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東京での初個展終えました。

上記、アーティストトークの写真


最後に

今回の展示で色々と言いたい事がたくさんあり、展覧会が最後の方になりようやく言葉で話せるようになったので、わかりやすく書いたつもりが長くなってしまいました。
読んで頂きましたら幸いです。

地球上の全生物の起源は、まだ実証されていませんが、数多くの説より2012年から2016年頃に鉄錆を食べるバクテリアが地球上の全生物の起源ではないのか、と言う説がよく聞きました。なぜ、そう言われたのかと言うと鉄錆を食べるバクテリアは酸素がない場所でも生息する事が出来て、現在の地球にも生息しており酸素を作るバクテリアと共存して生息しています。

そんな鉄錆を、絵具を塗りたぐった合成樹脂の塊をくしゃくしゃに丸めて広げた紙の上に、鉄板の錆を写し取る方法で制作しています。(まるで、ビックバンが終焉し、何もない地球に生き物が生まれたように鉄錆の種を植えるように)

あたり前ですが、合成樹脂の塊の絵より本当に命は生まれませんが、新しい考え方の萌芽ようなものが鑑賞者に生まれて欲しいと思い制作をしています。また、全ての生き物は類似性があるものを連続的に永遠に繰り返し行うもので、これを絵で例えるとモノタイプの版画だと思い、絵の始まりである原版の鉄板も一緒に展示しています。

下記は、今回の展覧会タイトル「痕跡を一つずつ確認するように重ねると、やがてそれは愛になる。」を付けた経緯を説明します。
最近では、AIが人間の仕事を取られる事を懸念されていますが、恐らく殆どの仕事が人間に変わりAIがする時代が来ると思います。AIがどう頑張っても人間に勝てないものと言えば、動物の肉体をもっている事と、原始的な遺伝子の伝達方法ぐらいしかない。人間は、両親からの遺伝子は全て伝達されるのでなく、有性生殖が持つ特有のエラーのようなものが起こり、全ては伝達出来ません。また兄弟間でも遺伝子の羅列は違います。

ドーキンスが遺伝子をトランプに例えて遺伝子の事を言っていますが、環境によっても手札を変えることも出来るし、裏を向いているカードはイカサマでもしない限り手札はわからない。また、イカサマもしようと思えば出来し(遺伝子組換え)遺伝子は無駄な事はしない。

ドーキンスが言う遺伝子の最終形態のミーモの定義で遺伝子の伝達方法を考えると人間はAIより劣りますが、人間は動物であるから現時点では原始的な方法で遺伝子を伝達するしかありません。

その行為は、将来的にもAIは出来ない事で、人間が勝る部分でありAIのように完璧に遺伝子を伝達出来ない。それこそが強みであり、人間が考えている愛の考え方に繋がります。色々な宗教で他者愛について語られていますが、他者愛が色々な愛の中で一番大切だと言われています。私も含めてたいていの人は日常生活に追われて、他人の事なんて考える余裕がなく、性的な愛を中心に考えています。

他者愛を中心に考える事が出来る人間なんて、理想すぎに思いますがそうしなければ、永遠に本当の平和は来ないし、人間の文明は争いを中心に養ったと言ってもいい。道徳を極める事はこれからの未来は大切になっていくと思う。今までの世界は、健常者中心の世界でしたが、これから先は健常者以外の人の考えが大切になっていく時代が来るように思います。なぜなら、遺伝子は無駄な事をしないからです。
健常者以外の人達の情報が重要になり、健常者と健常者じゃない人との分別が無くならない限り人類がAIをコントロール出来る未来はやってこないように思う。また、認知革命とは遺伝子の突然変異により、他の種族より劣っていた私達が全てのホモ属の頂点に立てたのは何だろうか。それまで負け組の私達は、仲間の死に対して敬い死んでほしくないと他ホモ属より強く願ったのであろう。それは、愛の力だと私は思う。そのためには、時間がかかるかもしれないが、人間社会を再形成する為にゆっくりと痕跡という歴史を積み重ねていき、時間をかけて愛を構築する事が大切じゃないかと思い今回の展覧会に至りました。

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