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ショートシュート

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#400字の小説

月に帰るか!かぐや姫(400字の小説)

月に帰るか!かぐや姫(400字の小説)

「お爺様お婆様。私は今夜、月に帰らないといけません
私を育てて頂き有難う御座います
この御恩は、一生を忘れる事は出来ません」
と、涙の表情が、かぐや姫の心痛を表している
「大丈夫だ、姫よ。そなたを誰にも渡さない!
強者の兵も多勢来ておる安心しておくれ」
と、爺さんは自信の面構えだ。
婆さんは、かぐや姫に寄り添い肩を抱きしめる
だが、かぐや姫の表情は暗く切ない

「お爺様、私は帰らなければならないの

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あの男の後悔(400字の小説)

あの男の後悔(400字の小説)

久しぶりに飲んだ酒の銘柄が、
俺の記憶を蘇らせる。それは、・・・

あの時、俺は若かった。
いや、子供だった。
大人達に煽てられ、担がれて、俺はその気になっていた。
役にも立たない家来を連れて
乗り込んだ所が、小さな島だった。
奴らが奪った財宝を奪い返しに
俺はこの島にやって来た

正義の旗を振りかざし
俺は奴らを退治した
逃げ惑う奴らを
俺は許す事なく殺した。

持ち帰った財宝を、俺は村の人達に

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全知全能の神ゼウス(400字の小説)

全知全能の神ゼウス(400字の小説)

聞いた話によると、ギリシャ神話に出てくる神ゼウスは女好きらしい。
ゼウスと言えば、最高神で全知全能らしい。
その神(ゼウス)が、ある人の妻に惚れ、その妻を得ようと
白鳥に化身し、鷹に襲われる様に画策した
傷ついた白鳥(ゼウス)を、その妻は手当をする。
ギリシャの神は、煩悩だらけで、自己中心。
自分の欲望を叶える為には手段を選ばない。

法華経以前の仏教は、人間の煩悩を断つことを説いたが、
法華経で

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