『風立ちぬ』が示す4つの視点から、幸せな夫婦のあり方について考える #9_2
宮崎駿監督が映画『風立ちぬ』の着想を得たことでも知られる、堀辰雄の不朽の名作『風立ちぬ』。長らく生と死の意味を問う小説として知られてきましたが、実は「結婚」という視点に着目すると、作品の新しい魅力が浮き彫りになるものでした。後編では、『風立ちぬ』が示唆する「幸せな夫婦」のあり方について考察していきます。
前編はこちら。
その① 夫婦関係が長期的でないこと『風立ちぬ』の場合、2人の関係は短期的なものでした。最初に出会った1933年夏から節子が亡くなる1935年12月までです