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仕事のモットー──僕はこんなことを考えながら働いてきました

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今の若い人に通用するかどうかは知りませんが、僕はいろいろ仕事を重ねて行くうちに、こんなことやあんなことに思い至りました、という感じの寄せ集めです。
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#生きる

脇を空けて突っ込んで行け!(若い皆さんに、と思って書いています)

私が駆け出しの営業マンだった頃、先輩や上司からいろんなことを言われました。 その一つひとつが格言めいていたり、あるいは交通標語みたいだったりして、今考えるとおかしいのですが、しかし、私も今、年を取ったもんで、時々気がついたら若い人に同じようなテイストのことを言ったりしています。はい、昭和なんですよね(笑) で、そんな中で、私が当時の上司から言われて一番驚いたのが「脇を空けて突っ込んで行け!」でした。 えっ、脇を空けるの?え? 脇を締めて突っ込んで行け!──じゃないんです

出張を考える ──変わってきた私自身の意識

ウチの会社の場合、昨今のコロナ・ウィルスの影響ではなく、その少し前から、業績不振への対策として、出張自粛の要請が出ています。 経理曰く、「会社が大変な時期ですから、その出張が本当に必要なのかどうか、もう一度よく考えてください」等々。──私はそれを聞いて鼻白みます。 結構なことです。そう思うのであれば経理の諸君は今日から必要最低限のことだけやって生きて行けばよろしい。飯食って寝て。あ、セックスは必ずしも必要でないです(笑) さぞや豊かな人生でしょう。 しかし、そんなことを

誰かと組んでみること──鶏鳴狗盗

初めに書いておきますが、長いこと生きているとそれなりにいろんな知見を得ることがあって、するとやっぱりそれを若い人たちに伝えたくなって、ひょっとして老害などと言われないだろうかと気にはしながらも、結局こんなところにこんなことを書いたりしてしまいます。ご寛恕ください(笑) ひとりの限界人間誰しも欠点があり、弱点があり、限界があります。 では、その限界をどうやって超えるか? ──死ぬ気で努力する? 努力するのは素敵なことなので、それが悪いとは言いません。でも、20代の、いろん

型から入って心に通じる

年をとってくると自分の知見を何かの形で若い人たちの役に立てたいと思うようになるもんです。 それで、 「敬語はしっかり身につけて、できるだけ使ったほうが良い」 とか 「会社で嫌な奴だと思う人ほど、しっかり会話したほうが良い」 などと、余計なおせっかいをここに書きまくっているわけです(笑)が、私が言おうとしていることは概ね次の2点に集約できます。 1)考え方から改めるなんて大層なことじゃなくて、単なるテクニックで乗り切れることがある 2)心から入るのではなく、型から入

人を動かすのが人の仕事

私の後輩に、何をやらせてもとびっきり優秀な奴がいるんですが、彼にはひとつだけ弱点があります。 それは「アホと話すのが苦手」なこと。これって仕事をする上では致命的な弱点ですよね。だって、お宅の会社や取引先にもいるでしょ、アホが? で、「あんなアホとはやってられん!」って言って投げ出してしまう人、よくいますよね。だけど、投げ出したら、そこで仕事はストップします。そのアホを避けていろんなものを組み替えたら再開できるのかもしれませんが、それって結構なロスですよね。 それにアホを

自立と依存(続・鬼一則)

昨日は電通・鬼十則の第6「周囲を引きずり回せ」について書きましたが、今日はその続きです。 昨日も書きましたが、私は電通に鍛えられ、電通に育てられたという思いを非常に強く持っています。放送局の営業局にいて、他の広告代理店とはひと味もふた味も違う対応をしてもらったと感じています。 電通のある人は私に「取引先の若手をお互いに育てるのも、大事な仕事のうちのひとつだ」と言いました。彼は「お互いに」と言いました。つまり、「お前もやれ」という意味です。私はなるほどと思って、それ以来電通

鬼一則

電通と言えば、昨今では非常に評判の悪い会社、と言うか、むしろ直接取引のない人たちがやたらと悪し様に言う会社のようにも思うのですが、少なくとも私の個人の体感としては、やはり飛び抜けた会社だと思っています。 もちろん、自殺者まで出てしまったような問題について安易に擁護したりはしませんが、私個人としては電通に鍛えられ、電通に仕事を教えてもらったという思いがあるのも確かです。 その電通には、かつての社長が作った有名な鬼十則という行動規範があります。ここでは全文を引用したりしません

後悔先にありき(続・後悔する生き方)

「サラリーマンに一番要求される能力は危険予知能力である」と言った人がいて、私はなるほど言い得て妙だなと思った記憶があります。 いや、別にサラリーマンに限定する話でもないでしょう。社会に生きる人間全般、いや、野生動物まで拡大しても良い話なのではないでしょうか(笑) この場合、危険予知能力と言っても、別に超能力のようなものをイメージしているのではありません。 普段の仕事の流れの中で、 「こういう報告の仕方をすると、却って上司に突っ込まれるぞ」 「こういう表現で提案すると

15年前と今の新入社員諸君に

あと2ヶ月もすれば、今年も新入社員が入ってきます。今、私の手許に、私が多分 2004年に新入社員に向けて書いた文章があります。当時自分でも気に入っていた文章です。 「何が言いたいのか今イチ解らん」とおっしゃる方もおられるでしょうが、自分らしいトーンの文章になっているし、まあ解りやすいコミュニケーションだけではなく、解る人には解るという表現があっても良いのではないかな、と独り悦に入っていたわけです。 でも、これ、今読み返すと、もう今の時代には全く通用しないものになってしまっ

上から目線

今の若い人たちは「上から目線」というのを徹底的に忌み嫌うみたいですね。 彼らが使う「上から目線」という表現は今や相手の全人格を否定できるほどのモンスター・ワードになったような気がします。でも、私は彼らがそんな風に言うのを聞くと、時々「そこかよ!?」と思ってしまうんですよ。 何しろ我々の若い頃は「全出勤日=パワハラを受ける日」だったので、「上から目線」慣れしちゃっているのかもしれません(笑) 我々の世代からしたら、全社会的に言葉遣いは乱暴だったし、誰彼なく上から目線でもの