週1エッセイ 堂々と図々しく
すっかり投稿が滞っていたこの週1エッセイ。一応、5回分スキップしたことは把握している。ぼちぼち、書けるときに書いていこう。ただできるだけ自分のルーティンにすることは頑張ってみたいと思う。
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住んでいるシェアハウスの駐車場で何かしている人がいた。
よく見ると、住民ではないようだ。見知らぬ誰かが、キレイに咲いた紫陽花を摘み取っていた。
車で駐車場に入ろうとしている僕と目が合う。その途端、そそくさと近くに停めてあった自転車を漕いで帰っていった。状況的には泥棒そのもの。車に乗っていたので声はかけられなかった。シェアハウスの住民に確認したが、やはり住民の知り合いでもなかったようだ。
別にみんなで大切に育てているわけでもないし、勝手に育つのを見て楽しんでいるくらいの紫陽花だ。仮にうまく咲かなくても特段なんとも思わない程度のもの。「ちょっと摘んで行ってもいいですか」とひと声かけてくれれば快くOKするのにな。あんなこそ泥みたいなことされたら、お互い気持ち良くない。向こうは少し罪悪感が残るだろうし、こっちはこっちで不信感が募る。
「少しください」「はいどうぞ」で成立する話なんだけどな。仮にもし
「ダメ」と言われたらそれは仕方ない。その人のものなんだから。また別のところを探せば良い。
その人に、この地域にもっと「共有」という意識があれば、ひと声かけてもらえたんだろうなと思う。わざわざ、こそこそと盗むようなことをしなくても。
「ちょっとください」と声をかけることはなかなかハードルの高いことだ。ましてや知らない人にとなると尚更。でもまち全体で「共有」という意識が広がっていれば、そのハードルも少しは下がるのではないか。それに断られたときのダメージも少ないはずだ。
もう今の時代、何かを独占して所有するなんてナンセンスだと思う。大切なものは無理して共有しなくても良いが、何でもかんでも所有する必要もない。そのあたりの価値観にもっと寛容になっていい。もっと図々しくなっていい。
下手にカテゴライズするのも良くないが、レジで袋をお願いするとき、サイズを指定しなければ外国人のスタッフは迷いなく大きいサイズのものを渡す。3円と5円の袋があれば、3円の袋に入る量の買い物でも5円の袋に入れてくる。僕はその感じが好きなのであえてサイズを指定しないときもある。
簡単に「外国人スタッフ」と括るのは望ましくはないが、間違いなく日本人と違う意識がある。
どうやら少々お利口に育ちすぎたのかもしれない。
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