が母で
ケツのストック先である【肝】が子の母子の関係となっているんだとか
母子共々元氣になってもらうwin→winの流れを作ってみる作戦である
まずはメンテナンスBLACK食材である
無類の貝好きのワタクシの冬の腎精ヨウジョウに『牡蠣』は欠かせない存在である
牡蠣を食す楽しみの為だけにカチコチボディをどうにか維持して冬の寒さと冷えに耐えているのである
年始から始まる三宅美術館さんの『物語る身体』の展示初日に合わせて谷山へ
ヨウジョウにてカラダのことばかり考えているワタクシには最高のタイミングである
週末に当たる初日の混雑を予想して覚悟するも この日も前回の『祈りの風景』のパーントゥに見惚れた時同様にひたすらのんびりと独り占め時間を満喫して
更に鹿児島市立美術館でポストカードを見かけて氣になっていた橋口五葉さんの本を見つけて描かれた和の軽やかな優しさにすっかり観入っていたらいつの間にやらお昼時間である
腎精チャージのため谷山電停の近くの氣になっていたスポットかき小屋185水産さんへ
炭代無料のお得なセットを注文して牡蠣の焼き方を教えていただきながら牡蠣を堪能する
カゴに入っていらっしゃる牡蠣は焼いても生でも楽しめるらしい
左手に軍手に右手にトングを構えて
炭火で温められた網の上に牡蠣を置いて1分でササっとひっくり返してまた1分間そわそわしながら牡蠣がポコっと開いて殻の中に湛えていた塩水が飛び出して熱々の炭へと焼き上がりの合図をジュウジュウに知らせ奏でる音まで味わい尽くす
パコっと開いた殻をこじ開けて牡蠣の中身とご対面である
ぷるりんとした美しい牡蠣をちゅるるんと食す
炙って開いてちゅるるるん
炙って開いてちゅるるるるーん
幸せ過ぎる牡蠣時間にひたすらデレデレである
牡蠣を啜るのに夢中になり過ぎて牡蠣の吸引途中に届いたセットの牡蠣ご飯と牡蠣と赤エビのフライと貝汁はまるっと手付かずのままである
なんてったって軍手にトングに両手は絶賛焼き牡蠣専用装備中で多忙を極めているのである
牡蠣を吸い込み終えて貝汁を啜り牡蠣ご飯を食し始めた頃にはワタクシの腹はなかなかご立派に膨れている
牡蠣の吸引に比べて明らかに悠然と動き始めた箸を見た店員さんが氣を利かせてくださったので ご飯とフライは包んでいただいて晩ご飯に持ち越しとする
牡蠣吸引完了である
ゴゾウにジングルベルで主人公となった腎であるがワタクシはそのお仕事【腎陽】【腎陰】をうっかり描き忘れていたようである
この2つは竈門の火と火にかけられた鍋の中の水との関係にそっくりなんだとか
愛おしの牡蠣のことを知って行こう
因みに牡蠣の殻はボレイという生薬となって漢方薬の中で活躍してくれているらしい
お味噌汁は貝汁で具材はアサリである
お次は晩ごはん用にお持ち帰りしたフライ入っていた海老である
メンテナンスBLACK食材を追いかけて行こう
赤なのか黒なのかはたまた青なのかな ナマコさんである
ワタクシの二の腕程のご立派なご当地ナマコさんがスーパーにドテンと転がり並んでいる
どうやら12月頃が旬となるらしい
出逢えたらすぐさま味方を依頼したい食材である
そしてよくその音が栄養ドリンクを取り巻いているのは耳にするが何となく意味が分かるような分からないような
とりあえずゲンキになれるんでしょ?
と思ってあやふやなままの距離感を保ってきた単語が “滋養強壮” である
『ジヨウキョウソウ』
「滋養」は栄養のことで「強壮」はカラダが丈夫で健康なことであるらしい
つまり "カラダの弱い部分を栄養素で補って體質を改善して強いカラダをつくること" となるんだとか
文字が駆け出す方向を追ってきたら五葉さんの後に滋養さんが出てくるとは文字さんなかなかに韻である
思いのほかワタクシの意識をココナッツジュースの如くちゅーちゅー吸い込む相手が強力であったので
今回ばかりはワタクシも強力な味方に協力を仰ぐしかなさそうで有る
お正月用?に並んでいたあわびさんである
旬の時期はとうに過ぎているらしいので どうやら韓国産であるらしい
腎精チャージを得意とするのが『貝類』である
根っからの無類の貝好きのワタクシのカラダは ワタクシが腎精チャージについて知識を得る以前から人生に腎精が足りていない事に氣づいて貝類に補腎を依頼していたようである
おやつに持っていたいのがこちらである
ケッキョさんに狙われている時には貝柱スープをコツコツと飲み続けるのもおすすめなようである
冬の暖かBLACKでおすすめなのが『純黒糖』である
甘くて食べやすいから食べ過ぎ注意なのであるがひとカケラで済まないのが純黒糖の憎いところなのである
玄米パンを豪快にちぎって純黒糖をひと粒挟んでガブリと齧り付く これが止まらないのである
手についた甘いものがベタベタするイメージにあるように甘いものはカラダの中でもベタ活を仕掛けて来るので程々が良いのは分かってはいるのであるが スイタイさんが"もうひとくち"の誘惑をするのである
なんてったって旬がいちばん美味しいのである
冬こそまさに黒糖の最盛期である
玄米パンの相棒として出逢ったのが
無添加生のり1番さんである
海苔の佃煮にノリノリで手を伸ばしてパッケージを裏返してみるも 原材料に得体の知れないカタカナの羅列のないものに出逢えた記憶が無いような
裏側に見知らぬ表記が無い事を確認してお迎えしたこちらの生海苔さんも玄米パンの相棒でメンテナンスBLACK食材である
黒い海藻繋がりで『もずく』も食そう
枕崎でお迎えした鰹節をその風味が強いうちに素材の良さをそのまま堪能し尽くしたい
塩もずくを塩分を少し残すよう粗く塩抜きして熱湯を注ぎネギを敷き鰹節を鷲掴みに載せる
鰹節香プンプンである
鰹節はケッキョさんにカラダを温めてくれるネギはもずくよってカラダが冷え過ぎないよう見守ってくれている 冷える日には生姜パウダーをプラスしても良さそうである
まだまだ鰹節を楽しむべくメンテナンスBLACK食材を『キクラゲ』へ変更してみる
黒キクラゲは運良くそのまま使えるカット済みのお心遣いの嬉しい商品に出逢えたので
戻してから器に入れて そこへお湯を注いで 塩を加えてネギを乗せて鰹節を鷲掴みして 究極のお吸い物の出来上がりである
ひとつひとつの素材自体が素敵なのでズボラでシンプルが最高なのである
ここまできたらBLACKライスにも頼ってみたい
ご当地食材物色中に出逢えた無添加黒米おにぎりは黒胡麻まで加わっていて最高の腎精チャージ玉である
肝腎ヨウジョウ食材さんにクリスマスプレゼントをお願いしよう
ワタクシの耳に耳鳴るジングルベルを届けるよりも どうか不眠を連れて来るケッキョさんを吹き飛ばして数日後の寝正月の為に深い睡眠をくださいませませ
さあさあお正月である
ぽかぽかの正月に誘われてのこのこと徘徊をしている街に見かける冬用のアウターはちらほらで それどころか裸足にも出逢える陽氣っぷりである
そんな陽氣な街中でワタクシが偶然出逢ったのは餅つきである
吹上庵さんの店前にて祝酒の焼酎とつきたてのお餅を振る舞ってくれているようである
年が明けても引き続きヒヨワなワタクシは餅つき動画を拝見しながらワタクシの脾にその粘り強いお餅の消化は負担であろうとお餅無しの正月を予想していたのであるが
目の前でエイコラとツカれている餅はもちろん魅力的である
しかもそのお餅をどうやらひとくちサイズでいただける様なので ひとつ頂いて頬張りながら予想外の脾にも嬉しいお正月を堪能する
お餅でお正月氣分を頂けたなら あとは寝正月を楽しむのみである
ココナッツジュースのごとくちゅーちゅー吸い取られるワタクシの意識と肝腎ヨウジョウの話ばかりであるが
ここまで来たらその喩えにばかり登場するココナッツさんが氣になってしょうがない
いつかココナッツに出逢ったら潤いチャージをお願いしてみよう
温暖な土地にはいち早く春がやって来ているらしい
パックから溢れ出るその香りに釣られてお迎えした苺さんはキッチリ季節のエネルギーを纏っていて麗しい
デレデレしながら記念撮影を開始する
1月5日に少し遅れてイチゴ記念日である
いちごのヘタまでも自信に満ち溢れてピンとその新鮮さを主張している
ストロベリーも腎精にベリーグッドであろう
春がすぐそこに来てくれて居るのに まだまだワタクシの耳はジングルベルを聴き続けていたいらしい
人生ひたすら腎精チャージである
食すsatumaはまたいつか
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