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あなたは大丈夫?コワいコワい「脂肪肝」を予防する食事

1. 脂肪肝はなぜコワイのか?

 私たちは、食事の食べ過ぎを続けると、お酒を飲まなくても非アルコール性の脂肪肝になります。
この脂肪肝の一部は、肝炎(NASHという病名)、肝硬変、さらには肝がんに進展するだけでなく、心筋梗塞や脳卒中のリスクもあげることが知られています。
ごく最近、非アルコール性の脂肪肝は、心不全のリスクを1.5 倍 (Gut, 2022)、認知症のリスクを1.38倍(Neurology, 2022)に上昇させるという論文が相次いで報告されました。
脂肪肝は万病のもとであることを改めて実感するニュースです。

非アルコール性の脂肪肝の主な原因は、食べ過ぎですので、適正な食事量と運動量をキープし、肥満を予防・改善することが最も有効です。
しかし、脂肪肝の予防・改善をするうえで、ダイエット以外に気を付けることはないのでしょうか?
そんなことを調べていましたら、様々な病気に関連している「炎症」を抑えるような食事(Dietary Anti-Inflammation Indexが高い食事)(Int J Cardiol, 2016)がよいらしいという論文をみつけました。
ここでは、Dietary Anti-Inflammation Indexを、簡易的に食事の炎症スコアとでも訳して説明をしたいと思います。

2.炎症を抑える食品とは?

多くの病気が、「炎症」が関与しています。脂肪肝が進展した肝炎も、がんや心臓病だって炎症が関与しています。

炎症を抑えうる食品は、野菜、果物、青魚、茶、コーヒーなどが有望のようです。
逆に炎症をひどくしてしまう食品としては、肉、加工肉、ソフトドリンクなどのようです。

なお、炎症を抑える栄養素としては、βカロテン、ビタミンE、ビタミンCのほか、各種フラボノイド(イソフラボン、カテキン、セサミンなど)などが抗酸化物質として有名です。しかし、いずれもサプリメントとしてとっても、健康効果はほとんど期待できないようです。

脂肪肝の予防・改善のために、食事の炎症スコアについて勉強するよい機会と考え、この論文を紹介したいと思います。

3.関連論文の紹介

Therap adv gastroenterに掲載されていた論文を紹介します;

「 The anti-inflammatory potential of diet and nonalcoholic fatty liver disease: the ATTICA study」
doi: 10.1177/1756284819858039.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31258620/

炎症を抑えうる食事と非アルコール性の脂肪肝」の関連を調べた研究です。

 この研究の対象者は、心血管疾患の診断をされたことがないといった条件をクリアした平均45歳くらいのギリシャ人でした。対象者の血液検査や病歴などを使った4種類の式によって脂肪肝の有無や程度が推定されました。

 各自の食事調査から、食事の炎症スコアが計算され、スコアが低いグループ(理想の食事)、中くらいのグループ(平均的な食事)、高いグループ(避けたい食事)の3群にわけられました。

食事の炎症スコアによって3つのグループと脂肪肝の有無や程度との関連が分析されました。

その結果、食事の炎症スコアが低いグループ(理想の食事;野菜、果物、青魚、茶、コーヒーなど豊富)は、他の2つのグループに比較して脂肪肝のリスクが低いことが判明しました。

野菜、果物、青魚が豊富な食事は、様々な病気の予防を考えるうえで最強だなと思いました。

※この記事は、論文内容をかなり端折っていますので、興味のある方は本文にアクセスして確認されてくださいね。

さいごまでお読みいただきありがとうございました。

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