猫になった宇宙人(15) 7 スター⭐️ボーン 2022年11月13日 03:56 猫になった宇宙人(15)母親は少女にどの様に接するべきかを思案していた。少女は母親の黙り込む姿を見て、複雑な思いであった。母親が自分の事に関わるのが嫌で黙り込んだのか?それとも、母親が自分の事で悩み考えているのか?そのように、思いながら少女は母親の言葉を待っていた。「ゴメンね雅子。お母さん全然知らなくて。」と言って少し涙ぐみ、目を伏せた。(お母さん、分かってくれたんだ!、やっと分かってくれたんだ!)「虐められるって言ったけど、どの様に虐められてるの?」(正直に話すべきであろうか?でも全部言うとお母さん心配するどうしよう、分からないよ)少女は地球人には沈黙している様にしか見えないが、しかし心の中では、絶叫している。「雅子、黙っていたら分からないよ」私はその会話を聞きながら、焼いた鯖を食べていた。美味しいと思いながら、二人の会話と心の声を聞いていた。「お母さん、、、、。学校に行くとね、、意地悪な子がいてその子が、私を虐めるの。そうしたら、他の女の子も私を虐めるの。誰も助けてくれないの。」やっと、少女は本当の事を、母親に言った。「どんな風に虐められるの?叩かれたりするの?」「色んなことされるの。髪の毛を引っ張られたり、教科書を隠されたり、水を掛けられたり、他にもいっぱいあるの。」少女は、涙ぐんでいた。今までの事を思い出すかの様に母親に話した。母親は何も言わずに少女の話を聞いた。今まで何も知らず、少女を責めてばかりいた、愚かな自分を反省した。今まで、母として子供に接していたのだろうか?母親として子供に接しなかった。何故接しなかったのか?律子は、自分の今までの生き方を振り返って考えている。孝太郎に望まれ結婚して、最初の頃は楽しく生活していた。子供も生まれ、それなりに幸せな家族を形成していた。しかし、孝太郎は仕事に追われて、律子との会話が無くなり、段々と家族から離れて行った。そして、愛人を作った。子供たちもそうだった。夫婦が仲が悪くなり、その影響で家族の中の会話が無くなった。そして、朋美は家に帰らなくなった。地球人にとって、意志の疎通は先ずは会話である。勿論、会話する事によって誤解も生じる事もあるが、会話が無かったら、お互いの気持ちも分からない。「黙っていても分かるはずだ」と言うのは、地球人には無理である。余程の人間関係が出来たもの同士なら出来るかもしれないが、稀なケースである。親子夫婦間であっても、会話せずに意志の疎通は出来ない。会話、これは地球では人間しか出来ない。また人間の特権と言っていいだろう。これを疎かにして、自分の事を他人が理解してくれていると考えるのは、愚かな事である。何故なら、地球人は人の心を正確に読む事が出来ないからだ。地球人が、人の心を読むと言っても、推量の域を出ない。それにも関わらず、人の心が読めるのというのは慢心と言って良いだろう。では何故、家族間で会話が無くなったしまったのか、律子は考えていた。 ダウンロード copy #小説 #家族 #会話 #母親 #Kindle電子書籍 #少女 #売れないKindle作家 #地球人 #販売中 #ペイソス #親子の関係 7 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート