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「野宿をしながら自転車で日本を横断した話」 6/16 佐賀→熊本 86km

何もない道をひたすら往く

耳元でアラームが鳴る朝7時。「まだ寝ていたい!」とうとうとした状態で寝転がる。

が、今日の日中はかなり気温が上がるとの予報。身支度を終わらせ、昨日のうちに買っておいた食パンをむさぼる。カフェインが必要だと思ったので缶コーヒーも追加で購入。何だか元気が出た気がする。

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今日の目的地「熊本市」までの道のりをざっくりと確認して出発。前半は国道208号線に沿って前進するだけの簡単な道。Google Mapsを使う必要がなさそうなので節電できそう。

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佐賀市を出ると、「日本一の家具産地」だという大川という街に入る。ちなみにここは福岡県。ずっと佐賀県を走っていたはずだと思っていたが、どうやら福岡と佐賀の県境は結構入り組んでいる模様。

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その後はどこか立ち寄ることもなく、変わらずに同じ道を進み続ける。

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道路の右側を水色のデザインの電車が通り過ぎる。色合いが絶妙にチョコミントの色に似ている。アイス休憩をしたくなってしまうが、この辺りにスーパーは見当たらない。

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出発から走り続けていた国道を抜けて下道を進むと、少し登り坂の道になる。1、2km登るとすぐ下りなので、への負担には全然ならないのが嬉しい。

あまりが激しいと、次の日に筋肉痛になってしまったり、膝に違和感を覚えることがあるのでなるべくそういう道は避けている。

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小岱」という街に入る。地元の道の駅で「アップルヒル」という名称の場所があるが、ここでは「オレンジヒル」という介護老人施設がある。だからなんだと言われてしまってはしょうがないが、確かに本当にどうでも良い。


山間部に広がる〇〇の景色!!

ほぼノンストップで漕いでいるうちに、ついに熊本県に入る。

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新たな県へ突入して第一に発見したものは、やっぱりここにも「コスモス」があるということ。

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川を越え、田んぼを進む。

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ただただ田舎道を進む。あまり大きな街に入ったりしないので、ただただ田園風景を楽しむ。真っ直ぐな道が続くので一瞬北海道とも錯覚するほどだ。

今度北海道も自転車で一周してみたい。知床半島は自転車で回れるのだろうか。

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海岸沿いに出ると、「いかにも青森にしかないお店」だと思っていたコメリを熊本県で発見。まさか全国チェーンだったなんて誰が知っていたのだろう。

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景色を眺めながら走り続けると、「熊本市」と書かれた看板を目にする。熊本といえば熊本城に馬刺し、辛子蓮根といったところか。他にも色々あるのだろうが、とりあえず熊本駅を目指して進み続ける。

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海の向こう側には、天草地方がうっすらと見えている。今回行くことは叶わなかったが、自分の中の「いつか旅行してみたいリスト」にはもちろん入っている。

まだ終わりではないのだが、この旅を通して本当に色々な景色を見て歩くことができたと思う。出会いもあり、ハプニングもあり。これらも旅の醍醐味というのだろうか。

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その後ちょっとした丘を上り切ると、どう反応すれば良いのかわからないお店が視線に入る。月光仮面、手書きの魚、招き猫、ゲゲゲの鬼太郎...全く統一感のない看板だらけで目がチカチカしそうだ。

アップダウンを繰り返しながら海岸沿いをなんとか前に進む。太陽が真上に近づいてくるにつれ、日差しもどんどん強くなっていく。

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一回休憩をしたいと思った矢先、山の向こう側を見てみると、見事な棚田が広がっている。山頂の方から階段のように畑が連なっている様子はなんとも不思議なもの。


笑いをとってくる電光掲示板

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くまモンが果物を持ち上げている看板が見えてくる。いかにも熊本らしい。

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注意喚起のために道路に設置されている電光掲示板の内容も変わったものでとても面白い。どこかで聞いたことがあるフレーズが次々と流れる。

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そうこうしているうちに、無事「熊本駅」に到着。70万人を超える大きな都市なのにも関わらず、駅は新青森駅のようなシンプルな外観でガッカリ。

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と思いきや、中に入ってみると大きなお土産屋やお店がぞろぞろ。

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特に買うものもないので、そのまま駅の反対側に出ることに。

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駅前は路面電車が走っているが盛っているわけではない。意外と閑散としている。どうやら栄えているは熊本城方面らしい。

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繁華街を通利ながら進むが、昼間のこの時間はびっくりするほど人気がない。大通りも人の流れはそこそこといった感じか。

熊本城を見学する前に空腹を満たしたかったので、吉野家へ行って豚丼を購入。熊本城前の広場にあるベンチでいただくことに。


復興途中の熊本城

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食べ終わったところでお城の方へ歩き出すと、目の前には熊本城を築城した加藤清正公の銅像が。厳格な顔立ちで正面を見つめている。

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銅像からすぐ近くの駐輪場に自転車を止め、まずは「桜の馬場  城彩苑」という、京都のような風景が広がるお土産エリアを散策。煎餅や明太子などを試食させてもらいながらお店を色々見て周る。

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写真を撮っている人が大勢いる場所へ行ってみると、くまモンが登場。頭を撫でてみようとしたが、真っ黒な肌が日差しに照らされて高温になってしまっている。一瞬で手を引っ込める。

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一通り見終わったところで「加藤神社」へ歩いて向かうことに。2016年に起きた震災の影響で、公園内ほとんどのエリアが立ち入り禁止となっている(2019年当時)。

なので、神社や天守閣の方へ向かうにも、かなり大回りして歩いていく必要がある。午前中に80km以上も自転車で移動した後なので、あまり歩きたくはないのだが、こればかりは仕方がない。

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道中、疲れを吹き飛ばすほど綺麗に咲くあじさいを発見。こうした小さな発見を通して、少し足に歩く力が戻る。

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震災で被害を受けた塀や石垣、櫓など、当時の様子が伺えるような状態を目の当たりにする。

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熊本は西南戦争にまつわる場所でもあるらしく、「西南戦争籠城将校家族避難跡」と書かれた石碑が設置されている。

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所々、石垣がこれ以上崩れてこないように土嚢が何段にも積み重なっている場所もある。

これから完全に復興するまでまだまだ時間とお金がかかるということだったので、小額ではあるが募金箱へ小銭を入れる。

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石垣なんかは全く同じ場所へ戻すらしく、一つ一つに番号が振り分けられている。

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復興祈願として置いてあるくまモンのだるまが可愛い。とにかくゆるくて可愛い。熊本県公式キャラクターなだけあると思う。

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ただ、大きな被害を受けた大天守は、工事中であるのにも関わらず、その尊厳は保たれたままのように見受けられる。

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加藤神社で参拝を済ませる。もちろん御朱印もいただく。

また城彩苑へ戻ってくる。先ほど行っていなかった資料館を見学することに。中に入ってみると、駕籠体験やクイズ、お芝居など子供向けのものが多い。熊本城や加藤清正に関する歴史をもっと学びたかったので残念。10年前に来ていればおそらく面白かったのだろう。


夕食は熊本○○○○をいただく!

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熊本城の公園を出発。何やら人で混雑している場所があったので見てみると、どうやら今日の夜は斉藤和義のライブがあるらしい。

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その後、「下通り」という市内でも特に栄えている繁華街へ向かい、マックのポテトを食べながら休憩。

夜は何か熊本らしいものを食べようと、熊本ラーメンについて調べてみる。すると、マックから近くて美味しそうなお店を発見。

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日も暮れてきたところで、その「熊本ラーメン  黒亭」というお店へ向かう。見た目はこってりしているが、意外とあっさりしている。チャーシューもあまりくどくないので、脂分が苦手な僕でもとても食べやすい。大満足でお店を後にする。

明日と明後日はかなり登りのきつい旅になるらしいので、今日は体力温存もかねてネットカフェに一泊。シャワーもしてさっぱりした状態で眠りに着く。