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エッセイ集

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#眠れぬ夜のことば紡ぎ

「おめでとう」は言いたくない

「おめでとう」は言いたくない

私が初めて妊娠した人の姿を見たのはきっと、弟が生まれる前だろう。
記憶には鱗片も残ってはいないけれど、確かにそこに妊娠した母の姿があったはずだ。

流行病というには酷く残酷なウィルスが世界に蔓延しているが、この時期に命を授かるという重みはそれぞれに圧し掛かるだろうと想像する。

今夜私が話すのはコロ助(コロナ)の話ではない。ある知人の物語だ。
"知人"とは上手く言ったものだが、私は"知人"ではない

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物語ノックアウト

物語ノックアウト

物語を誘発するのはいつだって、「物語」であるものだ。
私は書き殴った文章を見て落胆する。
私の中にあった、”内なる嫉妬”や”秘めたる憎悪”、”伝えきれない愛情”とかいうごちゃまぜな感情は、何1つとして私の役には立たない。正確には、"私の文章には何の変化も生まない。"

1か月もの間noteに手を付けず、仕事を始めてから感じたことのなかった絶対的な”喪失感”に苛まれていた。浪人期にも、不登校時代にも

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深夜のカーテン向こうは大切な何かを気づかせてくれる

夜、何を想うか。

20歳を超えて滅多に訪れることの無い静寂。
私は1人だ。灰色1色の部屋の内装が、カーテンを開けただけで淡い光に包まれる。

オオカミが出てきそうな夜だ。

人がこんなことを思うのは、1人になって広い世界を垣間見た時。

普段気にすることの無い、虚無な空、空気。

案外、私は嫌いじゃない。
一人暮らしをしていない身だと、もう当分訪れないであろう瞬間だ。

私は食い入るように、窓か

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