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心優しき介護ウォリアーズ➕天敵

介護現場に於けるヘルパー諸君はウォリアーズである。武器は、気遣いや心配り、思いやりだ。その上、体力もある。
しかし、こんなに細部まで気のつく男子諸君が集まっている職場ってそうは無いだろうと思う。彼らはとことん優しい。少なくとも仕事場では。

一応、各人の定位置が決まっているのだが、何度言っても自分の席に座れないカスタマーがいるとする。

「〇〇さん、そこじゃないよ?あっちの赤い椅子だからね。」
「ああ、そうかい。」と席を移動するカスタマー。

しばらくして、また他の席に座っていたりする。
「〇〇さん、そこじゃないよ?あっちの赤い椅子だからね。」
「ああ、そうかい。」と席を移動するカスタマー。

これが延々と繰り返されるのだが、怒るでなくキレるでなく、淡々と諭すウォリアー。

またある時は、身体がほとんど動かせないカスタマーのためにクッションを入れるという場面で、ん?こうだったかな?もしかしたら違うかもしれないので、こういう時は必ず確認しましょう。そうでないとカスタマーが窮屈な思いをされるので。とおっしゃる。


すごくない?

まじでプロでしょ!

こんなふうにカスタマーに優しいのは言うまでもなく、一介の派遣社員まるやまにまで気を使っていただいたりして、私なんぞは大いに恐縮してしまう。

たとえば、退勤時、すれ違いざまに「お先に失礼します。」とご挨拶したら
「今日は霧が深いですから気をつけて帰って下さいね。」などと言われて、目が点になってしまった。


言う?

フツー?

派遣に?

これって普通なの?


恐らく彼らにとってはノーマルスタンダードなのだろうが、久々に娑婆に出たまるやまはただただ驚くばかりであった。つまり、今、私はやたらめったら気がつくウォリアーズの中にいて、戦士となるべく訓練を受けている、という訳だ。

先日、日誌に書き込みをしていたら、或るウォリアーは言った。
「そこ、促すって書くんですよ?促すって書けるかな?ニンベンに足ね。」
「おいおい、誰に向かって言っている?」
と言いそうになるのをゴックンと飲み込みながら、
「そうか、彼はいつもやっている事をしているだけなのね?」
と理解した。
漢字のわかる人ばかりじゃないものね?

が、惜しむらくは、天敵みたいな輩もいるワケですよ、中には。私には、いわゆる叩き上げ族に目の敵にされるという弱点があって、しゃべってもいないのに、ガンを飛ばされたり、言いがかりをつけられたり、絡まれたりするのである。かなり陰湿なイジメにあって辞めたバイトも過去にはあったし。


ねえ、なんで?
話してもいないのにさ?
おかしくない?

と、友人にこぼす。
友人曰く


あっちゃんってご両親に可愛がられて育ったでしょう?そんなに苦労もしてないじゃない?(まあ、そこは異論があるところではあるが)
で、そういう輩は、そういうあっちゃんの醸しだす雰囲気っていうかオーラに反応しちゃうのよ。
この女、のほほんとしちゃって幸せそうじゃん、ムカつく
イジメてやろう!
って、思うのよ。


なんでムカつくの?
人がハッピーなのはいい事なんじゃないの?


そうはいかないのが、その手の人種なの。自分はこんなに頑張ってここまで来たのに、どこからか現われてのほほんとしているなんて絶対許せない!
みたいな気持ちになるんだと思うよ?
行列の出来るお店で並んでいるのに横から割り込まれたらムカつくでしょ?
それと一緒なんじゃないかな?


ふうん、そういうもの?


そうよ、そういうものよ。
早く言えば嫉妬だし了見が狭いのよ。
人としての器量が無いっていうか?
まあ、井の中の蛙なんだろうね。


で、対策は?


障らぬ神に祟り無し❣️



いやいや、障ってないのにガン飛ばされてるんだけど😓


とは言うものの、やたら気がつく男子諸君と心優しい女子が圧倒的多数なので、まあなんとかやっていけるでしょう😊


でも


ふと思う。


天敵

大丈夫かなぁ?


私?


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シリーズ最初の記事はこちら

注:この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。

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