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パワースポットの不思議

◇◇ショートショートストーリー

緑は、一年前から、短い小説を書き始めました。何気ない、友人の一言が心を動かしたのです。

「緑さん、最近書いている、文章を見ていたら、小説が書けるかも知れないよー」

「えー、そんな、これまで全然書いたことがないのに・・・」

「いいえ、大丈夫、小説は誰でも書けるんだから」

緑は、そんな言葉に後押しされて、ショートショートストーリーを書き始めました。文章を書く面白さを感じはじめていたので、挑戦してみるのも悪くないかも知れないと思って、これまでに温めていた、テーマをいくつか書いてみこるとにしました。

緑が文章を書くようになったのは半年前に亡くなったおばあさんの影響です。おばあさんは読書家で、書斎の本棚にはたくさんの本が並んでいました。緑は小さい頃から、おばあさんが小説を読んでいる姿を素敵だなーと思って見ていました。

おばあさんは自分でも小説を書いているようでしたが、緑は一度も見たことはありませんでした。

おばあさんが亡くなる前の日に、不思議な出来事がありました。おばあさんの書斎に入った時、机の上のノートが風にひらめいて、おばあさんが書いていた小説の最初のページが見えたのです。そこには「パワースポットの不思議」というタイトルが書かれていました。

緑は何故かその言葉が頭に残っていて「パワースポットの不思議」をテーマに、初めてのショートショートストーリーを書いてみました。書けないと思っていた、小説が、すらすら書けたことに、緑はびっくりしていました。

小説を書くことを勧めてくれた友人に早速そのことを話します。

「私、初めて短い小説を書く事が出来て、何だか嬉しくなっちゃった」

「緑さん、その作品を、地元のコンテストに出してみれば・・・」

と友人から言われて緑は、何故かチャレンジする意欲が湧いてきて、思い切って出してみよう決めました。


緑が書いた小説は、自ら経験したドキュメンタリーのような内容です。

「私も、ちょっとびっくりしてるんだけど、何だかどんどん筆が進んで、私が書いているのか、誰かに書かされているのか分からなくなる感じだったんだよね」

そう話しながら緑は、おばあさんが亡くなった後に出掛けた風穴(かざあな)のことを思い出しました。

愛媛県の東温市にある皿が峰登山道の入り口の風穴です。その周辺には白い霧が立ち込めていて、真夏でも、岩の間から冷気が漂い、天然クーラーと言われている場所です。

その風穴はパワースポットにもなっていて、そこに立つと不思議なエネルギーを貰えるのです。

その場所で緑は、風のささやきのような声を聞きました。

「緑さん、あなたはこの場所をテーマに物語を書くはず、そして、きっとそれがあなたの人生の転機になるはず、だから書いてみて」

神秘的な出来事を思い出した緑は、初めて書いた作品を躊躇することなくコンテストに応募しました。

そして奇跡が起きたのです。緑の作品はそのコンテストのグランプリに、輝きました。

緑は思いました。あの時、パワースポットの風穴から聞こえてきたのは、亡くなったおばあさんの心の声だったんだと。

初めての小説「パワースポットの不思議」はおばあさんが緑に書かせてくれたのです。


【毎日がバトル:山田家の女たち】

《あんたが書いたんじゃろ、ええんじゃない》


夕食にアスパラのベーコン巻を食べ終えた後のばあばとの会話です。


「それはあんたが書いたんじゃろ、えーんじゃない、何気ないけど面白いわい、私も風穴テレビで見たことがあるけど、それをショートショートストーリーにしたんじゃね


「テーマは色々拾えるんよね、これまでいろんなとこに取材に入っとるけんね」


「まあ、ひいき目じゃけど、このままいろいろやっとうみ

母の応援は本当にありがたい限りです。


【ばあばの俳句】


六月は卒寿と言えど忙しき


梅雨の間は晴れ間を使ってやりたいことが多く、掃除、洗濯、庭掃除、とにかくやりたいことがいっぱいで、90歳を迎えている母も梅雨の晴間忙しく過ごしています。そんな状況を詠みました。



本当に母は自分が出来ることを探して精一杯頑張っています。


▽「ばあばの俳句」「毎日がバトル:山田家の女たち」と20時前後には「フリートークでこんばんは」も音声配信しています。お聞きいただければとても嬉しいです。

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私のアルバムの中の写真から

また明日お会いしましょう。💗

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