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霧の中

山道を霧に向かって歩いていく

誰ともすれ違わない山道を、ひたすらに霧に向かって。
霧に入ると、またその先に霧が出てくる。永遠に霧の中。

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まさに五里霧中?歩いても歩いても霧の中。

「良い景色だなぁ(虚無)」と言って笑いながら、霧の景色を眺める。
心が綺麗な人なら、この中にも景色が見えるらしい。

僕の心は汚れているので、霧の光景で十分だ。
いや、むしろ今日は霧の光景を見にきてるから。

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いつも青い空を眺めてその写真を撮っているし、たまには一面白い世界も悪くない。

こんな天気でも、自然の中を歩くと心地が良い。

ただひたすら歩くだけ。足を前に進めるだけ。
途中から意識をしなくても勝手に足が進んでいく感覚になっていく。自然の中に、山の中に一体化していくような心地になる。

足は勝手に動いていて、脳味噌を動かすメモリの余裕はあるはずなのに脳死した会話しながら歩いていたのが可笑しい限りだ。


歩を進めていくと、太陽が顔を出してくる。

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この日初めての陽射しだ。
後ろから、良い写真を撮ってもらった。後ろ姿ならギリギリ使えるな。


霧の中を、何も見えない景色の中を歩いていると思ってたら突然視界が開けて、晴れた景色が広がることもある。


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良い景色や絶景を求めて山に行っているわけではないけど、途中で見れるこうした予想外の光景は好きだ。
山でも人生でも、意外性とか苦痛の後にくる安寧を求めているのかもしれない。

霧の中を歩いた後だから余計にこの晴れ間、開けた視界が身に染みたのかもしれない。


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終盤になって建物とかの文明が見えてくると安心する。
どこからか聞こえる車の音を聞くと、無事に帰ってきたなと安心する。

その瞬間も山に行く一つの醍醐味だと思っている。

ああ、今回も自然の中を歩けて良かった。

今度は久しぶりに、1人で歩くのも良いのかもしれないと思って次に歩く場所を探したりしている。

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