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慶應の講義で語った「昭和のキャリアプランを語るオトナのノイズに気をつけろ!」

慶応大学「エンターテインメント・コミュニケーションズ論」講座

 慶応大学で学部横断型で行われている「エンターテインメント・コミュニケーションズ論」という講座にお声がけをいただきました。音楽事業者協会とNexToneによる寄付講座だそうです。中井さんと荒川さんがやられて、知己がたくさん講師をしていたので、何となく身内感はありつつも、初対面の大学生の前で話をするのは緊張するものです。
 エンターテック・エバンジェリストを名乗っているので、講演、登壇のお誘いはできる限りお受けするようにしています。最近、20代向けの機会で必ず話すのが「キャリアプラン戦略」についてです。昭和世代とは全く違っていますし、10年前とも違います。その意識を持ってもらって、無責任のオトナたちのアドバイスに惑わされないように警笛を鳴らすのは重要かなと。日本の国力が下がり続けていることへの世代的な責任感を勝手に感じていたりします。
 こんなアジェンダにしました。

令和時代のキャリアプランは、昭和世代と全く違う

 この日の講義で掲げたテーマは「キャリア戦略」をちゃんと考えることです。

 マクロ環境については、百歳まで生きる「LIFESHIFT」と、予測不可能なっている「VUCA」という2つのキーワードで説明しました。いろんな方が語られている内容です。


 その中でも、学んで→働いて→余生という生き方が成立しなくなって、マルチステージで自分の仕事を考える時代になっているのが、この日の肝につながる部分でした。ライフシフトジャパンという会社を設立した大野誠一さんのコラムを引用させてもらいました。わかりやすいので、是非、お読みください。

終身雇用制度は崩壊しているのに、オトナは忘れて語ってくる

 大学生向けのキャリアプランに関する情報に問題があると感じることが多いので、そのことを強く伝えました。あなたの親も教師も、悪意は無いのだけれど、昭和の気分で意見してくるから、間違ったアドバイスに惑わされないね、とも。

興味好奇心×適性でジョブを選んで、30歳を目安に確立させる

 昭和の就職は「就社」だと言われていました。定年までその会社にいることが前提でしたから、大企業で安心を得るというのが一般的な考え方でした。僕自身はその世代で、「安全かもしれないけれど、面白くない!」とスピンアウトした人生でしたが、あっという間に、安全ではなくなりました。 
 これから就職する世代にとって、30年以上、潰れない(大きな人員整理が無い)会社はあるでしょうか?TOYOTA社長が終身雇用は守れないと公言する時代です。公務員以外に安全はありません。(日本経済が揺らげば、公務員すらどうなるかわかりません。)そのことを忘れて、学生に進路アドバイスする親や教師などのオトナが多すぎると僕は常々感じています。

 僕は、仕事は自己実現の一環であるのが一番幸せだと思っています。僕の周りにはそういう生き方の人が多いです。(そうじゃないと友だちになれないかもww)もちろん、なかなかそうも行かないのが世の中だということも知ってるつもりですが、若者には夢をもってもらいたいです。
 そのためにも、自分の興味関心を軸にキャリアを考えることをオススメしたいです。ただ、世の中は甘くないので、自分の適性を見極める姿勢も必要ですね。
 キャリアプランのイメージとしては、30歳位を目処に、一旦のキャリアを確立して、なにかのプロになることを目指すべきでしょう。それ以上、長い射程の目標を20代前半で持つことは容易ではないですし、社会の変化も速いですから。
 40代半ばに集大成させて、できるだけ大きな成功を手に入れて、そこからは80歳くらいまでは現役でいるというのが、これからの一般的なキャリアプランになっているはずです。

 2000年代生のZ世代の日本人は、難しいこともたくさんあるけれど、大きなチャンスがあることも間違い有りません。デジタルネイティブに活躍してもらわない限り、長期低落を続ける日本経済の復活はありえませからね。

クリエイティビティが日本人の財産であり武器

 製造業がグローバル市場で負け組になり始め、技術力の優位性もデジタル革命によって危うくなっている今、日本に残された価値は、広義の文化力、多様性に富んたクリエイティビティだというのが僕の持論です。

 そんな日本人の優位性をZ世代がデジタルフィールドで活かしてくれることが、日本の国力を世界トップレベルに戻すキーになるはずです。
 エンターテック×起業をテーマに掲げた活動を始めた理由でもあります。ポジショントークになって恐縮ですが、本当にそうだと感じています。

カルチャー関連×テクノロジーで起業しよう!

 スタートアップ支援が日本政府の国策の柱になってきています。産業界のUPDATEには、大企業の変化の速度では遅すぎるということなのでしょう。
 若者に起業意識を持ってもらうことは大切です。ロールモデルが足らないのが課題と言われていますので、少しでも起業を身近に考えてもらえるように、機会があることにお話するようにしています。

課題解決より欲望達成での起業を考えよう!

 スタートアップの役割は社会の課題解決であると言われています。そのことに異存はないのですが、10代20代でtoC系の事業を立ち上げるときには、社会の課題を探すよりも、自分がユーザーとして欲しいサービスを考えて、世の中にないから自分がつくるという入り口が有効な場合が多いです。
 そんな「欲望達成」型での事業創造をイメージしてみようと呼びかけました。

学生アンケートから学ぶ

事後アンケートを読んで、ある程度は伝わったのかなと思いました。20名弱の学生から丁寧な文面でいただいています。地頭と育ちの良さが感じられる文面でした。暑苦しく語った甲斐があったなと、嬉しくなりました。

E.F. 
本日は貴重なお話をありがとうございました。就活はすでに終えましたが、もうちょっと早く山口さんのお話を伺えたらまた違った就活になっていたのかな、と思いました。4月から入る会社でも、自分がそこで何を得たいのか、考えながら動くということを強く意識したいです。お話の中で日本の最大の強みは「文化力」「コンテンツ力」とおっしゃられていたのが印象的でした。
あとちょっと起業もしてみたくなりました。

M.Y.  
本日は貴重なお話をありがとうございました。韓国の音楽市場に盛り上がりが注目されるが、日本は不可能だったのではなく、韓国のように取り組まなかっただけである、昭和から続いてきたものを改革するのは大変なことであり、現在は改革するほどに逼迫した状況ではないから皆がそのまま追認してしまうというお話が印象的でした。日本の最大の価値は文化力・コンテンツ力であるとおっしゃっていたように、日本には音楽にとどまらない幅広い分野において質の高いエンタメを有しており、国内では多様な展開がなされているのに、実行に移さないために世界に届けることができていないのであればもったいないことだと思いました。また、起業するにしても企業に就職するにしても何を得たいかを考える必要があるというお話も印象的で、自らのキャリアに関しても、今後の日本のエンタメに関しても、未来志向が大切なのだと感じました。

M.N.  
貴重なお話、ありがとうございました。
就職活動真っ只中で自身のキャリアについて再考していた時期だったので、非常に参考になるお話ばかりでした。
従来一般だったキャリアの考えを懐疑的な姿勢でみろ!というお言葉も強く響き、迷っていた二つの進路でどちらに進むかの決意がつきました。
起業に関しても前々から興味はあったのですが、この機会に本格的に挑戦してみたいと思います!


K.I.  
貴重なお話ありがとうございました。
特に前半の、キャリアのお話が興味深かったです。衰退産業の、既存職種だけは避ける、そしてその会社でどんなスキルが得られるのかを意識しながら、来年から働こうと思います。30代では何かのプロフェッショナルになれているよう、日々努めます。

M.H. 本日は貴重なお話をありがとうございました。
現在就職活動にあたり、「安定」をとるか自分が興味を持っている業界に進むか迷っている時期でした。しかし今回のお話を聞いて私が「安定している」と思っていたことが果たして本当なのか疑いを持つことが重要であると学びました。
様々な業界が変化している時代であることを認識し、より主体性を持って自分のキャリアについて考えていこうと思いました。

学生事後アンケート抜粋

いろんな機会でお話しています!

 StudioENTREは、起業志望者と一緒に新規事業を作るとともに、起業環境の整備にも取り組んでいます。スタートアップスタジオ協会としても積極的な活動を行っていますので、チェックしてみてください!

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モチベーションあがります(^_-)