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良い製品でも売れない。そんな時代の考え方|サポーターフォーカスマーケティングのご提案

矢印では、購入後のお客様である既存顧客に対して4つの付き合い方を勧めています。
それは、ユーザーとファン リピーター そしてサポーター の4つです。詳しくは別の記事にしているので割愛させて頂きますが、これらのお客様と一緒に貴社製品やサービスの 世界観を創る ことができると収益にも良い影響があることを経験しています。この記事では、矢印が提唱している サポーターフォーカスマーケティング の説明もしながら進めて参ろうと思います。

あとご注意いただきたいのは、貴社製品やサービスが市場に対する 機能的価値 が上回っていることが前提の方法論です。

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お客様のウォンツを刺激しないと売れない時代

スペックや性能表では売れない。
お客様が購買を判断する時に口コミやSNS上の評価が重要さを増す中で、モノやサービスを売るために知っていないといけないことが増えました。それは、お客様の感情 です。どんな時に、どんな風に気持ちが揺れ動くのか、これを理解し、欲求を掻き立て、そこに上手に応えなければモノが売れない時代なのです。

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例1)ケーキの販売施策を検討しています。
 ① このケーキの原料は無農薬で砂糖も使っていないから体に良い
 ② 人気女優がお洒落なカフェでケーキを食べています

同一製品であってもお客様視点を変えると、顧客層が違うことに気付きます。① の層は健康志向で性別もないかもしれません。② は、素敵、美しい、憧れという人の感情や情緒に訴えています。

①の場合は、お客様が持つ価値はスペックです。性能勝負なので少しでも勝るケーキがあると途端に売れなくなりますし、競合もケーキだけではなく健康食品全体と捉える必要があり、スペックを維持するために開発費が膨らむ傾向にあります。つまり ナンバーワンであり続けなければ購買欲を掻き立てられない のです。似たような製品が溢れる今日ではこの施策で成果を上げるのは難しいと思われます。

②の場合は、スペックにプラスして、女優とカフェが相まって 独自の世界観 が創り出されており、価値が増幅しています。更にこの世界観に 共感 するお客様たちがソーシャルで発信し始め、更に共感の輪が拡大していくでしょう。

②の例が創り出した世界観こそがお客様の感情であり、スペックだけではない、写真やディスプレイ、名称やキャッチコピー、ロゴ、宣伝スタイルなどをトータルで感情に訴えかけるものにしていくことが、プロモーション施策のはじめの一歩です。

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注意
混同する人もいるので注意が必要なのは、大切なのは欲しいという気持ちである ウォンツを刺激 することであり、ニーズ(必要性)ではありません。

既存顧客層を理解する サポーターフォーカスマーケティング

サポーターフォーカスマーケティングでは、実際に買ってくれているお客様である 既存顧客 を重視します。既存顧客を通じて 新規顧客(潜在顧客や顕在顧客) にアプローチする方法です。今までのマスマーケティングとは異なる今の時代に求められている考えです。
矢印では、既存顧客層を ユーザー ファン リピーター サポーター の4つに分類し重視しています。なぜ新規顧客ではなく既存顧客なのかというと、新規顧客(潜在顧客と顕在顧客)は、購買の切っ掛けや購入の判断材料として、既存顧客が発信した情報を参考 にしているからです。この発信内容次第で売上が変わってしまうくらい影響力を増しています。

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嗜好性やニーズが異なるにもかかわらず「一律な」施策を展開してしまえば、お客様の気持ちが離れていきます。これがいわゆる「顧客リストの疲弊」と呼ばれる現象です。陥りやすい施策です。

マスマーケティングが狩猟型で新規顧客を狩りにいくものだったのに対して、サポーターフォーカスマーケティングは、今のお客様、つまり既存顧客を 大切にして喜ばれる ことで、満足度を深め、新しいお客様(潜在顧客や顕在顧客)を呼ぶきっかけに繋げるというものです。

ここで注意が必要なのは、これらの顧客層は 人を介した新しい媒体 ではないことです。 利用 するのではなく、今のお客様を大切にし同じ価値観を持つ仲間 と心から思うことです自社製品を熟知しながら競合製品の知識も併せ持つ ご意見番な存在重要な情報ソースなのです。繰り返しになりますが、それらの層から発信された情報は、潜在顧客や顕在顧客層へ強い影響力を持っていることも理解しておく必要があります。

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既存顧客が持つ価値という感情

4つの既存顧客分類のうち、潜在顧客層と顕在顧客層へ 最も影響力のあるのが サポーター です。このサポーターは、商品やサービスを誰よりも たくさん購入したお客様 ではありません。この点は誤解なくお願いします。

サポーターとは
情緒的価値と体験的価値を共有共感してくれているお客様。商品知識が豊富で色んな機会に勧めてくれる人です。

たくさん購入したお客様とは
機能的価値に反応 して購入した ユーザーやファンの層 にいるお客様です。他社製品で機能的価値が上回ると移ってしまいます。情緒的価値や体験的価値が生まれていないのです。

下図に示しているのは、お客様が製品やサービスを手にした時に心で抱いている感情を図解したものです。このように製品やサービスを手にした 既存顧客 であっても 心の中は随分違う わけです。何度も申し上げますが、サポーターを中心とするこれらお客様は、未購入者である潜在顧客や顕在顧客へ強い影響力を持っています。故にこの既存顧客を取り込んだ プロモーション施策 が大切なのです。
価値とはお客様が感じる価値のことです。

機能的価値とは、製品やサービスが持っている価値のこと。
情緒的価値とは、製品やサービスそのもの以外の価値のこと。例えば、共感や愛着、信頼、応援、理念、開発ストーリー、人柄
体験的価値とは、実際の製品やサービスを使用しただけではなく、メーカーが主催する催事などへ積極的に参加して他の使用者と交流することで新たな価値が生まれる価値のこと。

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ユーザー
  購入前でサンプルや試供品で試している状態
  この状態では、価格と自分ニーズのバランスを重視しています

ファン
  購入しました
  再度、価格と自分ニーズのバランスを再チェックしてます
  期待以上だと自分なりの利用方法を模索し始めます

リピーター
  3回以上購入しました
  やっぱり期待以上の実感あり
  使用前と使用後の感想を積極的にSNSへ発信
  使用者同士のコミュニケーションも開始
  開発ストーリー記事やインビューなどを見るようになる
  共通ワードがあると愛着が湧き感情移入が始まる
  メーカーへの信頼感も芽生え始める
  周囲に熱弁をふるって勧める

サポーター
  使っていることを多くの人に教えたくなる
  大ファンだということをメーカーにも知ってもらいたい
  イベントなどの催事に積極的に参加するようになる
  メーカーの人と会いたくなる、話したくなる
  初体験者へ熱弁をふるい質問へも回答する

この感情を理解した施策を展開すると、いつのまにか潜在意識に刷り込まれ、何かの切っ掛けを与えるだけで貴社製品やサービスを思い出すようになります。そして最後は、サポーターの意見に傾聴し 製品開発へ活かして いきます。

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従来のマーケティングとの違い

概念図を次に示しました。
説明は必要ないと思いますが、従来のマーケティングとは真逆のアプローチです。誤解してほしくないのは、どちらか一方のマーケティングを選ぶのではないということです。最初に サポーターフォーカスマーケティング から始め、途中から従来のマーケティングも連携させながら施策を練ることが最大の効果が出ます。もし予算的に厳しいなら サポーターフォーカスマーケティング から始めるのをお勧めします。

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従来の広告

従来の広告は、商品を知らしめることは出来るが、欲しいものリストには入らない「知ってるとは」買ったり使ったりとは違うモノ なのです。

従来の広告とは、新聞テレビラジオに代表されるようなメディアを指していますが、それらコンテンツを いつ 誰が どの様な環境で 視聴しているのか分かりません。つまり従来の広告で 広告 する場合、対象のお客様を で捉えており、目標の収益を獲得するには、それに応じたお客様を確保しなければならない訳です。ある意味、経営資源が潤沢にないとやり続けられない施策ともいえます。

お客様数確保とその過程で発生する無駄になる経営資源

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従来のコスト構造と顧客獲得イメージ

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では 従来の広告 は全く役に立たないのかというと、そうではありません。従来の広告の特徴には、一発の破壊力 があります。一度に多くのお客様へアプローチする(市場への露出度が増える)ので、新規市場を創る時や競合市場を奪いにいく時、知名度の向上や在庫処分などは有効に働きます。目的と見極めが大切だと思います。

サポーター層の発信力を味方につけろ

事業活動の中で最も収益に影響を及ぼすのは、サポーター層 です。そのサポーター層を理解しやすいビデオがありますのでご覧ください。知れたビデオなのでご存知の方を多いのではないでしょうか。

このビデオでは、一人の男性が踊っています。直ぐに二人目の男性が加わります。この二人は踊りながら友人を誘っていますが、合流しようとはしません。周囲は冷ややかな対応をしています。きっと変り者として周囲に映っています。
そして3人目が加わると同時に一人二人と増え続けます。遠くに居る方も合流してきているようです。既に20人近くの集団になっています。周囲も無視できない存在になってきました。
更に増えていきます。「早く合流しないと出遅れちゃう」的な雰囲気を感じた人たちがさらに合流してきます。もうこうなると誰にも止められません。

私が説明するよりこのビデオで感じたことが全てだと思いますが、サポーターとは、このビデオの一人目二人目の存在になり得るのです。貴社のとってのサポーターを是非見つけて下さい。

ソーシャルメディアを使った企業の向き合い方

闇雲にコンテンツを制作し発信しても効果がありません。そこで重要なのが、関心軸 です。4つの分類に分けたお客様それぞれの関心に違いがあることに気づいて下さい。どの様な関心軸で、どの様な世界観を創るのか、議論を深めて進めて下さい。

各層ごとの関心軸例
ユーザー層

関心軸は、必要なモノか、口コミはどうなのか、自分なりのファクトに繫がる情報を探している状態。まだ購入していないながら無料期間や試供品などで体感しています。どちらかというとより厳しい批評をするケースがある。

ファン層
関心軸は、不安です。初めて購入しているので購入は正しかったのか、思った通りなのか、自問自答を繰り返しています。

リピーター層
関心軸は、使い続けることへの理由探しです。

サポーター層
関心軸は、購入する仲間をどう増やすか、伝えるか考えています。

信頼度の強さで購買欲が変化する

自然災害が起きた時、皆さんはどの情報ソースに耳を傾けますか。
きっと行政の情報か、公の放送局からの情報、もしくは近所の信頼できる人からの情報ではないでしょうか。つまり日常から 信頼している情報ソース が、判断や決断時に活かされるということです。

実はお客様が製品やサービスを購入する際も同様なのです。日常から信頼を寄せている人、それは 家族や友人知人 会社の同僚 だと思います。これらの人に勧めてもらうことが 最強の信頼を獲得 できるのです。有名人やインフルエンサーよりも価値が高い紹介や口コミが 購買欲を掻き立てる わけです。
更に詳しく学びたい方は、マーク・グラノヴェッター氏が提唱する「Strong Tie/Weak Tie(強い絆と弱い絆)」の理論がいいと思います。理論は簡単で、人のつながりには大きく2つのパターンが存在し、それぞれが異なる特性を発揮することで、組織や人、成果に多大な影響を与えると説いています。
(参考資料:21世紀のビジネス基礎知識「弱い絆の強い価値」

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上記図のように、情報はコミュニティ内で循環しますが、価値観が近い人からのお勧めほど強いものはありません。また人は複数のコミュニティに属していますが、そこの属する人から更に他のコミュニティへ情報が広がっていく、人を介して他にも共有される可能性が高いのです。
これは、ソーシャルメディアでのコミュニティも同様で、リアルな繫がりとはまた違った 信頼度 による 共有や拡散 がなされていきます。
このように一人の影響力を馬鹿にしない方が良いのです。

サポーターを満足させるブランド体験会

体験会とは、非対面だけでは伝えにくい、広告やホームページでは感じてもらえない 製造者の思い 体験 交流 の3つを軸にしたリアルな催事のことです。ただ単に使ってもらったり、食べてもらうのではなく、体温や思いを載せて語り合う そんな場の提供です。

この体験会には、2種類あります。
一つ目は、サポーターだけに向けた開催です。
これは、少人数になる場合が多いですが、コアなお客様である サポーターにお集まりいただいて、3つの軸を通して語り合う場です。熱量が高いサポーター同士であれば密度の高い会話になりますし、どんどん普段の感情が言語化され本心が見え隠れします。それを逃さないように傾聴するのです。

重要なポイント
 ・サポーター同士で盛り上がってもらう
 ・企業側も同席し意見を挟まず傾聴する
 ・定性的な質問を用意して聞くこと
  (なぜ好きか、どの点が好きか、どうやって知ったか)
  (効果的な施策や方法に繫がる)
 ・メーカー企業を超える瞬間がある
 ・開発者も気づいていない魅力や価値を知ることができる
 ・録画して社内で共有ディスカッションします

二つ目は、サポーターを中心とした 未購入者 も入れた開催です。
ファンミーティング的なことをイメージすると思いますが少し違います。例を挙げるとすると、一部屋丸ごと自社製品で固めた部屋で食事会をするとか、自社製品の 世界観 を用意して、楽しんでもらう場です。決して売り込んではいけません。この中に必ず サポーター を入れてグルーピング します。

重要なポイント
 ・楽しいままお帰り頂く
 ・ファンやリピーターがいた場合、サポーターに成長することがある
 ・カタログなど置かず世界観を崩さないファッション雑誌を置きましょう
 ・初体験者が多いので近隣者やSNSへ発信される
 ・体験が伴うので感情が入った発信がされる
 ・初体験者の発言に傾聴する

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 〇オウンドメディアは競合相手の真似からはじめていいんです
 〇お客様について考える。プロモーション施策で重要なお客様の定義
 〇お客様について考える。プロモーション施策で重要な心の購買行動を知る
 〇良い製品でも売れない。そんな時代の考え方
おやじのBIチャレンジ日記
 〇Microsoft Power BI で可視化の勉強風景を描いています

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