夜学バー(令和4年6月「ぐうたらの月」)

2022(令和4)年6月を「ぐうたらの月」とし、店主はバー業務をお休みします(営業自体…

夜学バー(令和4年6月「ぐうたらの月」)

2022(令和4)年6月を「ぐうたらの月」とし、店主はバー業務をお休みします(営業自体はたまにあります)。代わりに6月中は毎日17時にnoteを更新。長短、甲乙あるとは存じますが、全30本の予定です。ホームページ:http://ozjacky.o.oo7.jp/brat/

最近の記事

30 世の中をよくする(最終回)

 夜学バーの方針は一言でずばり「世の中をよくする」。  このお話をもって2022(令和4)年6月の「ぐうたらの月note」を締めくくりたく存じます。 「世の中をよくする」ことをめざすお店、とだけ言うと、みなさんの頭にはそれぞれいろんなイメージが浮かぶと思います。有機野菜とかヴィーガンとか。子ども食堂とか。フェアトレードコーヒーとか。  夜学バーも自身なりのやり方で世の中をよくしようと努めております。その実際については前回までの29回でそれなりには書けたと思います。  

    • 29 喫茶店茶の湯論

       名古屋には「三英傑」という言葉がありまして、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康をさします。みんな愛知出身なので、名古屋の人たちは誇りを持って彼らを讃えております。  ただし、信長と秀吉は尾張(名古屋方面)出身であるものの、家康は三河(岡崎・豊橋方面)出身。名古屋ではないのです。三河の手柄を尾張が我もの顔で自慢する、みたいな横取り構図はよくあって、豊田とか岡崎の人は随分むかついているだろうと思われます。(名古屋城および城下町を作ったのは家康なので情状酌量の余地はあります。)  信

        • 27 仕事だと思っていません(半分は嘘)

           前回ヒキにいたしました「喫茶店茶の湯論」はちょっと準備がいるので次回以降に……。(謎にひっぱる)    たまたまこの文章を見かけて、いろいろな側面から「わかるー」となりました。本筋の「過去の自分に執着しがち」という視点も非常に面白いというか、「いやほんとそれ」と思うことが多いのですが、今回は脇に置いて。一言だけ言うならば、「現在の話をしなくなったらやばい」。 「それを聞くのも仕事のうちなんだけど」。これも「わかるー」なわけですが、僕はあんまり夜学バーを「仕事」だと思っ

          26 好きなモーニングについて

           この連載(!)を熱心に読んでくださっている方から感想が届きました。「なんか緩急あっておもしろいです、別にずっと夜学バーの話してるわけじゃなくてたまに趣向の違う文章はさまって面白い」だそうで、では何かリクエストくださいとお伝えしたら「んー好きなモーニングについてとか?」と言われたので好きなモーニングについて書きます。  僕のようなちっぽけな⭐︎は小さな一言で簡単に動きますので、みなさんも一度おためしください。  モーニングというのは主に喫茶店で、主に朝に、ドリンクを頼むと

          26 好きなモーニングについて

          25 夜学バーの成立要件(5) 見晴らしについて(お店の構造のひみつ)

           臨場感のためにあえて書きますが、あと54分で自動投稿の時間であり、それより何よりあと30分以内に家を出ないとなりません。というわけで今回は短めに努めます。  「成立要件」の(3)では「湯島という立地」、(4)では「雑居ビルの3階」について書きました。(5)はいよいよ、店内の構造に関する話。  もともと夜学バーは「Bar brat」というお店で、僕ではなく別の方が開いたもの。共通の知人からの紹介を受けて引き継いだわけですが、その時の話を少し。  最初に見学したさい、「こ

          25 夜学バーの成立要件(5) 見晴らしについて(お店の構造のひみつ)

          24 夜学バーの成立要件(4) 雑居ビルの3階アドベンチャー

           夜学バーは「ご近所型」でなく「わざわざ型」を目指していると前回書きました。また、一回きりのお客を多く尊ぶ「観光型」でもありません。頻度は低くとも長く通ってくださるお客を、できるだけ多く獲得したいという思いがあります。  となると路面店(建物の一階にある、道路に面した店舗)である必要はありません。繁華街のど真ん中で、地下鉄やJRからも近く、もちろん地価はめちゃくちゃ高いですから、とても路面店の賃料は捻出できません。じっさい夜学バーは雑居ビルの3階。それでもぎりぎりというか、普

          24 夜学バーの成立要件(4) 雑居ビルの3階アドベンチャー

          23 夜学バーの成立要件(3) 立地、どうして湯島になったのか

           夜学バーの今の物件(台東区上野2−4−3 池之端すきやビル301)は僕が探して、選んだものではありません。  2015年8月31日、自分でつくった西新宿のお店(「19」参照)が取り壊しでなくなって、路頭に迷った僕は新宿中央公園で無店舗バー(野外飲み会)を催すなどしておりました。冬場はそれもできないのでぼんやりしていたら、僕の自費出版本の読者でありお店のお客さんでもあった友達が紹介してくれたのです。 「バーをやっている友達が、引き継いでくれる人を探しています。ジャッキーさ

          23 夜学バーの成立要件(3) 立地、どうして湯島になったのか

          22 旅先から/ホームとアウェイ

          「ぐうたらの月」と称して休みはじめ22日。うち半分は旅行に出ていました。上旬に多少は書きためていたのですがすぐに追いつかれ、ここ数日は自転車操業です。ただいま21日の夜。新幹線のなかでこれを書いています。  11日に東京を出て、京都、大阪、神戸、女満別、網走、川湯温泉、釧路、帯広、札幌、名古屋とまわってきました。たくさんの出会いと再会があり、思うこと感じること考えることもたくさんありました。とても充実した「仕入れの旅」であり、「営業(広報)の旅」。  夜学バーの店主であり

          22 旅先から/ホームとアウェイ

          21 現在の一瞬は絶対に未来の一部なのだ

           美しきいつかのため。  それは2秒後かもしれないし20年後かもしれない。  ちいとだけ偉そうとか思われかねないことを書くかもしれません。この30本勝負(勝負?)も後半戦なのでお許しください。踏み込んでいきます。  僕は、そうこれは僕個人の話でもあるのですが、誰かと関わるとき、「その時のその人がどうであるか」ということをそこまで重視はしません。「未来を含んだその人がどうでありそうか」というような見方をします。  まーたよくわからない、面倒そうなことを言い出しています。手

          21 現在の一瞬は絶対に未来の一部なのだ

          20 「常連」という概念について2

           1は夜学バーのホームページ「読みもの」に置いています。  あの文章を読んだお客さんから、「常連とは常に連なる、だと書いてありましたけど、別の表現だと“常に連(つる)む”ですよね」と御所感をいただきました。  つるむ、という言葉のニュアンスには、「いつも一緒にいる」ということ以上に、つるんでいる人たちがほぼ無条件に互いを受け入れ、肯定しあっているというのがあると思います。  つるんでる相手なんだからこいつのことは否定しない、否定したとしてもそれは「冗談」というコミュニケ

          20 「常連」という概念について2

          19 舞台裏の散歩者(芸術家と職人のあいだ)

           かつて、夜学バーをつくる前。  新宿ゴールデン街のお店を追い出された僕は、「もう人の下で働くのはこりごりだ!」と腹を立て、自分で場所を持とうと決めた。  それで西新宿の取り壊しが決まったオフィス(アパート?)を一室借りてカウンターをDIYし、バーのようなものを作った。それが「尾崎教育研究所(おざ研)」である。飲食店として届け出ることはできなかったので、バーではなく「研究所」。木戸銭(入場料)のみをいただき、メニューは設けず持ち込み式にした。  このとき、僕は20代半ばであ

          19 舞台裏の散歩者(芸術家と職人のあいだ)

          18 持続について(誰がそれを)

           飲食店が儲かる方法には一通りしかない、と聞いたことがあります。それは「客単価を上げ、回転率を上げる」だそうです。  席数は限られているので、早めに出ていってもらって、どんどん次のお客に入っていただく。そしてその際、一人ひとりの支払うお金(客単価)ができるだけ高くなるようにする。  僕だって儲けたくないわけではないのですが、上記2点を実現させるのはなかなか難しい。個人の趣味として、「客単価が安くて、回転率の低い」お店が好きだからです。 「客単価が安くて、回転率の低い」お店

          18 持続について(誰がそれを)

          17 返報性と単純接触効果(の否定)

           この二つには本当に気をつけなければなりません。  たとえば、ものをもらうと、ものをあげたくなります。  恩を受けると恩返しがしたくなります。  あたりまえのことで、じつに人間らしい、あたたかい心ともいえます。  雑な理解かもしれませんがこういうのを返報性の原理とか言うようです。  また、単純接触効果というのは、同じ刺激を何度も受けるうち、それが心地良くなっていく、というようなことです。  最初は少し嫌だなと思ったことでも、だんだん慣れていって、繰り返すうちだんだん好き

          17 返報性と単純接触効果(の否定)

          16 客層、客筋(4・完) 関係の結び目

           いろんなお客さんがやってきます。 ①通りすがりの人  →いわゆる「フリー」のお客さん。雑居ビルの3階ゆえほとんどおりません。「夜学バーってなんだ?」と気になって入ってくる人や、日曜の夜などに、他のお店がどこもやっていないから開いているお店を片っ端から探し回ってたどり着いた人など。イレギュラーな事態なので、場にとってはよきカンフル剤になることが多いです。  これが起こりやすいので僕はけっこう日曜夜の営業が好きだったりします。ぜんぜん人がこなくてほとんど儲からない日のほうが多

          16 客層、客筋(4・完) 関係の結び目

          15 客層、客筋(3) 「思考」を噛ませる

           ついに、この夜学バーが「どういうお客を歓迎するか」という話です。  一言でいえば、「思考」を噛ませてくださる人。  思考を噛ませる、とは?  ここで「噛ませる」とは「挟む」というような意味です。  思考を挟んでくれる人。  こういうようなことです。(果たしてわかりやすいのか?)  思考を噛ませない場合は、以下のようになります。  ただ2行抜いただけです。どう違うんじゃ、というのは説明が難しいですが、要は「慎重に話す」というだけのことです。  それは「その時、その場で

          15 客層、客筋(3) 「思考」を噛ませる