評価が作品の良し悪しと関係ないことについて。
ご当地のゆるキャラの選考委員をやったことがあります。自分がゆるキャラだから。その時に感じたことなんだけど、どんな作品が選ばれるのかということを一度、選ぶ側に回ってみたら、
絶対なにかでコンテストに落ちた時に全然、気にならなくなると思ったのです。
ご当地ゆるキャラコンテストは、ゆるキャラの名前とデザイン画で応募して頂きました。選考していく過程で言われたのが、「他社製品のデザインに似ているものは省いてください」ということでした。
例えば、青森のゆるキャラだったのでその年、応募に多かったのが「新幹線はやぶさ」のキャラだったのですが。新幹線には、新幹線をデザインした人がいるので、新幹線のゆるキャラはパクリになるから使えないんですね。
そして、デザインが似ている作品を省いていった結果、作品はみるみる減っていき、きれいなデザインの可愛いリンゴキャラと、もっさりしたデザインのおじさんみたいなリンゴのキャラが残りました。
ゆるキャラというからには、どこかゆるくなければダメだという私の意見と、キャラクターグッズを作るからには、可愛いものでなければダメだという他の審査員の意見で票は割れました。
私の一番気に入っていたもじもじしたリンゴ……「もじりん」は、ただ一人で消えて行く運命でした。しかし、可愛い方のリンゴのキャラが、「可愛いけどよそのキャラクターに似ている!」ということで審査のやり直しが入りました。おっと、もじもじしたリンゴの逆転勝利か!?
ところがです。先程まで最下位にいたゆるキャラが、「よく見たらこれでもアリな気がする」という意見が出て、再審議の結果、一番下にいた作品が、一番上に上がってきたのでした。
しかも、「名前がよそのキャラクターに被るから、名前も変えましょう」という、もはや応募した名前まで変更になって賞は、その最下位だったキャラクターに決定してしまったのでした。
なんという……。
そろそろ、とある文学賞応募の季節なのですが。審査員のとある有名な少女漫画家のH尾M先生が、幻想性が高ければそれでいいという先生と、小説として正しいかどうかを基準にする先生や「時代劇が好き」という審査員の先生と、以前は毎年バトルを繰り返すように選考していたことを賞の授賞式で教えて下さいました。
(時代劇が好きって……。どうすりゃいいんだ……って思うじゃないですか。。。)
今はこの賞、新たにY枕B先生を審査員に迎え入れ、すごく盛り上がっています。
審査員の好みって必ずあるから、自分の作品が審査員好みでなかったからと言って、落ち込む必要はまったくないと、お知らせしたかったのでした。(*´ω`*) ちゃんちゃん☆
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