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戦いすんで日が暮れてーバイトの1日ー

さて、某老人施設での具体的な仕事内容は?

1、洗濯
2、洗濯物を干す
3、お茶出し

の3つである。

簡単じゃん?
ところが、実際にやってみるとそうでもなくて、全ての作業に細かいお約束がついて回るのである。受け持ちカスタマーの人数はざっくり30名くらい。つまり、30名分の洗濯、30名分のお茶出し、となるので、1人ならなんでもない仕事でも✖️30になると突如として労働と化すのであった。

9:50 いざ出陣!
戦闘服(制服)に着替えてから日誌に目を通す。前夜にホーム内で起こった事件などが記載されているのでチェックは必須。ヤバい事件は概ね深夜に発生する傾向があるらしく「〇〇さんがウ○コ撒き散らしちゃってお布団やカーテンにくっつきました〜〜!!」とかの記述もある。

NHKの元ディレクター相田氏がご自分のお母さまをカメラに収めた動画を思い出す。

認知症800万人時代 母と息子3000日の介護記録 前編
           母と息子3000日の介護記録 後編

この動画をみると分かるのだが、「弄便」という行為らしく、排便を促すとか小まめに便をチェックするとか対処の方法が幾つかあるとのことだった。
う○ちしない人はこの世に存在しないわけで、それをスムーズに消去したいという欲求にかられるのは当然だろう。言葉で上手く伝えられないから、その結果としての「弄便」が発生するというメカニズム。なるほどね。

では本編に戻ろう。

10:10 浴場へ洗濯物を回収に行く。
3台ある洗濯機は、用途が決められており間違った使い方をしてはならない。余裕があればもう一度洗濯物を回収に行く。洗濯物は洗う前にポケットの中を確認する。でないと、ティッシュまみれの洗濯物を目にして絶望感に襲われる事になるので。

10:30 お茶の用意を始める。トロミ剤が必要なカスタマーもおられるため、個人別に定められた分量とお茶をミックスする。うーむ、トロミ剤が必要になる時が吾輩にもいつか来るのだろうか?と一瞬思う。
更にカスタマーにスプーンとかエプロン、おしぼりとかを配る。必要なアイテムは個人によって異なるので、記憶する必要がある。

10:50
厨房にお膳を取りに行く。カート(病院とかで見かけるアレね)で運び、また個別にトロミをつけ、各自に配膳。食事介助の必要な方には職員がつきっきりで口へ運ぶ。中にはあまり食べたがらない人もおられるので、見ていてつくづく忍耐力の必要な仕事だなぁ〜と思う。

かと思えば、コップとかスプーンを自分の洋服に隠してお部屋にコレクションなさるという収集癖をお持ちのカスタマーも。
更に言えば、早く食べる癖のある人には遅めにお膳を配るとかの配慮も必要なのだそうだ。一大イベントである昼食が終わるのが、大体12:00

12:00
お膳を回収しカートを厨房へ戻して、エプロンやおしぼりを洗濯する。
一回めで洗い終わっている洗濯物を干す✖️30人分
シーツやタオル類など、追加の洗濯物があれば洗濯する✖️30人分
カップも洗っておやつタイムの準備をする。

1:00〜2:00 休憩
休憩という字は「休む+憩う」から成り立っている。であるので、私は徹底的に「休み」「憩う」事にしている。70’〜90’のポップスを爆音で聴きながら(イヤホン使用)束の間の幸せに浸る♪

2:00 洗濯物を干す。個人別にネットに入っているのを混ざり合わないように干すのだが、これにもまたルールがある。30人分の洗濯物をちゃんと分類しておくためである。

2:30 体操の時間
手足を思うように動かせないカスタマーの手を取り体操っぽく動かして差し上げたら「嬉しい!」と言われた。こんな事でよろしければいくらでもいたしますわよ♪カスタマーの何気ない一言に元気をもらう。

2:45 お茶やお菓子を用意して配る

3:00  おやつの時間
流動食しか受け付けないカスタマーのためにミキサーで細かくする。ドロドロのバームクーヘンは、正直なところあまり食指が動かないが、これって健常者バイアスなんだろうな?と思う。

3:30 カップやお皿を片付けて夕食用のお茶の準備をする。

4:00 足を引きずりながら退却。HPの残量はごくわずかだ。これでなんとかして家まで辿り着かねばならぬ。


帰ったら


お風呂入って


寝る!!


夕食は食べたり食べなかったり。自分でも信じられないが、あんなに毛嫌いしていたレトルト、冷凍食品とかの登板がググッと多くなった。今のところ、余力が全く無いので致し方無し。基本、都会のインドアガールだからね、わたし。

休みの日に作り置きするとか?が、解決策だと思うが、休みの日は自分の仕事をしたいのでそれもなかなか難しい。あっという間に砂漠化した食生活の改善が今後の課題である。

体力的にはしんどいけれど、カスタマーの笑顔と若き同僚(先輩)たちのおかげでなんとか続けられている事に感謝!!

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シリーズ最初の記事はこちら

注:この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。

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