69歳になった私

私は今日69歳の誕生日を迎えました。
同級生の中には亡くなった人もいます。「今日まで生きてこられたのは幸せ」そんな風に考えるようになりました。

人はその年齢になってみないと分からないことがたくさんあります。私はこれまで先輩たちの姿を参考に、歳を重ねることがどんなことなのかを想像してきました。

特に自分の身近にいる母の姿を見て、老いについて日々学んでいます。

私はこれまで老いることを遠ざけ若さに人一倍執着していたと思います。いかに若々しくいるかに精力を傾けていたのです。若いと言う事が何よりも優先でした。

「お若く見えますね」そう言われるとにっこりしていました。
還暦の年の同窓会で、同い年の友人から「ほんと、変わらないねー、私はおばあちゃんになってるのに」と言われ、「年齢なんて自分で決めるものなのに、そんな風に言わない方がいいと思うな―」なんて思っていました。

ところが不思議な事に、最近は人生のゴールをしっかり意識するようになっています。皺やシミが増え、白髪が隠せなくなって見た目にも老化を感じ、体力的にも疲れやすく、体の様々な所に不調が出てきて、確実に老いに向かっていることが自分でも分かってきたからかもしれません。

今は歳にあがなうよりもむしろそれと上手に付き合おうと思っています。

「自分のまんまで、飾らず堂々と今の自分を見せていくことが素敵なのかも知れない」と思うようになってきたのです。

今できること、やりたいことを後悔なくやっていくことの方が、若くいる事よりも大切だと思うのです。

「私の人生は私だけのものだから、私らしく歳を重ねることが美しい」と思い始めたのです。
素の私を見せる時がやってきました。

今日は私の69歳の誕生日です。

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