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愛媛は「お接待文化」が自慢です。

私が住んでいる愛媛県には、お接待と言う文化があります。それは後世に残したいすばらしい心の文化遺産です。

弘法大師の修行の地、四国霊場八十八箇所がある愛媛県では、白装束に菅笠すげがさをかぶって霊場巡りをするお遍路さんの姿をよく見かけます

この四国遍路に今も残る風習がお接待です。

お遍路さんにお菓子や果物を差し上げたり、食事や宿を提供するのです。
それは見返りを求めない無償の行為です。

歩き遍路の大変さを少しでも和らげてもらって、背中を後押ししたいと、お遍路さんにお接待をするのです。そうすることでお接待をする人も徳を積むと言われています。

遍路道がある地域の人たちが朝早くから、かやくご飯などを炊いておむすびを振る舞う場所がいくつもあります。いつ、誰が何人くるかも分かりませんが、穏やかに楽しく、訪れる人を待って、自然に会話を交わしお接待をするのです。

お遍路さんは感謝を、お接待する側はもてなす幸せを感じています

このお接待の文化は、愛媛に住む人の日常生活にも浸透していて、何気ない所でも現れます

私も、愛媛にいながらお接待の体験を何度もしています。
瀬戸内海の島を訪ねて何気なく歩いていると、地元の方に話しかけられました。

「どちらからおいでですか、今日はお天気がええけん、歩きよっても気持ちよかろう」

「ここは空気が美味しいし、眺めが最高ですね」

「ええとこでしょう、これよかったら食べてください、家で獲れたミカンなんじゃけど、美味しいけん」

そう言って、収穫したばかりの籠から抱えきれないほどのミカンをもらったことがあります
そのミカンは、甘くて瑞々しくて、疲れた体に沁みました。


愛媛の人は、旅の人を見かけたら、さりげなく話しかけて、優しい言葉でお接待してくれるのです。

「私の事は、ほっておいて欲しい」と言う人にとっては、ちょっと迷惑な心遣いかも知れませんが、お接待の文化は、人の心を癒してくれます

私は遍路文化に根づいたお接待の心を忘れない愛媛の人がとても誇らしく思います。だから、旅人は癒されて帰るのです。



【毎日がバトル:山田家の女たち】

《一期一会じゃけんね》

※92歳のばあばと娘の会話です。

「私も旅の人には声をかけるんよ、一期一会じゃけんね、どこから来たんですか言うて話すことが自分の心にも残るんよ」

「お接待の文化はどう思う」

「それが四国、愛媛のええとこよ、お大師さんに感謝じゃわい、愛媛の人はこんな時代になっても優しいよ」

そう言えば母もよく旅の人に話しかけています。それもお接待の心からです。

最後までお読みいただいてありがとうございました。
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