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キャリアノススメ|壱ノ型

1.はじめに

こんにちは。山口です。少々奇抜なタイトルを付けてしまいましたが、今回は、私がHRとして必要な知識をどのように習得したか、その体験談を綴りたいと思います。タイトルにある|壱ノ型|とは、0→1への歩みを意味しています。

2.違和感

上記の記事にあるように、私のHRとしてのキャリアは、偶然からスタートしました。スタート当初、在籍組織の中には採用部署はなく、上司も先輩いない、人事を学ぶ環境がありませんでした。しかし、これから新しいキャリアを歩めるという好奇心や、知らないことを習得し、自分の可能性を広げることができるという期待だけは溢れていました。

まず、最初に私が取り組んだことは、

① 公的機関を活用すること

② 本を読むこと

③ セミナーへ行くこと

手始めに上記の3点に取り組みました。①は「公財)東京しごと財団・中小企業採用力向上支援事業」へ申請し、採用コンサルタントを会社へ派遣していただきました。数か月に渡り、専属のコンサルタントから、採用市場の動向や母集団の形成、媒体の活用、面接RPGなど、色々なことをレクチャーしていただき、採用活動・採用戦略の基礎を学ばせていただきました。②・③については、言葉の通りですが、大体20冊程度の本を読み、7本くらいのセミナーへ参加し、知識の習得に励みました。

しかし、しばらく経つと、何か違和感を感じ始めます。それは、本を読み、セミナーへ参加し、情報量は満ちてくるのですが、組織に於ける採用活動とのギャップに直面し、せっかく習得した知識がいまいち実務に活かしきれていないということです。採用活動とは、画一的な方法論では成果は期待できません。求める人材のペルソナや、企業から提示できる条件、人員計画に時代の流れを汲んだ採用手法など、企業ごとに(または業界ごとに)、その戦略は全く形が異なります。

つまり、(イ)企業HRは、例えば、医師が内科、外科、整形外科のように細分化されるがごとく、業界ごとにスペシャリストになることが要求され、また(ロ)企業ごとの人員計画やリソースに基づき、個別具体的な採用戦略の立案・施策が必要である、ということです。

私が感じていた違和感の中身は、②・③に於ける情報は、もちろん一般知識の習得には有益であるものの、どこか「天の声」に聞こえてしまい、自身の実務に結びつかないというものでした。

3.キャリアノススメ

大きな壁に直面しましたが、ある閃きが私を救ってくれました。それは、「メーカーや広告代理店の営業担当者を先生として、彼らに自分を鍛えてもらう」という作戦です。現職の企業HRの方であれば、よくお分かりであると思いますが、職場にいると、毎日のように新規営業の電話が鳴り、セールスメールが届かないでしょうか。当時、私は少しでも興味関心を引く提案があれば、即営業担当者を会社へ招き、とにかく連日のように打合せという名の授業を行っていたのです。これを実践していたのが2018年度のことです。一年間で、のべ90~100名ほどの担当者を呼び、彼らから実務でつかえる実践的な知識を日々習得していきました。では、「なぜ、営業担当者なのか」、それは、彼らは自社商品に精通しており、採用市場の動向、自身の得意な業界、複数の企業を担当して得た失敗例・成功例など、実践的な知識に精通しているからです。これにより、私は(ⅰ)採用市場の動向(ⅱ)各種媒体の商品知識、特徴、媒体ごとに異なるアプローチの仕方(ⅲ)効果測定(ⅳ)競合他社の動向をメインに、様々な知識を習得し、自身の採用手法を確立できるまでに、急激に成長することができました。

余談ですが、受注の期待もなく、只々、営業担当者を呼ぶだけでは、当然彼らに対して失礼です。これだと思える提案には契約を結び、仕事の依頼も行っています。また、現在でも、当時からお付き合いのある優秀な担当者たちとはビジネスパートナーの関係にあり、今後も変わらず力を貸していただきたいと考えています。

4.おわりに

最後に、今回は私がHRとして腕を磨く「きっかけ」について、述べさせていただきました。もちろん今後もプロとしての自覚を持ち、センサーの感度を上げていかなくては、置いてけぼりをくらってしまいます。本原稿が現職のHRの方のみならず、全てのビジネスパーソンの方に「学びのきっかけ」として、参考になれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。コメントお待ちしております。



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