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人を想う気持ちが人を動かす
誰かの優しさに応えたいと思う気持ちが人を動かすんだと痛感したことがありました。
特別な事が無い限り外出をしない母が「あんた、私買い物に出かけたいんよ」と言います。
「お母さん、何を買いに行くんかな、私が買ってきてあげるよ」と言うと
「デパートに行きたいんよ、買いたいもんがあるけん」
「何でも買うてくるよ」と言うと
「私がちゃんと見て買いたいけん」
そんな母の強い気持ちに押されて、母と外出することになりました。
最近めっきり足腰が弱って、自宅の中でもキャリーカーで移動している母にとって、外出は大仕事です。
前の日から、自宅で杖を使って歩く練習をして、気持ちの準備をしておかないと思うように足が進みません。
「人の手を借りないで、とにかく自分の足で、歩みを進める」と言う気丈な気持ちの母は、私が隣で腕を支えたり、手を添えたりすることを極端に嫌がります。
外出は、私にとっても母にとってもストレスなのです。
もちろん外との繋がりは、別の意味で母の刺激になるのも分かっています。
母が無理をしてもデパートに行きたかったのは、東京に住む妹夫婦の結婚記念日に何か自分が選んだものを送りたかったのです。
事あるごとに、母を気遣って様々なサポートをしてくれる妹夫婦に自分なりのお返しがしたいと思ったのでしょう。
母と話して、邪魔にならないで、無駄にならないで、喜ばれるものをと考えた末に「夫婦箸」を贈る事に決めました。
たくさんの中からいろいろ迷って、輪島塗の赤と黒の桜をあしらった夫婦箸を選びました。
母はデパートのショッピングカートに寄り添いながら、品選びをしていました。
そして商品が決まると、安心したような顔をして
「あんた、他にお椀も買おうか、これじゃ足りんじゃろ」と言っています。
「お母さん、これで十分想いは伝わるよ、邪魔にならんのがええけんね」
そう言うと「そうか、邪魔になったらいかんけんね」
と言って納得していました。
数日前から描いていた結婚記念日を祝うイラストと自分の気持ちをしたためた手紙を添えて妹夫婦に送りました。
母は自宅に帰ってから思いっきり疲れていましたが、何だかとても嬉しそうでした。妹夫婦への想いが母を動かしたのです。「人を想う気持ちが人を動かす」私は母の想いを感じました。
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【毎日がバトル:山田家の女たち】
《どうしても自分が行って選びたかったんよ》
※92歳のばあばと娘の会話です。
「いっつもお世話になって大事にしてもろとるけんね、どうしても自分が行って選びたかったんよ、ほじゃけん頑張ったんよ、自分想いが伝わるか思てね」
「お母さん、相当頑張ったとったもんね」
「ほーよ、贈れて良かったわい、心を込めて選んだけんね」
母の想いはしっかり伝わったようです。
最後までお読みいただいてありがとうございました。
たくさんある記事の中から、私たち親子の「やまだのよもだブログ」にたどり着いてご覧いただき心よりお礼申し上げます。
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また明日お会いしましょう。💗
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