見出し画像

ブラジルでサンマを売って歩いた話☆

南米と中南米しか海外に行ったことがない。
そんな山田スイッチです。

「なんで南米?」と申しますとですね、
私、青森県民ですから。
暖かい国への憧れってもう、猛烈にあるんですね。

暖かければ全てがうまく行くような幻想があって、
「将来はブラジルで、サンマとコーヒーと味噌汁の店を出すんだ……」
長年、友人達の前でつぶやいていましたところ。
新婚旅行でメキシコに行った際に、妹に言われたんですね。

「お姉ちゃん、メキシコでサンマは焼いてきたの?」
って。

「いや……焼いてない。新婚旅行だし」
すると、妹。
「アンタ、地球の裏側まで行って将来の夢がブラジルでサンマ焼くことのくせに、なんでメキシコでサンマも焼かずに帰ってきたの!? 

味噌汁ぐらい、配れって!」

と、私は新婚旅行から帰ってきてすぐに、実の妹に叱られてしまったんですね。
ちゃんと、サボテンチョコお土産に買ってきたのに。厳しい妹ですよ。

「じゃ、じゃあ、ブラジル行ってサンマ、焼いてきてやるよ! おうとも、
行ってくればいいんでしょう!?」

と、叱られた勢いでブラジルに、約2週間の旅で現地でサンマを焼いて、
売って歩いた私。
ブラジルはサンパウロ、リオデジャネイロでサンマを
焼いて公園やビーチで売り、イグアスの滝では日本から持ち込んだインスタント味噌汁を現地の人に配って歩きました。

その時の旅は、日本から冷凍したサンマとクーラーボックスいっぱいの
アイスノンを詰め込んで、小さなバーベキューセットに魚焼き用の金串まで持って。


本当に普通に入国できたのが不思議なくらいだったんですけど、


2005年当時はそれで問題なく、ヴァリグブラジル航空でブラジルに24時間かけて行くことができたんですね。

最初にサンマを売ったのはサンパウロのホテルの向かいにあった公園。辺りはもう、真っ暗でした

「ボッセー・ケーロ・ウン・サンマ~?
ペイシ・ジャポネー! ゴストーゾ!」

と、覚えたてのポルトガル語で「サンマ一匹いかがですか? 日本の魚!
美味しいよ!」と大声を出すと、
周りのブラジル人が
「なんだなんだ?」と寄ってきたのでした。

※多少の恐怖で目が泳いでる私。。

「ペイシ・アッサード!(焼き魚!)ゴストーゾ! 1ヘアウ!」
ブラジル人は好奇心が旺盛で、私の焼いてアルミホイルに包んだサンマを受け取ると、パクリと一口。
「ボン!((・∀・)イイネ!!)」と答えてくれました。

24時間かけてブラジルへ。到着した夜にサンマを公園で焼き、初めて会ったブラジル人に売りつける……「なんという旅だ」と思います。
でも、この時の旅が一番、身体の記憶に残っているんだドグ。

翌朝はサンパウロの日本人街でサンマを探し、
その次の日はリオデジャネイロに移動。

リオで会ったガイドのオークボさんが市場に連れて行ってくれてサンマを探しました。

市場じゃサンマは全然見当たらず、エビとイワシばかりだったんだけど、エビ屋のお兄ちゃんたちがバケツの底叩いて陽気にサンバのリズムを歌っていたのが忘れられません。(●´ω`●)


サンマのことしか考えてなかった私はあの有名なコパカバーナ・ビーチでも
サンマを焼いてブラジル人に食べてもらってたのでした。

全身に、その時のビーチの白い砂の色や、私の後を付いて歩いた少年の肌の黒さや笑顔、海の青、激しい風が吹き込んで来たのを覚えています。十年以上経った今でも忘れられない旅です。

旅に出たら、人は買い物をするじゃないですか。
でも、ものを売ったらもっと思い出になるんだっていうことを
初めて知った旅でした。

で、なんで「サンマをブラジルで?」というと、
「天啓」…としか答えられなくてですね。
昔、原宿で迷子になって、お腹を空かせて歩き回ってたどり着いた店で
食べたサンマ定食の味が忘れられず。

「ああ、将来はブラジルで、サンマとコーヒーと味噌汁の店を開こう」って
、その時強烈に思ったんですよね
。(●´ω`●)

ブラジルでは、路上に箱を置けばそこはもう、店でした。

    味噌汁を配る私。首には「味噌汁いかがですか?」のメッセージ。


ブラジルの路上ではみんな、箱の上にパンとか、ジュースとか置いて売ってるんです。

生きるたくましさに溢れていて、車が信号待ちで停まると、
窓を叩いてアメや新聞を売りつけ、芸を見せてお金を回収していく。
足のない人はそのない足を見せて、
「足がないだろ? さあ、金をくれ!」と言ってお金を徴収して去っていく。

生きるのしんどくなったら、ブラジルに行けばなんとかなるなって思うんです。

寺山修司はプレイボーイ誌で人生相談欄を担当していたとき、
自殺願望の青年の葉書に対し、
「君は新宿中村屋のカリーを食べたことがあるか?なければ食べてから再度相談しろ」
と返答したんですって。

私だったら、死ぬんならイグアスの、
「悪魔ののど笛」と呼ばれる巨大な滝に飲み込まれて死にたいと思う。
莫大な水が落ちていく、悪魔ののど笛。あの落ちたらひとたまりもないような滝に飲まれてみたい。

でも、ブラジルのイグアスまで行ったら、
そもそも生きる気力が湧いてきちゃうから
案外と人は、ぺろっと寿命まで生きちゃうんじゃないかしら?

これから先、何があっても
ブラジルに行きさえすれば大丈夫だって思えた27歳の旅でした。

コパカバーナビーチで出会ったオイト少年。今、どうしているかなあ。(●´ω`●)

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

四コマ漫画で世界をしあわせにしたい♡ そんな大それた願いを持っています。『土偶のドグちゃん』、よろしくね☆(^▽^)/

ふおお~! ありがとうございます~~~!!!!
152
縄文系女子。新聞にコラムやイラストを描いています。第一回ぴあコラム大賞受賞。『しあわせスイッチ』(ぴあ出版)、『トーキヨー放浪記』(光文社)、田口ランディさんとの共著があります。田舎でおばあちゃん(90歳)と暮らしています。かなりドジです。コメント欄はお休み中なのでご注意を!