【hint.72】この信念はこの瞬間から、僕の中に強く刻まれ続けることになった
「それは君が都合よく引っ張ってきた意見にすぎない!」
こんな風に昔、ある業界で研修をさせてもらっていた時に怒られたことがある。
よっぽど不機嫌そうな様子で怒られたし、(自分で望んでその方に付かせてもらった訳ではないが)研修をさせてもらっている立場だったから、
『あぁそっか、自分の考えを補強するために、勝手に自分一人の判断で他の誰かの意見を引っ張ってきてはいけないのか』
と受け容れたのでした。
そして、『この信念』はこの瞬間から、僕の中に強く刻まれ続けることになったのだと思う。
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でもこれ、きっと違うんだよね。
その後、いろいろな人と出逢い、たくさんの関わり合いをする中で気づいたのは、「あの時、僕が引っ張ってきた他の誰かの意見や、その意見を根拠とした僕自身の主張が、怒ってしまったその方の意見や考え方と合わなかった」という、ただそれだけのことだったんじゃないかなって。
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人は誰しも、(自分にとっての)正解のようなものを持っていて、それと違うものに触れた時に、「それは違うよ!」と牙をむいてしまうことがある。
その自覚がない場合も多いのだと思うけど、「(自分にとっての)正解以外のものは認めないぞ」と、ファイティングポーズをとり、実際に戦いのリングに相手を引きずり込んでしまうことがある。
ただでも、それは一つのやり方であって、「自分はこう思っているけど、君はそんな風に考えるんだね。もうちょっと教えてくれる?」と、近くにきて同じ方向を向いてみるような対応をすることもできる。
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あとは、『人は誰しも、自分の考えを補強してくれるものを自然と味方につけるもので、それ自体は良いことでも悪いことでもない』のだと、今の僕は感じているから、
「それは君が都合よく引っ張ってきた意見にすぎない!」
って主張に対しては、
「はい、そうだと思います」
って感じで受け止めることになるんだろうな、と。
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でも、こうやって状況が整理できるまで約10年ほど、かなりこの言葉に僕自身が縛りつけられてきちゃったんだよね。
その方は、もうとっくにこのことは忘れちゃっているだろうけど。
それがなんかちょっと悲しいね。
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いま僕が思うのは、
あの時、不機嫌だったあの人は、
「それは君が都合よく引っ張ってきた意見にすぎない!」ではなくて、
「へぇ〜。君はこう考えたんだ。僕の考えとは違うなぁ。うまく理解できないところもあるから、説明聞かせてくれる?」と、
伝えることができたのではないかと思う。
そして、これからの僕はそういう関わりのできる人でありたいなって思う。
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なんだか昔ばなしをしてしまいましたね。
今日のみなさんにも、たくさんの元気になる瞬間がありますように。
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