憧れの古民家をゲット!しかし現実は…

さて、謎に始まった田舎暮らしの虚像と実像 シリーズ。

現在、山林田畑に囲まれた田舎に住んでいる私が 田舎暮らしを通じて感じたことをもとに、独断と偏見によりテーマを選び意見を述べていく、という何とも勝手なシリーズものです。

前回の記事、田舎の人は優しいって聞くけど本当? では、noteにて初めてコメントをいただき大変嬉しく思いました。コミュニケーションが始まると議論が深まったり考えが広がったりするのでとても楽しいですね。大したことは何も書けませんが、自分の思考整理のために出来る限り続けていければと思います。

さて今日のテーマはこちら。

▼憧れの古民家をゲット!しかし現実は…
古民家と聞くと、田舎暮らしとほぼセットになって登場してくる頻出ワードだと思います。「せっかく田舎に住むんだったら雰囲気のある古民家に住みたい!」多くの方が思うことだと思います。例にもれず、私も田舎に来る前は古民家にかなり憧れており、毎日のように理想の古民家の間取りを考えては、あーでもないこーでもないと妄想を膨らませていた頃がありました。笑

古民家についてまとめていきたいことは以下3つです。

◇古民家ってどんな家?
◇古民家の大変なところは?
◇古民家の良いところは?


◇古民家ってどんな家?
のっけから普通に「古民家」と言ってはいますが、そもそも古民家って何なんでしょうか。普段の会話でも何気なく使っていましたが、その定義などはあまり考えたこともありませんでした。

古民家とは、日本の住居のうち、建築年数がかなり経過した民家のこと。
ただし、具体的かつ明確な定義は存在しない。国が制定する文化財登録制度においては、「50年以上」というのが対象条件になっている。

一般的には、
・伝統的な建築工法である木造軸組工法で建てられている
茅葺屋根、草葺き屋根、日本瓦葺き屋根、土間、太い柱と梁を持つ
・築年数が50年以上経っている
         出典:不動産・住宅サイト SUUMO 住宅用語大辞典より

はっきりとした定義はないみたいですが、概ねこんなものみたいです。
こうしてみると、古民家のハードルって意外と高い
築50年以上の木造の家屋はかなりあると思いますが、土間・太い柱・梁がある家で 状態が良いものはそんなに多く残ってないように感じます!

ちなみに現在私が管理している古民家の概要は、
・築130年以上
・木造軸組工法
・茅葺屋根
・土間、太い柱、梁

……古民家試験、一発合格。笑

もっというと敷地面積が200坪ほどあります。200坪です。
ちなみに敷地がこんなに広いことは後から知りました…泣

◇古民家の大変なところは?
田舎で古民家を手に入れる方法は意外とたくさんあります。そこあたりはまた別の記事で紹介できればと思いますが、ここで伝えたいことは”古民家は手に入れるよりも手に入れた後のほうが大変”だということ。
(後で良いところも述べる予定ですが、大変なところだけで終わりそうです。)
ではさっそく大変なところを紹介していきます。

〇我慢が必要な居住快適性
古民家ってとーーーっても寒いんです。50年以上も前に建てられた家なので居住快適性が劣るのは当然といえば当然なんですが、憧れから入ってしまうとどうしてもそこあたりは二の次になりがちです。古民家の雰囲気だけを見てテンションが高まり始めたら少し危険ですので気をつけましょう。
うちの古民家の廊下なんて最早 外よりも寒いんじゃないかってくらいです。当然お風呂場も寒いしトイレも寒い。室内だって寒いんです。何から何まで寒いことづくめの古民家。私も一冬を越えてみて初めて理解したことなのでした。。。
寒さの原因は微妙に空いている窓の隙間だったり、床下からの底冷えだったり、色んな原因があります。
また、間取りに関していうと昔ながらの古民家では 4畳半~6畳ほどの小さな部屋が多数あり、8畳~12畳ほどの広間がドンとある間取りが多いように思います。部屋数が多くてラッキーなんて思うかもしれませんが、4畳半ほどのスペースって実際の生活ではなかなか使いにくいんです。しかもそれらがコマ切れで何部屋もある…。部屋面積が広いわりにキッチンは狭かったりするので、現代的な広いLDKのような空間には変えにくい造りとなっているように思います。
なので、快適性を第一に求める方に古民家はオススメできません。
そのあたりを考慮した上で、ある程度の我慢を前提に住むことが必要かなあと。

〇維持管理にかかる労力と費用
古民家は広いです。家は掃除をするものです。つまり広い古民家は掃除がめちゃくちゃ大変です。私はこの古民家を営業用に使用していることもあって毎日1時間は掃除にあてています。とにかく時間と労力が吸い取られます。
古民家ってなんであんなに廊下が長いんでしょうかね。窓も無駄に大きいし、お風呂は謎にでかいし、蜘蛛の巣すぐに張られるし、ハチの巣作られやすいし…。

また、築50年以上も経てば必然的に痛みのある箇所が出てきます。うちでいうと天井からの雨漏りや茅葺屋根の葺き替え、廊下のきしみ、1歳の息子がイタズラして破った襖や障子… 。住む前には見つからなかった(知らなかった)ことも、住み始めてから現れるパターンが非常に多くてビックリします。それらを修繕する費用もバカになりません。

さらにさらに、建物以外の管理も大変。庭や敷地の管理は本当にツライです。特に夏場の庭の草取りや草刈りはトラウマになるレベル。なんてったって200坪ありますからね。冗談じゃなく草を取ったところから次の日に草が生えてきます。草の生命力たるや半端ありません。「除草剤まけばええやん」と言われればそれまでなんですが、嫌じゃないですか、薬に頼るのって。何よりもうちは井戸水を地下から汲み上げて使っている関係上、農薬がしみ込んでしまうので使えません。
よって草との戦いは夏場はエンドレスなのです。書くだけであの大変さが蘇ります。泣

◇古民家の良いところは?
大変なところを書きすぎて良いところが思い浮かばない現象に陥りました。
うーん、こんなリアルな大変さをたくさん書いた上でこんなこと言うのもアレなんですが、やっぱり古民家って雰囲気が好きです。笑
冒頭に雰囲気で決めるのは危険だと言っておきながら大変申し訳ないのですが(笑)古さに美しさを感じるタイプの人であれば私と同じようにきっと好きなはずです。(説得力の無さを感じた方、気のせいですよ。)

古民家は確かに不便です。普通に考えたら選択肢から外れると思います。
ですが、です。そのあたりの不便さって見方を変えれば現代的な家ではあまり感じられれないことでもあります。不便さを感じさせないように建築技術や冷暖房技術も上がっているわけです。なので新築の綺麗な家の中に居続ければ、文字通り安心で快適に過ごせることかと思います。ですが、その分おれ暮らしてるな~という実感は湧きにくいのではないかなと私は思っています。「おれ暮らしてるな」って少し意味わかりませんが…、要は暮らしの実感があまり湧かないんじゃなかろうか、と思うわけです。不便だからこそ、過ごしやすくするにはどうすればいいかを自分たちで考えて、変えていく。少しの不便さを抱える代わりに、とてもクリエイティブな暮らし方を手に入れることができます。大げさかもしれませんが、古民家で暮らすというのは不便さとうまく付き合いながら自分たちの成長とともに家を育てていくことなんだと思います。そのあたりを楽しみながら自分で手を入れつつ快適レベルを上げていくのが古民家に住む醍醐味ですね。

うわーめっちゃ長くなってしまいました。
いい感じにまとめた雰囲気出してますが結局古民家の具体的な良いところを挙げてないところなんかもう。
まあ、こんな感じです。ではまた。


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