デザインも素敵な軽井沢のエコ賃貸住宅を視察|Memo
2022年6月11日、エコ建築ツアーと題し、木下建工株式会社新本社、軽井沢六花荘、御代田D&D御影用水の長屋を、それぞれ拝見してきました。場所は佐久・軽井沢周辺です。
設計者さんやお施主さんに直接ご案内・ご説明頂き、さらにツアーの一団も断熱の伝道師・スペシャリスト・実践者揃いという、ありがたくも恐縮しまくりの貴重な時間でした。
それぞれ、自分なりにお聞きした内容やその場で感じたことをまとめた簡単なメモと、数枚の写真(掲載をお許しいただきありがとうございます!)をアップします。
総じて感じたのは、経済性と性能を確保するための技術的な試行錯誤もさることながら、住み手の変化に対応する可変性も兼ね備え、暮らしやすくデザインも素敵な良質なエコ・ストックになっていたということでした。
こんなオフィスや住宅がまちにもっと増えてきたら、なんてヘルシーでエコで素敵なんだろう!佐久軽井沢にはそんなマーケットが出来つつあるのかも知れません。
木下建工株式会社 新社屋
■木下建工株式会社 新社屋メモ
設計は暮らしと建築社。地上2階建の木造工法で、およそ住宅3棟分の規模。不整形な庇の大きさは日差しの方向等を考慮し設定したもの。窓の内側からはブラインドやロールスクリーンにて調整。壁も天井もしっかり断熱、地下ピットも室内並みに断熱し、床暖房は入れていない。冷暖房は家庭用エアコン数台でまかない、環境をモニタリング。換気も細やかに対応する設備を実現。徹底的に電力使用量を抑えることに注力。太陽光発電で使用量の3倍は発電し、結果としてトータルでカーボンネガティブを実現。そもそも何より、社員さんの働きやすさや健康に配慮したオフィス。その上で、時代や環境の変化に対応し次世代に何を残すかという思想を体現したオフィス。
軽井沢 六花荘
■軽井沢 六花荘メモ
設計は暮らしと建築社、断熱アドバイザーに木下史朗氏。建築家がつくるサステイナブル賃貸住宅。木造平家のテラスハウス3棟、1棟2部屋で全6部屋を配置。賃貸ということで、住み手のライフステージ変化に応じて出来るだけ柔軟に対応できる可変性を持たせる。レンジフードは室内循環式。床は広葉樹(栗)を用い冷えにくい。湿気が高めの軽井沢、空気が動くように動線上にストレージを配置。内覧させて頂いた森さん宅は、棚や机の配置やアイテム一点一点のチョイスが素敵で、バイオエタノール燃料のストーブもアレンジ効かせてカッコいい。
御代田D&D 御影用水の長屋
■御代田D&D 御影用水の長屋メモ
設計はアイダアトリエ、断熱アドバイザーに木下史朗氏。御影用水一帯の穏やかな景観に驚きながら到着。地上2階建の木造工法で、オーナー居住部分・賃貸部分・共用部分の3区分。今回拝見したのはオーナー部と共用部。共用部はオーナー居住部とつながり、スキップフロアを通りながら回遊可能。子供が元気に走り回る。鍵をかければゲストハウス等として利用可能。外観の特徴にもなっている、M2階の大きな窓が印象的。眺望はもちろんのこと、光がスキップフロアを抜けて1階2階の奥まで差し込む。大人数は会話する中、1階の土間ではベビーベッドで小さな子がすやすや眠る。
体感、コスト、デザイン、エリア
視察からずいぶん経過してのレポートになってしまいました。
今回、佐久・軽井沢のツアーで率直に思ったのは、なんだかんだ憧れたり魅力を感じたりするパワーは強いなと。素敵で憧れる暮らしやデザイン。そして軽井沢の近年の立地変化も捉え、エコ賃貸住宅のマーケットができて来ている。断熱の良さを体感する機会を増やしたり、今後はコスト面でも納得せざるを得ない状況になっていくものの、その先に進む原動力は結局この辺りが大事。
体感的な理解、コスト面での納得、デザインや暮らしの魅力、そしてエリア価値。
ぐるっと回ってあらためて、エコ建築は都市政策につながると認識できたツアーでした。
関連記事として、よろしければこちらもお目通し下さると嬉しいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?