ICTで学校業務を劇的に改善!効率化アイディアの見つけ方から実践までのステップ!
これまで、ICTを活用して学校の業務を効率化する方法を紹介する記事をいくつも書いてきました。
今回は、僕がどのように業務改善のためのアイディアを見つけ、それを育てて実践につなげているかを記事にしていきたいと思います。
業務改善のアイディアを探している方や、ICT活用力を高めていきたいと思っている先生方に読んでいただけると幸いです。
(1)業務改善へのモチベーション
僕がICTを活用した業務改善に取り組んでいるのは、"いい教育には子どもと教師に時間的・精神的余裕が必要不可欠だと思っているから"です。
ICT活用により学校現場の授業準備以外の時間を圧縮し、より良い教育を行いたいという気持ちが、ICTを積極的に活用にしていこうというモチベーションになっています。
また、そもそもの性格として"無駄なことが嫌い"であり、"毎日少しでも早く帰りたい"と思っています。
情報を"何度も手書きで転記"するなど、"何度も同じことを繰り返す作業"が大嫌いです。
忙しい学校現場をICT活用で効率化し、時間を生み出したいという思いと無駄が嫌いで少しでも早く帰りたいという考えがICT活用を積極的に行うモチベーションになっています。
(2)情報収集
ICT活用による業務改善には、日ごろからの情報収集が欠かせません。
各アプリやサービスの特徴や得意分野、新機能、限界などをある程度把握しておくことで、課題が見つかった場合にどのような手段で解決するかの選択肢を複数持つことができるからです。
この情報収集は、必要になった時に検索するというよりも、"日常的にアプリやサービスに関する情報に触れておくことが大切"だと思っています。
そのために僕が使っているのは、
・GoogleやXのオススメ機能
・本
・noteとXのフォロー
・働き方改革事例集
などです。
・GoogleやXのオススメ機能
アプリやサービスの数は膨大であり、日々新機能が追加されています。それらすべてを自分一人で追うことは難しいので、GoogleやXのオススメ機能を活用しています。
これらのオススメ機能は、自分が過去に見たニュースの傾向から、興味のありそうなニュースやブログをピックアップしてくれます。
日ごろからICT活用やガジェットの記事を見ておくと、そういった系統のニュースがおすすめ記事として表示されるため、簡単に最新の情報を得ることが可能です。
オススメされた記事から気になるものを読んでいくだけなので、負担は少ないです。
・本
以前の記事で紹介したような、各種サービスの基本機能を紹介している本から、情報収集するのも有効です。
こういったサービスの具体的な操作や説明は、本の方が情報が整理されているため、わかりやすいです。
ICT活用に興味が出てきたけど、何から情報を得たらいいのかわからないという場合は、本から勉強することをおすすめします。
・noteやXのフォロー
noteとXで、学校や職場におけるICT活用を発信されている方をフォローすることでも情報を得ることができます。
発信されている内容がそのまま使えるケースもありますし、発信の内容が何かのヒントになることもあります。
実際に現場で実践されている方が発信してくださっているので、アプリやサービスを実際にどのように活用するかがより具体的です。現場での困りごとを解決するためのアプローチも大変参考になります。
以下に、僕がよく参考にさせてもらっている方々を紹介します。
noteやXで有益な情報を発信している方をフォローして情報を得るこちらの方法は、GoogleやXのおすすめ機能と違い、能動的に情報を取りに行くイメージです。
・働き方改革事例集
文科省がまとめている働き方改革事例集でも、ICTを活用した業務効率化の事例がたくさん紹介されています。
こちらの強みは何と言っても文科省公認であること。削減できる時間も示されているため、現場でも提案しやすいです。
現場に即した具体的な活用例が示されているので、自校でICT活用による業務効率化を進める際に、大いに役立ちます。
デジタル化して効率化するよりも、不要な業務自体を削減してしまう方が業務効率化の効果が大きいですし、やらなくてはいけない業務にしても、「ここはデジタル化していいんだ」という視点を得られます。
毎年公開されているので、令和6年度版の公開も期待しているのですが、記事の執筆時点(2024年3月20日時点)まだ発表はないようです。
このように、日常的にICT活用に関する様々な情報に触れておくことで、自分の中の引き出しが増え、目の前に課題が見つかった際により適した解決方法を選択することが可能になります。
(3)課題の見つけ方
ICTの基礎知識を得て、最新情報にアップデートできるようになったら、次は現場での課題を見つけていきます。
課題発見→業務改善のヒントは、日常的に行っている業務の中で、「この業務ムダだなぁ」とか「ココとココのデータがリンクしてたら、この作業いらないのに」というちょっとした不満に隠れています。
おそらく僕は、人よりもムダが嫌いな性格かつ同僚がムダ業務で時間を浪費しているなら何とかしてあげたいとも思ってしまうタイプで、課題に気づきやすく、日常業務でムダや課題を発見しがちです。
同僚との会話などでも、「この仕事いる?」とか「この資料、他の資料と同じようなこと書いてるよ」という不満を聞くことありますよね。それが課題であり、業務改善のヒントになっています。
このように課題を発見したら、それをどのように改善するかを考えます。
最も効果的な課題解決は、ムダな業務そのものをなくしてしまうことなのですが、学校の業務は担当者がムダだと思っていても、管理職や教育委員会からすると必要であることも多々あります。
そのため、課題を見つけたら
・その業務がなぜ必要なのか
・どのように作成されて回覧されているのか
・誰がどんな情報を欲していて、何に使っているのか
・どのように保管するのか
といったことを、担当者や管理職に確認します。
この過程で、「今まで慣習でやっていたけど、これはいらないな」とか「その情報が欲しいなら、この形式じゃなくてもいいな」など、ICT活用して効率化した先のゴールを具体化することができます。
ICT活用による業務効率化は、日常的に行っている業務に対する疑問や不満、課題をヒントにして業務自体を見直し、本質的に何が必要なのかを明らかにしていくことが大切です。
こういったことを理解した上で、ICT活用による効率化アイディアを育てていきます。
(4)アイディアの育て方
現場での課題が見つかったら、いよいよICTを活用して課題解決のアイディアを膨らませていきます。
業務をどのような流れにして、最終的にどのような結果にするかを考える場面です。どのようなツールをどの順番で使うのか考える基本設計とも言えます。
僕の場合は、担当者や管理職から聞き取った内容をもとにワークフローの図を作成していきます。
ワークフロー図を作る際には、
・自分が使えるアプリやサービス
・自分のスキル
・実際に使う先生へのわかりやすさ
などを総合的に判断し、Microsoft OfficeとGoogle Workspaceのどちらを使うのか、VBAやGASが必要なのか、作成したデータをどのように共有するのか(印刷 or PDF or データ共有)、などを選択します。
使うツールを選択する際には、自分が持っている情報やスキルが多ければ多いほど、適切なツールを選びやすくなります。そのために日頃から情報収集しておくことが重要です。
また、学校でICTを使って業務改善を図る場合は、ICT活用に苦手意識のある先生でも、ちょっと頑張れば使うことができるくらいシンプルなものにしておくのがポイントです。
※ついつい凝っていろんな機能を実装すると、ハードルが上がって十分活用されなくなってしまいます
(5)データ作成のポイント
課題が見つかり、改善方法の目処がついたら実際にデータを作っていきます。
こういう作業をするようになって、ある程度の全体像は見えるようになってきましたが、まだまだなところも多いので、作りながら修正していくパターンが多いです。
Excelやスプレッドシートの関数やVBAやGASのコードについても、すごく詳しい訳でもないので、少し前までは地道に調べながらあーでもないこーでもないと悩みながら作業をしていました。
しかし、最近は生成AIのサポートを受けることができるようになり、関数の作成やコードの生成が簡単にできるようになりました。
詳しい知識がある方と違い、働いている中で必要だと思ったときに、ICTの知識とスキルを勉強している僕のようなスタイルの人には、生成AIによるサポートは絶大な効果があります。
職場で話してみると、先生で生成AIを活用している人はまだまだ少ない印象ですが、苦手な人ほど効果が大きいと思うので、積極的に活用するといいと思います。
大体の形ができた段階で、自分でテストを行います。自分で使ってみることで、「実際に使う際にはこういうレイアウトの方がいい」とか「ココの関数がずれてる」といったことに気づくことができます。
気づいた点を修正したら、誰でも使い方が分かるようにマニュアルをつくり、担当者に提案します。
※マニュアルはGoogleドキュメントを活用して作成することが多いです。
どれだけ頑張って作った高機能なデータだとしても、担当者が使いにくいと思ってしまうような状態だと活用が進まないので、担当者からのフィードバックはとても大切です。
担当者から見ると、自分では気づかなかったポイントが見えることもあるので、自分はこの段階をかなり大切にしています。
口頭での提案と、マニュアル、修正によって担当者に「便利そうだし、仕事が楽になりそうだから、使ってみたい」と思ってもらうのがゴールです。
(6)試験導入→修正→全体へ導入
担当者にも確認してもらい、最終的なデータが完成したら、いきなり全体で導入するのではなくICT活用に明るい少人数の先生に実際の業務で使用してもらうことが多いです。
この試験導入をすることにより、実際に使用する際に使いづらい部分をあぶりだしたり、使い勝手の良さを口コミで職員室内で広げてもらうことができます。
少人数グループが実際に現場で使用したバグや不具合、使いづらいところを修正したら、全体に導入します。
この際、基本的な使い方を理解している人が自分以外に数人いると、全体に導入した後に苦手な先生が困っている場合にも、サポートできる人数が増加します。
いきなり全体に導入すると、全員が初めて触る状態になってしまい、サポートが大変になるので、試験導入して使い勝手を知っている先生を自分以外につくっておくのは、負担を軽減する意味でも重要だと考えています。
全体に導入すると、さらにいろいろな先生が改善のためのアイディアを思いつくことがあります。そういったアイディアも取り入れながら、より使いやすいデータに進化させていきます。
また、数年前からnoteでも発信しているのですが、ツールの使い方を説明したnoteをつくっておくと、そのnote記事をもとにして校内用のマニュアルとGoogleドキュメントで作ることもできます。
ネットで発信すると、職場内では得られなかった改善案やアイディアを得られることもあります。
(7)これまでの成果と今後やりたいこと
GIGAスクール構想によって一人一台の端末整備が進み、MicrosoftやGoogleのクラウドサービスが学校現場でも使えるようになったここ数年で、いろんなツールを一気に作成し、自分の学校に導入してきました。
一部は、以下のようにnote記事でまとめてきていますので、興味のある方はぜひご覧ください。
今後は、まだ手を出していない部分にも守備範囲を広げていきたいと考えています。
特に興味があるのが、
・バーコードリーダーの活用
・Power AutoMateの活用
の2つです。
バーコードリーダーをうまく活用すれば、宿題や提出物のチェック、備品管理を効率化することができそうです。noteやXで先人たちが紹介している活用事例を参考に、自分なりの活用を行っていきたいです。
また、パソコンの動作を自動化するPowerAutoMateの活用にも興味があります。うまく活用すれば、毎日のルーティンワークをPCが自動でこなしてくれるような設定ができるかもしれません。
職場復帰後は、育児時間を確保するべく仕事を効率化して、時間外勤務を減らしていきたいと思っているので、これまで作ってきたデータと共に、新しい分野にも挑戦し、さらなる効率化を図っていきたいと思っています。
(8)まとめ
今回は、ICTで業務を効率化するためのアイディアの見つけ方と、アイディアの育て方を記事にしてみました。いかがだったでしょうか。
教員の多忙化が話題になることが多いですが、現場でできることもまだまだあると思います。
GIGAスクール構想によって以前と比べてできることが飛躍的に増えているので、今後もうまく活用していきたいと思いますし、アイディアやデータを皆さんと共有していきたいと思っています。
今回の記事が、みなさんの参考になれば幸いです。
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また、育児休業や学校の先生が生活で考えたこと、旅行の記録についても記事にまとめています。そちらも興味があればぜひご覧ください。
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