見出し画像

お客様について考える。プロモーション施策で重要なお客様の定義

貴社にとって お客様 とはどんな意味を持っていますか。
直球で例えるなら、収益の源泉かもしれません。間違いではありませんが、本質を説明しているともいえません。
またプロモーション活動で成果を上げている企業の特徴は、この お客様 の定義が共有されていることが大きいと感じています。馴染みのないマーケティングテンプレートを持ち出す前に、この お客様 について考えてみて欲しいと思います。

大手のマーケティング組織の方々と話すと、この お客様とは という定義づけほど議論になることはありません。経営者から担当までその説明表現は面白いほどにバラエティに富んでいます。
最終的に関係者皆さんが気付くのですが、自社のお客様イメージが共有できていないことで、営業、マーケティング、経営企画、品質、ユーザーサポートなど、それぞれの部門の視点でお客様をイメージしており、結果、チグハグな施策を実施することになり、消費者であるお客様へ混乱を招くようなメッセージを伝えていることがあります。この現象は、商工会議所支援で会う小規模事業者も同様で、事業規模には関係ないようです。

お客様とは、自問自答すると必ず真っ先に浮かぶ言葉があります。それは、昭和の大スター 故三波春夫さんの名台詞 ”お客様は神様です” という言葉です。

「舞台に立つときは敬虔な心で神に手を合わせた時と同様に心を昇華しなければ、真実の芸はできない」「いかに大衆の心を掴む努力をしなければいけないか、お客様をいかに喜ばせなければいけないかを考えていなくてはなりません。お金を払い、楽しみを求めて、ご入場なさるお客様に、その代償を持ち帰っていただかなければならない。」「お客様は、その意味で、絶対者の集まりなのです。天と地との間に、絶対者と呼べるもの、それは『神』であると私は教えられている。」
出典:Wikipedia

この言葉に込められた意味は深いと感じます。今の時代も通用する考えなのではないでしょうか。矢印がお付き合いする経営者へ必ずこの言葉を贈っているくらい大切にしている 商売の原点 ともいえる名台詞だと思っています。

”お客様”を指す言葉をどういう意味で何種類使い分けていますか。再定義をします。

お客様を指す言葉、たくさんあります。またそれに加えて、英語表現を足すと誰のことを指しているのか、通じているようで微妙に通じていない、このギャップこそがプロモーション施策のカギを握っているといっても過言ではないと考えています。
日常的に使っている言葉をどう定義することは極めて重要であり、対象者が変われば、施策も変わることになり、自社の強みや優位性の表現までも変えなければなりません。経営者は自らの言葉を整理してみるのも必要だと思います。
--------------------
矢印では、以下のような分類とともに、購買プロセス、お客様という言葉の変遷、マーケティング用語、英語表記の5つの分類を対比させて一つの表にまとめ経営者と言葉合わせをしています。興味があればご連絡ください。

矢印note58

--------------------

プロセス① 潜在顧客
貴社や製品、サービスを知らないお客様のことを指します。
何かの切っ掛けで存在を知れば購入や利用の可能性のあります。自分でそのニーズに気づいていない状態です。いずれにしてもきっかけを提供する必要があります。
プロセス② 顕在顧客
欲しい必要という気持ちや、貴社の製品やサービスの存在もすでに認識していますが、類似製品も調べています。また購入する優先順位も考えていないこともあり、今後の情報提供次第だといえます。また過去に利活用しているお客様も含まれます。
プロセス③ 見込顧客
興味を持っている初期の段階であり重要な時期です。メーカーや商品の選定が目的になっています。ここで選定候補に選ばれないと購入には至りません。特に相談、比較を繰り返す傾向があるので、的確に必要な情報提供がカギとなります。
プロセス④ ユーザー
ここでは既に製品が選定されています。しかし候補が複数あったり、購入自体を迷っていたりするので、その見極めた情報提供が大切です。また無料の製品の提供や試供品なども有効に作用することがあります。この段階のユーザー傾向を十分理解した対応を心掛けて下さい。
プロセス⑤ ファン
購入してもらえました。一先ず喜んでもらえている筈です。しかし2回目や3回目の購入へ進むのは、少ないのが現実です。積極的にお客様へ接触しストレスのない使用環境を提供することです。
プロセス⑥ リピーター
既に3回以上購入してくれている大切なお客様です。この時期から製品評価の情報を発信し始めます。積極的に、いいね や リツイート ダイレクトメール などして、発信者と心を共有することが重要です。
プロセス⑦ サポーター
市場へ最も影響力のあるお客様です。非公開のコミュニティへ招待したり、先行販売情報の提供、商品開発アンケートなど、一目置いたお付き合いをすることです。そして一緒に良さを広める共同者として活動を促します。

どのお客様 ”層” を狙うのか

(以後は上記表の プロモーション分類 の表現を使います)
ポイントは、お客様を育てるのか、それとも一本釣りなのかファンを対象にするのか判断することです。

お客様を育てるとは。
潜在顧客と顕在顧客を対象に、購買プロセスをステップバイステップさせていくことです。目的はファンなってもらうことであり、最終的にはサポーターを目指します。この方法は、中長期的な製品開発や市場動向を詳細に判断しながら進めるので一定の事業規模が必要となります。
また一方で、中小小規模事業者が新規顧客獲得のために実施するいわゆる宣伝広告活動は、このアプローチをしていることが多く散見できます。お分かりの通り、この層からファンになってもらうためには多くのプロセスが必要であり、この間をお客様自身に委ねていることも問題です。結果、潜在顧客へ桁外れのアプローチ数が必要になり一大決心で高額な費用を掛けたとしても見返りが少ないのは当然の結果ともいえます。

一本釣りとは。
プロモーション分類の一つ一つが一つの市場のように捉え、層ごとのお客様へダイレクトに接触を図ることです。この方法では、見込顧客とユーザーの層を対象に実施することが多く、複数のコンテンツで一気にファンへ取り込むことが多いです。
また競合製品が先行している場合など、すでにその市場には自社のお客様も集結しているのですから、敢えてそこへ手を掛けるのも非常に有効な手段です。更に大口のお客様が分かっているなら、そのお客様だけの施策でアプローチも有効です。収益面からもコストバランスがいいです。

ファン。
ファンとは、購入したお客様(ファン、リピーター、サポーター)の中の初期段階の購買者を指していて、このまま選び続けてもらうことでリピーターになり、最小限の労力で最大の収益が期待できます。また更に、リピーターやサポーター層は、潜在顧客および顕在顧客を中心とする未購入層の全顧客に影響力があるので、期待を裏切らなければ最大級の広告宣伝効果も期待できます。最近はこれら層へ AMBASSADOR と称する役割を担ってもらう制度を用意している企業も出てきています。

価値は使い方に表れる。貴社は何屋さんですか

どのお客様層を狙うのか決まったら、次にすることは、その層のお客様像の中で、貴社のお客様になるお客様像を想像することになります。これが明確にならないと、誰に、何を、どの様な手段で、アプローチしていいのか分からないことになります。特にコンテンツ内容はこの判断で決まってしまいますので注意して下さい。

ここでは、お客様のことを二つ考えます。
一つ目は、お客様の生活環境や社会環境、地理環境などを加味したリアルなお客様像を描きます。この工程をマーケティングではペルソナといいますが、ネットに多くの記事が投稿されているので割愛します。

二つ目は、お客様から見た時の貴社製品やサービスがどう思われているのか、使われているのか、想定することです。この観点は忘れがちなので気を付けることと、見方を見誤ると施策が失敗しますので慎重に議論して下さい。

では例を挙げて説明します。私はスターバックスが好きでたくさん利用しているのですが、その理由は、以下の通りです。

仕事がしやすい
リラックスできる空間なこと
わりと静かで集中できる
無料で WiFi が使える

この四つが理由です。なにか気付きましたか。スターバックスは誰もが知るコーヒーショップですが、私はコーヒーショップとは思っていないということです。レンタルオフィスやワーキングスペースだと思っています。

このように店側の主張とお客様側の主張が違うことに気づくことです。もし私ではなく、女性だったら、子供を連れていたら、高校生ならと顧客像が変わると利用している理由が違ってくるのです。この違いに気づかないと、お客様と相違が生じ、アプローチ方法、サービス内容、更には競合相手や自社の強みも見誤ることになります。つまりお客様が利用(見出している価値)は、その使い方を洞察することで理解できるのです。ぜひ消費者主語の観点で考えてみて下さい。

企業主語と消費者主語

企業主語とは、思考や判断を売る側視点で考えていること。消費者主語は、その逆になる訳ですが、商品を買う側使う側視点であるということです。
これまでも似たような表現はありました。例えば、お客様第一主義とかお客様ファースト、顧客視点などです。コンテンツそのものの価値が高くなった現在では、〇〇主語 と表現したほうがあっているような気がします。

全ての施策は、消費者主語で考え表現しなければなりません。多くの統計データでも明らかですが、企業主語で書かれたホームページなどのコンテンツは、購買直前のお客様がご覧になっていることが多く、その直前に至るまでのプロセスには何ら影響を与えていないことが分かっています。ぜひ、心に刺さるような、心がときめくような、安心感を与えるような、消費者主語でコンテンツを制作して下さい。

サポーター アンバサダー インフルエンサーとの違い

次の表をご覧ください。
ここでご説明するよりも、読んで感じ取っていただく方がいいと思いますが、エンゲージメントが弱いお客様 の場合は、価格や買いやすさなどが求めている価値となっていて、直ぐに浮気される可能性が高いお客様です。それに対してサポーターは、商品や接客などを通じて自ら価値を醸成され良さを満喫しているお客様です。
アンバサダーは、サポーターによく似てて、販売元から正式に 公認 されるかどうかが大きな違いですが、公認されることで更に自覚と発信欲が湧いてきて潜在顧客や顕在顧客へ大きな影響力を持つようになります。それに対してインフルエンサーは、自らのコミュニティへの発信が大きな価値となっているので、どのようなコミュニティを形成しているのか見極めが大切です。

矢印note59

矢印株式会社は好きなことを仕事にしています

Service|矢印株式会社のサービスをご説明しています 〇矢印株式会社のご説明
 〇ICTセカンドオピニオン 2人目の相談相手
 〇Excelの定型 転記業務の自動化と可視化
 〇財務三票を活用した50指標の可視化
 〇政府統計からオープンデータまで活用した経営判断指標の可視化
 〇中小企業庁 中小企業デジタル化応援隊 ICT化サービス
 〇LINE WORKS AMBASSADORからのご支援について
 〇企業内講師|伴走型セミナー
5G Yajirushi Video Crew Service|写真や映像制作
 〇機材紹介 写真投稿
 〇視聴者が離れていかない映像コミュニケーション
 〇オンライン授業 子供たちにこそ高画質高音質に拘った授業を
矢印news|note
 〇気になったニュースや日常を投稿してます
Executive Knowledge
 〇経営財務分析で活用できる情報をまとめています
 〇ソーシャル画像の制作は大変ですが、ここに差が生まれるのです
 〇アプリ使わない 映像機器やソフトも使わない|PowerPoint Tips
 〇オウンドメディアの育て方|オウンドメディアは求愛に似ている
 〇お客様について考える。プロモーション施策で重要なお客様の定義
おやじのBIチャレンジ日記 
 〇Microsoft Power BI で可視化の勉強風景を描いています

--- yajirushi owned media ---

note Twitter
Instagram Facebook YouTube
矢印株式会社のご説明
経営者の職務経歴 LinkedIn
矢印株式会社 Contact|お問い合わせ
LINEから気軽に Contact|LINE WORKS

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?