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農家の経済教育。商人の経済教育。僕の経済教育。

今日、打ち合わせで銚子のキャベツ農家の友人と話している中で出てきた雑談。「うちは、子どもにお小遣いをあげたら大根の種を買いにいくんだよ」という。「種を畑にまいて収穫して、それを売ってほしいものを買うんだ」。すごくいい教育!

農家の経済教育

お小遣いで大根の種を買って、畑に植える。

それが収穫されると1本100円でおじいちゃん両親に販売するのだそうだけど、100円で買った種がいくらになるのか想像するとワクワクする。

欲しいものを100円で購入するとせいぜい100円以下の価値しかない。しかも、その時手に入れてその満足は終わり。買った瞬間に価値が下がってしまうのだが、種をまいて、手入れをして、収穫をすると手元にお金が残る。

残ったお金で種を買って、また畑にまいておけば数か月後には再び収穫が待っている。その時に欲しいものをまた買えば100円は永久に増え続けるという話だ。

しかも、今回の場合は父母や祖父母が必ず購入してくれるという約束付き。余った大根は人にあげてもOK!
人にあげることで感謝される。この感謝が次にどんなつながりを生み出していくのかもとても興味深いものだ。

子どもにビジネスの基礎を教えたり、お金を増やす方法、生み出す方法を教える題材にはピッタリではないか!さすが農家で受け継がれてきた知恵。

じゃあ、僕たち商人はどうやってお金を生み出したら良いのだろう??

ちなみに…僕が小学生の頃に始めた小商いについては以下のリンクからご覧ください。

商人の経済教育

商人としての僕は、子どもたちに小商いをさせている。

イベントに出店するキッチンカーの横で、市場の中で仕入れた駄菓子をつかった射的を出店させるのだ。

仕入れ1万円くらい。僕が編集部を置いている船橋市地方卸売市場には「山下商店」という駄菓子の問屋があるんです。

ここでは用途に合わせて予算に合わせた仕入れが可能で「射的をやりたい」とか「くじをやりたい」とか注文すると、何人くらいの来客を見込んでいるかに合わせたセットを用意してくれる。

1回3発100円という射的をやらせて、「お父さん、射的やりませんか~」という客さんの呼び込みから、煽り(盛り上げ)、売上回収まで含めて管理させる。もちろん、売上げから経費を差し引いた分は全て子どもにもっていかせる。

1日で5000円~1万円を売り上げることもある。子どもが2人で店番をすると、小学校4年生と1年生のコンビでも2500円~7000円くらいの利益を持って帰れるのだ。

自分で稼いだ金は好きに使わせる。好きなものを買ってもよいし、人にあげても良い。ちなみにうちの子どもたちは、自分の欲しいものを買った後でお兄ちゃんやお姉ちゃん、母親にお土産を買っていた。

編集者・カフェ経営者として、僕の経済教育

僕は近々、高校生の長男にゲストハウス運営をやらせようとたくらんでいる。

自分の部屋がほしいという長男にゲストハウスに管理人室を用意する。友達と一緒に男の基地として使っても良いので、代わりにゲストハウス滞在者の世話はやってもらうという取引だ。

場ができたら、僕の得意分野になる。

ゲストハウスは、20人~50人の会員でシェア運営する。毎月5000円×20人で10万円の資金が確保できる。50人だったら25万円になる。家賃を5万円で抑えられ、2万円くらいで水道光熱費を見込んだらあとは改装費の返済に充てられる。

20人がシェアする物件だったらみんなでワークショップ的に内装などの工事も行える。大工さんに指導してもらって自分たちの場を作っていくのだ。最初から一緒にやっていく事で、設備の維持や修繕などもある程度自分たちでできるようになっていく。

管理人室以外のスペースは、カフェやレンタルスペース、キッチンカーポートなど全てシェアして共同利用する。別で、将来カフェオーナーをやりたいと考えている「おじさん(お姉さんも主婦もいる)」を「おじさん珈琲講座」で育成しているのでその人たちが週1回とかカウンターに立ち自分のコーヒーを提供する。

カフェの客席スペースでは作品の展示やワークショップを日替わりや週替わりで行える仕組みを取り入れる。そうすることでカフェ×7人、レンタルスペース×7人、キッチンカー×7人…とかかわる人たちが増えていく。

もちろん、この事業で僕の収入はとらない。

長男に一部屋を与えることで家賃が2万円高い家に住み替えると引っ越し代他諸々の経費がかさむ。エアコンも必要になるだろうし、各種の家具なども必要になる。

また、ゲストハウス事業を始めると夜に宿直する人が必要になる。その人の人件費は1泊1万円だとしてただ施設を持っているだけで30万円!

来客があるかどうかも分からない施設にこんな固定費を掛けるのはばかげていると思うのでここをシェアして解決するだけで僕の支出は大きく削減できる。今よりも多少収入を得られたとしてもその準備にものすごい時間がかかる。それなら、やりたい人に会費を払ってもらって一緒に運用した方がはるかに事業のスタートが速いという考え方なのだ。

そう考えると、この小さな事業で毎月5万円~20万円くらいの利益を出す必要は全くないのだ。

話を経済教育の方に戻します。

長男は、ここに滞在する客の面倒をみていることで自分の部屋を得るけど、それ以外に滞在客とのコミュニケーションからお金を生み出すことを知るかも知れない。

滞在客が外国人だった場合に英語のコミュニケーションをとるかも知れない。中学校卒業レベルの英語単語を知っていたら海外の人とも意外とコミュニケーションをとれると知って留学したいと思うかも知れない。

必要だと思ったら、留学する資金は自分で稼がせる。

ゼロからイチになった小さな事業があるのだからそれを増やしていけば良いだけの話だ。すでに20人~50人の大人が仲間にいるし、そこに来る客も合わせると200~300人以上の関係人口がいる場にはいろんな価値を生み出す余力が秘められている。

そうしたことを息子に教えたい。

そして、小学生でも高校生でも。大人と同じように事業をすることができると知ってもらう。学校に行かなくっても国際人になれるというのが僕の経済教育だ。

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