見出し画像

肋椎関節

胸まわりの固さ

自分自身の身体と向き合っていると、胸まわりの固さが課題となることが多いです。

この部分は日常の姿勢、自律神経、メンタルのも影響を受けやすい場所なので、一つ一つ原因をクリアにして継続して取り組む必要があると感じています。

胸まわりの固さが取れると、腰痛や肩こりの改善が期待できることに加え、日常生活で疲れにくくなったり、スポーツ動作でのパフォーマンスアップなど期待できます。

また、立ち姿勢も綺麗になるので見た目も良くなります。

画像1

参考までに写真の彼に対して、今回のテーマである肋椎関節へのセルフケアを実施してもらっただけでこの変化です。
私は何も施術をしていませんので、原因を探すことと、そこに対するアプローチ方法さえわかれば、このように自分でも治せるんです。

自分の身体を良くするのに骨盤矯正、姿勢改善のような整体に通わなければ治らないなんてことはありません。
(もちろん、専門家による評価、原因を探すクオリティは一般の方の比ではありませんので、そのあたりは活用するのもおすすめです)

少し話が脱線しましたが、胸まわりの固さに対して今回は肋椎関節にフォーカスしてまとめてみました。



胸郭

まずは胸まわりの解剖を整理します。

胸まわりとは、解剖学的には「胸郭」と呼ばれる部位を指します。

胸郭は【胸骨、肋骨、胸椎】で構成されていて、胸郭の中には肺や心臓など大切な臓器があるのでそれらを保護する役割があります。

画像2

画像3

肋骨は左右に12本ずつあり、肋骨の上位7対は胸骨の外側縁と繋がっていますが、第8〜第12肋骨は胸骨とは繋がっていません。
また、第11、12肋骨は他の肋骨とも結合しておらず遊離していることから「浮遊肋(ふゆうろく)」と呼ばれています。

胸肋関節

肋骨と胸骨により関節を形成しており、広義には「胸肋関節」と呼ばれており、狭義には後述する「肋軟結合」と「胸軟結合」に分かれます。

【胸肋関節】
肋軟結合…胸骨と肋骨の間には軟骨が介在し、肋骨と軟骨の結合部分のこと。わずかな運動が可能で、この部分には関節包や靭帯がありません。

胸軟結合…肋軟骨と胸骨の結合のこと。
第1肋骨は軟骨部分が少なく、胸肋軟結合と言われ、不動関節とされている。
第2〜7までの結合は滑膜性で放線状靭帯、関節包があり、わずかに滑り運動がみられる。

また、第6〜10肋骨の結合部分は「肋軟骨間関節」と呼ばれ、軟骨間靭帯で補強されている。
解剖の図でみると第6、7肋軟骨はほぼ隣り合って胸骨と結合しているところもイメージとしてしっかり押さえておきたいポイントです。

画像4


肋椎関節

肋骨の後方は12対の骨頭がそれぞれの胸椎の椎体と連結していて、これを「肋骨頭関節」と呼びます。
また、第1〜10肋骨は胸椎の横突起との連結があり「肋横突関節」を形成します。(第11、12肋骨は横突起とは関節を形成しない)

この肋骨頭関節、肋横突関節を合わせて「肋椎関節」と呼びます。

画像5


胸郭の可動性

胸郭の可動性が呼吸の深さなどに関与します。
吸気時には上位肋骨は前後方向に拡大し、下位肋骨は横方向に拡大します。最下位肋骨は横方向に拡大しつつ後方にも移動します。

画像6

また、胸郭の可動性の低下は胸椎の可動性の低下を引き起こします。
胸椎は特に伸展や回旋の可動域に影響が強く、制限されることで頸椎、腰椎の代償が起こりやすいです。

また、頭部のポジションと胸郭と頸椎は協調的に可動しています。
例えば、頭部が前方にある状態では、胸椎の後弯が増大し、上下の肋骨間が狭くなり、胸郭を下制します。
つまり、デスクワークやスマホを見る姿勢など頭部が前方にある時間が長いと胸郭の可動性は低下してきます。

このように胸郭の可動性の低下は腰痛や肩凝り、姿勢などにものすごく影響を与え、根本原因になりやすい部位になりますので、普段からセルフケアを行なっていくことは非常に重要です。


心身相関

さらに、自律神経の影響も強く受けるので、睡眠不足など生活習慣の乱れ、強いストレスなどがあるとすぐに固くなる部位でもあります。
呼吸との関連が強いことからもイメージしやすいですよね。

他にも自信がない時や落ち込んでいる人がうつむいていることが多いように、メンタルの問題も胸郭の固さにかなり影響します。

根本的な解決をしていくためには、このような生活習慣や心の状態に向き合うことが大切になってきます。
逆に生活習慣の問題や心の問題であれば、身体を変えることから変化させていくことも可能です。

「心が変われば身体が変わる」のと同様に、「身体を変えることで心を変えていく」方向もあるのです。
その方の向き合いやすい方から取り組んでいくと良いでしょう。

私自身は、身体が変わっていくことで心と前向きに向き合えるようになり、心が変わっていっている典型的なパターンだと思います。

ぜひ、みなさんも胸郭をメンテナンスして心も体も変わっていきましょう!!


肋椎関節のセルフケア

最後に胸郭のセルフケアはいくつかありますが、今回は冒頭の写真で変化のあった肋椎関節のセルフケアを一つご紹介します。

その前に肋骨の動きを少しだけ整理します。
肋骨は胸椎の伸展、上肢の挙上に伴って後方回旋します。
反対に胸椎の屈曲、上肢の伸展に伴って前方回旋します。

まず、テニスボールやゴムボールなどを用意してください。

ボールを肋椎関節のあたりにセットして仰向けに寝ましょう。
(あまりに痛い場合は少し柔らかめのボールに変えたり、ボールをタオルにくるんだりすると良いかと思います)

その状態から、肋椎関節の動きを意識しながら腕をゆっくり回しましょう。

10回くらい回したら、ボールの位置をズラして一つ一つ丁寧に実施していくだけです。
痛すぎて呼吸が止まったり、力みすぎないように注意してください。

実施したら胸を反ったり、首の動き、立っている姿勢などをセルフケアの前後で比較してみてください。
呼吸のしやすさなども変化しいていると思います。

簡単にできることなので、ぜひ継続してみてください。


お読みいただきありがとうございました。


謙虚・感謝・敬意
知行合一・凡事徹底
岩瀬 勝覚


【発信媒体】

Facebook
https://www.facebook.com/yoshiaki.iwase.35

Instagram
https://instagram.com/yoshiaki.iwase/

Podcast(心と身体の“羅針盤”)
https://anchor.fm/-13921


【オンラインサロン】

全国の優秀なスポーツトレーナーの仲間とともにオンラインサロンを運営しています。 心と身体はつながっている。自分の心身の不調を改善するヒントが欲しい方はぜひのぞいてみてください。
《心のストレッチ》心身相関 Lab
https://jinriki-aka.jp/shinshinsoukanlab/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?