自分の時間を持つのも大事ね
セラピスト仲間とともに障害者の交流サロンでリフレクソロジー(足裏マッサージ)を提供した時のこと。
ひと組のご夫婦がやって来きました。
夫婦とも50歳前後、旦那さまに障害があり、奥さまが介助をなさっています。
お二人同時に施術を受けることになり、ご夫婦隣同士の席にご案内。
奥さまは、旦那さまの靴下を外すのも手伝ってくださるほど、旦那さまのことが気になって仕方がないご様子。
その後も視線はずっと旦那さまに向けられていて、話の内容も旦那さまのことばかり。
一方、旦那さまは素知らぬ顔。
時おり、足裏の刺激にリアクションする他は静かに受けています。
そして、間もなく眠ってしまいました。
「この人、寝ちゃったのね…」
しばらくすると、奥さまの視線がセラピストに向くようになっていました。
「自分がマッサージを受けるなんて何年振りかなぁ」
ふぅー… 深呼吸をする奥さま。
「こうして自分の時間を持つのも大事ね」
どこか張りつめていた表情が和らぎました。
それからは、ご自分のことをお話するように。
「ありがとうございました!」
さわやかな笑顔で二人仲良くサロンから出ていく二人を、嬉しさとともに見送りました。
まだまだマイナーな職業です。ご支援いただけましたら嬉しく思います。なお、いただきました御厚意は今後の活動資金に充てさせていただきます。