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原因別で見た薬剤性浮腫③

薬剤性の浮腫について、 長らく解説してきましたが、今回で最後となります。 (末梢性浮腫) ・血管透過性浮腫 →血管壁細胞の増殖抑制・血管内皮細胞同士の結合弱体化 ・リンパ性浮腫  →損傷したリンパ管内皮細胞の増殖と遊走を抑制 ・血管拡張性浮腫 →細動脈拡張による毛細血管静水圧の上昇 ・腎性浮腫    →水分排泄の減少 (末梢性以外の浮腫) ・血管性浮腫   →急性かつ局所的な血管透過性浮腫 ・RS3PE症候群  →血管透過性亢進に関与するタンパク質の増加 今回は末梢

    • 原因別で見た薬剤性浮腫②

      前回は、薬剤性浮腫の原因について浮腫の機序ごとに分類して大まかな解説をさせていただきました。 https://note.com/yakuyakutyanpon/n/n023da9ddd41f (末梢性浮腫) ・血管透過性浮腫 →血管壁細胞の増殖抑制・血管内皮細胞同士の結合弱体化 ・リンパ性浮腫  →損傷したリンパ管内皮細胞の増殖と遊走を抑制 ・血管拡張性浮腫 →細動脈拡張による毛細血管静水圧の上昇 ・腎性浮腫    →水分排泄の減少 (末梢性以外の浮腫) ・血管性浮腫 

      • 原因別で見た薬剤性浮腫①

        前回のnoteにて、浮腫の原因について4つの原因別に紐解いていきました。 じゃあ具体的に原因ごとでどういった薬剤が浮腫を起こすのか、今回は話していきたいと思います。 以前のnoteでは薬効ごとに分類していましたが、今回は原因を軸にして解説していきます。 *あと、以下のnoteに含まれない薬剤も本解説にて新たに含まれます。 浮腫の原因を薬剤性浮腫にて置き換えた場合 前回のnoteでは、以下のように浮腫の原因が挙げられました。 ①毛細血管内外の静水圧の勾配 ②間質と血漿

        • そもそも浮腫ってどうやって起こるの?

          過去のnoteにて、浮腫を題材にした記事をいくつか書いてきました。 https://note.com/yakuyakutyanpon/n/n2efe74acb505 https://note.com/yakuyakutyanpon/n/n9ac8a5ab9236 https://note.com/yakuyakutyanpon/n/nebd2af120617 浮腫を起こす薬についてや浮腫に対する疾患毎の治療法について各論的に記載してきました。 今回は、そんな体でどの

        原因別で見た薬剤性浮腫③

          中身のない記事で何いいねつくのか

          このnoteは特に内容はありません。 読者の皆さんのセンスにお任せします。 参考になりましたらいいね押してくれると幸いです。

          中身のない記事で何いいねつくのか

          肝性浮腫・腹水の機序と治療薬

          以前、心不全による下腿浮腫について説明しました。 https://note.com/yakuyakutyanpon/n/n2efe74acb505 https://note.com/yakuyakutyanpon/n/n9ac8a5ab9236 一方の肝不全患者における浮腫・腹水では、心不全で起こる下腿浮腫と似た機序・異なった機序が混在しており、改善のための治療薬の選択の考え方が少し変わってきます。 今回はそんな肝性浮腫と腹水の発現機序とその治療方針について説明してい

          肝性浮腫・腹水の機序と治療薬

          心不全による体液貯留と治療薬②

          前回のnoteでは、 心不全の体液貯留が起こる機序・心不全に対する利尿薬の重要性についてお話しさせて頂きました。 今回は、 心不全による体液貯留に対する利尿薬による治療の基本方針と利尿薬の種類と使い分けについて話します。 フロセミドが選ばれる理由 ループ利尿薬は、 ヘンレループの上行脚のNa+/K+/2Cl−共輸送体を阻害し、血管へのナトリウムの再吸収を阻害します。 その結果、尿浸透圧が上昇して血管への水分の再吸収を抑えることによって利尿作用を発揮します。 利尿作用とし

          心不全による体液貯留と治療薬②

          心不全による体液貯留と治療薬①

          昔、心不全患者に対して利尿薬を使いましょうっていうのが結構腑に落ちなかったんですが、その理由とか確認してみるとなるほどなあって思いました。 今回は、心不全による体液貯留の機序について話していきます。 心不全でなぜ体液貯留が起こるのか? 心不全患者の両側下腿浮腫は結構メジャーですね。 両側の下腿で浮腫があった時には、確定診断とは言わないものの(感度0.5 特異度0.78)、心不全の原因を一番よく考えると思います。 そもそも、心不全になると心臓のポンプ機能が弱くなるので、

          心不全による体液貯留と治療薬①

          浮腫を起こす原因薬剤一覧

          降圧薬 Ca拮抗薬 →細動脈への血管拡張作用が強いが、細静脈に対する作用は弱いため、細動脈の血管内圧上昇による浮腫を来たしやすいです。(ニフェジピン等のN型に起こりやすい、シルニジピン等のL型を含む薬剤は細静脈にも作用するため浮腫が起こりにくい) ACE阻害薬 →キニナーゼが作用点であり、主作用のアンギオテンシン変換酵素の阻害以外にもブラジキニンの分解阻害も起こるため、炎症作用の1つである血管透過性の亢進により浮腫を来たしやすいです。(炎症作用として空咳も起こりやすい)

          浮腫を起こす原因薬剤一覧

          ブドウ糖液は何故自由水になるのか?

          日局で採用されている生理食塩液と5%ブドウ糖液 これら2つの輸液はどちらも血漿浸透圧 約285mOsm/Lと同等の浸透圧である それなのに5%ブドウ糖液が細胞内液を補う自由水として使われるのは何故か? 例えば、 維持輸液として使われてる1-4号液は、生食と5%ブドウ糖液を一定の 割合で混合した製剤です。 この製剤は生食に対してブドウ糖液の割合が高くなるにつれて4号液に近づき、 細胞内液への補充がしやすい輸液となっていきます。 この理由についてもやはり、ブドウ糖液が自

          ブドウ糖液は何故自由水になるのか?

          なんかわからんけど悩みたいとき

          『わからんけどモヤモヤする』 『これちょっと頭の中だけじゃ考えられんなあ』 『期日中に答え出さないとなあ』 このように、生活しながらで答えが出ない問題や悩みに遭遇することは良くあることです。 こういった場合には、「考える」工程のみを丁寧に行うという必要性が出てくる。 でも、なんとなく考え始めたいけど、あれやらないとなとか、ダラダラスマホ見ちゃって結局考えれなかったとか、ズルズル引きずって「考える」というところまでいかないということが多々あります。 今回はいかに「ちゃんと

          なんかわからんけど悩みたいとき