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星野道夫が名作と呼んだ 『極北の動物誌』がヤマケイ文庫で復刻。【12/16 刊行記念YouTubeライブ開催】

写真家・星野道夫が「名作」と呼んだ幻の古典『ANIMALS OF THE NORTH』。

2002年に新潮社より『極北の動物誌』として邦訳された後、絶版となっていた本書を、ヤマケイ文庫で復刻することとなりました。
文庫版では新たに書き下ろした星野直子さんからの巻頭言、そして写真家・大竹英洋さんからの寄稿が加わっています。

刊行を記念して、12月16日(木)19:30〜21:00、YouTubeライブにて、大竹英洋さんと担当編集者による刊行記念トークイベントを開催します。
イベントでは星野直子さんからのビデオメッセージもお届けします。
*本ページ下部に詳細情報記載


本書の背景、そして今、この本が私たちに語りかけることは何なのか。
イベントを前に、本書の魅力を紹介します。

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この本全体に流れている極北の匂いに、どれだけアラスカの自然への憧れをかきたてられただろう/星野道夫


『沈黙の春』が人類による自然破壊に警鐘を鳴らした1960年代初め。
アラスカの大地を核実験場開発の脅威から守り抜き、そのため故国アメリカを追われた、一人の動物学者がいました。
『極北の動物誌』の著者、ウィリアム・プルーイットです。

写真家の星野道夫は遺作『ノーザンライツ』のなかで本書について、敬意をこめて「アラスカの自然を詩のように書き上げた名作」と評しています。
星野とプル―イットは共にアラスカの自然を愛する者として心を通わせました。

オオカミ


カリブー、ムース、オオカミといった極北の動物たち。
彼らは動物同士、そして、彼らを取り巻くトウヒ、シラカバといった植物とも深く関わり合いながら、厳しい自然の中で営みを続けています。

本書ではそんな動物たちの姿が生き生きと、詩情あふれる筆致で描かれ、まるで目の前に広がる極北の自然を自分の目で眺めているかのように感じられます。

ウサギ
リス


多種多様な生物たちが関わり合い、バランスを保ちながら営みを続ける極北の自然。
私たち人間もまた、大きな自然の一部に過ぎないことを、原著の刊行から50年以上が経つ今なお、この本は気付かせてくれます。

気候危機、生物多様性の危機など、さまざまな問題に直面する昨今。
私たちの選択が自然環境に及ぼす影響の大きさがどれほどのものか。
そして、エコロジー、本当の豊かさとは何か、改めて考えるきっかけを与えてくれる一冊です。

●トークイベント情報
日時:2021年12月16日(木)19:30〜21:00

YouTube「山と溪谷チャンネル」よりライブ配信(URLはこちら)​
今年の土門拳賞を受賞した、北の自然をテーマに20年間撮影を続けている写真家・大竹英洋さんをお招きして、トークイベントを開催します。
オオカミが暮らす森の魅力、星野道夫への思い、そしてウィリアム・プルーイットとの関わりについて、野生の息づく大自然の写真を交えて語っていただきます。
また特別に、今もアラスカと日本を行き来する星野直子さんからのビデオメッセージもお届けします。
主催:山と溪谷社
参加費無料

●書籍情報
『ヤマケイ文庫 極北の動物誌』
著者:ウィリアム・プルーイット
訳者:岩本 正恵
価格:990円(税込)
発売日:2021年12月16日

●著者
ウィリアム・プルーイット(1922-2009)
動物学者。アメリカのメリーランド州生まれ。
アラスカにおけるアメリカの核実験場開発計画「プロジェクト・チャリオット」を環境調査によって阻止し、そのためアメリカを追われることになった。その詳細は星野道夫著『ノーザンライツ』に記されている。
カナダに移住後は、マニトバ大学動物学研究室教授。タイガ生物学研究所を設立。極寒地における野生生物の研究を続け、カナダ科学アカデミー最優秀賞などを受賞。
93年、アラスカ州政府より正式の謝罪を受け、名誉回復。アラスカ大学名誉博士となる。

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