見出し画像

2/3(水)_【聴覚障害のあるお子さんをもつ親御さんへ】聴覚障害のある大学1年生、やまもん。

聴覚障害のあるお子さんをもつ親御さん、聴覚障害と関わりのある親御さんに考えてほしいことがあります。
お子さんの悩みに気づいていますか。
障害についてお子さんとお話ししていますか。諦めていませんか。否定していませんか。

聴覚障害のある大学1年生、やまもんです。

いつもと違うスタイルで書き始めてみました。

前回は【自分の障害に対する捉え方】でした。
今回は【聴覚障害のあるお子さんをもつ親御さんへ】です。


はじめに

わたしは大学生です。家庭をもったことはもちろんありませんし、その兆しもありません。ですが、私には聴覚障害があります。みなさんよりも聴覚障害のある方とお話ししたことがあります。

中学生の頃から、聴覚障害のあるお子さんをもつ親御さんに対して、疑問に思っていることがあります。

お子さんの悩みに気づいていますか。
障害についてお子さんとお話ししていますか。諦めていませんか。否定していませんか。

この3項目です。今回は上記の疑問私の見解でお伝えします。
不快に思われる方もいらっしゃると思いますが、ご了承ください。


「聴覚障害のある方の日本語」がおかしい理由
(私の主観です。全ての聾学校がそうではありません。)

画像1

私は中学から聾学校に通い始めました。

「情報保障がしっかりしている」から聾学校への進学を選択しました。

人数が少なかったため、ほぼマンツーマンで授業を受けていました。おかげで、私の理解度に合わせた授業をしていただくことができ、学力調査テストでも1桁に入れるかどうかというところまで学ぶことができました。

色々と考えることのできる中学生だったのではないでしょうか。

ここまでの話を聞くと
聾学校っていいところ。障害に対して理解があるところ。という印象を持たれるのではないでしょうか。


確かに、理解はあるでしょう。ですが、


周りを見てみると「これが聾学校なの?」と思ってしまうほど、聴覚障害のある学生に対する日本語教育がイマイチでした。

聴覚障害のある方って日本語が不自由なの?

と思われたことはありませんか?

それが私の疑問のきっかけです。「助詞の間違い」が特に目立つのではないでしょうか?聾学校を卒業した方でも助詞がおかしい方はたくさんいました。どうして間違えるのか、考えたことはありますか。

聴こえの程度が。。。
本人のやる気が。。。
教え方がわからない。。。

ではないです。

聾学校に通っている(通った)にも関わらず、日本語が不自由なのは、

助詞がおかしいのに、誰も指摘しないから。

間違っていると指摘されなければ、正解だと思い続けます。最初は指摘していた方も、「毎回指摘するのは可哀想」「言いたいことはわかるからいいや」。こう思っては、指摘をやめてしまいます。

学校の先生だけではないです。親御さんもです。
お子さんが間違った日本語を使っているのに、「それは違うよ、こうだよ」と親御さんが指摘している姿を見たことがありません。

正しい日本語を扱えないまま成長し、後悔するのはお子さんです。私自身、助詞問題を出されると「え?これ正解なの?」となることがあります。ですが、こうして記事を書くことができるだけの日本語力はあります。

「常に指摘する」のは疲れるかもしれません。大変だと思います。もういいやって投げ出したくなると思います。それでも、指摘してあげてください。お願いします。

困るのは、あなたのお子さんです。
解決してあげることができるのは、親御さんです。


前置きのつもりで書いたのですが、長くなってしまいました。
本題に入ります。



聴覚障害のあるお子さんが悩んでいること、気づいていますか。

画像2

聴覚障害のあるお子さんをもつ親御さん
聴覚障害のあるお子さんと同級生のお子さんをもつ親御さん

特に、一般校に通うお子さんには様々な悩みがあると思います。

例えば

・自分の言いたいことが伝わらない(発音や言葉の問題)
・聞き取れなくて話に混ざれない
・障害のことをからかわれる
・直したいのに、どう直せばいいのかわからない
・自分の障害について知りたいけどどうすればいいのかわからない

特に最後の「自分の障害についてどうすればいいのかわからない」という悩みは大事だと思います。自分の障害についてある程度知っておけば、何か言われたとしても緩衝材になるかもしれません。同時に自分の障害について周りの人に話すことができます。

ある例を紹介します。

「ん?なんだって」
「だからこうだって!!」
「いや、何言ってるかわかんないよ」
「なんで分かんないんだよ」
「もういいよ」

という例があったとして、どちらが聴覚障害のあるお子さんで、どちらが健聴のお子さんでしょうか。

どちらも当てはまります。
伝わらないから、諦める。
聞き取れないから、諦める。

お子さんの悩みを把握できていなかったとしても、気にかけてあげることはできるのではないでしょうか。悩みが元で喧嘩に発展してしまったという例を聞いたことがあります。

お子さんと一歩踏み込んだお話をしてみませんか。



情報を集める時間はあるはず。

画像3

先ほど、「自分の障害について知りたいのにどうすればいいかわからない」という悩みがあるとお話しました。

小学生や中学生時点では、親御さんの方が障害に対して多くのことを知っているのではないでしょうか。自分で調べることができるお子さんもいらっしゃるはずですが、ほとんどの方が自分の障害について十分に把握できていないと思います。

私も十分に把握できていません。自分の障害を相手に伝えるためには、まずは自分の障害を知っておく必要があります。

お子さんよりも幅広い観点から調べることができるのは、親御さんです。ガッツリ調べることができればいいのですが、やらなければならないことに時間を取られると思います。なので、

こんな障害もあるらしいよ。
この機械便利そうだね。
補聴器のマイクってここにあるんだよ。

といったことでもいいと思います。お子さんと一緒に新たな気づきを得てみませんか。



どうしてあなたが最初に否定するの。

画像4

親御さんの会話を見てみると、

「うちの子、頭悪くて」
「家ではゲームばっかりで」
「まだ1人でできなくて」
「頑張ろうとしなくて」

と、お子さんを下げるような発言が多いなと思います。これだけだと問題なさそうに見えるのですが、

お子さんと話した時に、

「耳聞こえないからできない」
「頑張れないからできない」
「わからないからできない」

と言われると、「そんなことないんだけどなぁ」「どうしてそう思うの」と問いかけたくなります。

当たり前のように「聞こえないからできない」と言われると少し悲しくなりませんか。

お子さんにとって、親御さんの言葉は大きいものです。マイナスの部分があったとしても、プラスに捉えて話してみませんか。



最後に

最後まで読んでくださったみなさん。ありがとうございます。
不快に思われた方もいらっしゃると思います。ですが、どうしても皆さんに伝えたい、こんなこともあるんだよと知って欲しかったので記事にしました。もちろん、全ての聾学校が紹介したような感じではありません。そういう例もあると覚えていただければ幸いです。私の場合は、幼少期に父が日本語教育をしてくれたそうです。簡単な文章を書いて、助詞や単語を隠して見せ、当てさせるという内容だったそうです。毎回泣いていたそうですが、根気よく続けてくれた父、やめさせたいけど続けさせてくれた母に感謝です。聾学校に通う、特別支援学級に入るという手段もありますが、それまでの家庭での取り組みが大事ではないでしょうか。この記事が考えるきっかけになれば嬉しいです。

画像5

やまもん。


【聴覚障害】シリーズ①②③④⑤ 2/1(月)~2/5(金)



この記事が参加している募集

#スキしてみて

525,778件

👂🏻👈🏻🙅🏻聴覚障害のある大学1年生、やまもんです 【情報格差をなくしたい】という目的でnoteを始めました。有益な情報を提供できるよう毎日投稿します。応援していただけると嬉しいです。 noteで得た収入は情報発信のために使わせていただきます。よろしくお願いします。