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言語聴覚士はリハビリ専門職!たくさんの分野から自分のやりたいことが見つかる

「言語聴覚士」初めて聞く方も多いと思います。
言語聴覚士とはどんやお仕事なのか、どんな分野に支援するのかについて
お話しします。


言語聴覚士はリハビリの専門職!

リハビリと聞くと、理学療法士や作業療法士を思い浮かべる人が
ほとんどではないでしょうか?

リハビリ専門職には3種類あり、そのうちの一つが「言語聴覚士」です!
英語ではSpeech-language and hearing Therapistといい、
病院などの現場では「ST(エスティー)」と呼ばれます。

1999年、第1回言語聴覚士国家試験が実施されたばかり。
リハビリの中では一番新しい職種で、全国に4万人程度しかいません。
(理学療法士は1960年代からある資格です。)

言語聴覚士が支援する分野とは?

STは「話すこと」「聞くこと」「食べること」の専門家と言われます。
3つだけ?と思われるかもしれませんが、たくさんの病気や症状があります!

脳の病気や生まれつきの病気など、高齢者から子どもたちまで
幅広い年代の方へ支援することができるのです。

それぞれどのような患者さまがいらっしゃるのか見ていきます。

①「話すこと」
 ・話したい言葉が出てこない
 ・話せるけれど、言葉でうまく伝えることができない
 ・顔の筋肉が麻痺して、きれいに発音ができない
 ・口の中に癌ができてしまい話せなくなった
 ・生まれつき言葉の発達が遅く、年相応の言葉を使えない
 ・生まれつきの難聴で、言葉の獲得が遅い

これらは、脳梗塞・認知症などによる「失語症」や「構音(発音)障害」、
舌癌による「舌の切除」、生まれつきの病気による「先天性難聴」や
「知的機能障害」「発達障害」など、さまざまな病気で起こります。

②「聴く/聞くこと」
 ・難聴で耳が聞こえづらい
 ・聴いた言葉を理解できない
 ・生まれつき難聴がある

これらも①と同じような病気で起こる症状です。
難聴に対して、STは「聴力検査」「補聴器の調整」などもすることができます。

③「食べること」
 ・集中力が続かないため、食事をうまく取ることができない
 ・誤嚥をしてしまい、肺炎になってしまった
 ・食事中に何回もむせてしまう
 ・普通の食事の形では飲み込めない

これらは主に高齢者の方に多い症状で、「摂食嚥下障害」と言います。
STのニーズがとても高い分野です。どのようなご飯の形なら食べれるのか、
食べる時の方法など、細かい部分を評価し患者さまとご家族に指導します。

そして「話すこと」「聞くこと」「食べること」は
1人の患者さまに対して、合併して起こっていることがほとんどです。

「自分のやりたいこと」を見つけてより専門性を高める

先ほど述べたように、STは幅広い分野で活躍することができます!
しかし、高齢者〜子どもまですべてを支援することはとても難しいこと。

病院などによっては専門としている分野が異なったりもしますし、
やはり患者さまからしたら、その分野のベテランの方にみてもらいたいはずです。

私はいま「認知症」分野に携わっています。
なぜたくさんある分野から「認知症」を選んだのか、少しご紹介します。
(細かい分野については1つずつ記事にして紹介します。)

私は学生の頃から、「脳の病気によって起こる症状」にとても関心がありました。

・脳の左側が働かなくなると言葉が話せなくなる
・脳の前の病気では、計画が立てられなくなる
・右側の脳は、目で見て物を認識する能力を持っている

なぜこのような症状が起こるのか
検査をすると患者さまはどのような反応をするのか
それは日常生活にどのような影響があるのか

専門用語でいうと、これら脳の損傷によって起こる症状を
「高次脳機能障害」といいます。別の言葉では「認知機能障害」ともいいます。

「認知症」は脳の病気。つまり、「高次脳機能障害」のあつまりなのです。

「認知症」はとても面白いのです。失礼に聞こえるかもしれませんが、
「面白い」と思えるということは、患者さまを理解する第一歩だと思います。

「面白い」からこそ、認知症分野の知識をどんどん吸収できます。
「吸収できる」からこそ、検査をしたときの患者さまの反応がわかります。
「わかる」からこそ、患者さまやご家族が困っていることを理解できます。
「理解できる」からこそ、困っている方々の気持ちに寄り添うことができます。

STが関わる分野は多岐にわたります。
きっと、あなたにぴったりの分野が見つかるはずです。

noteを通して、STに興味を持ってくれる人が少しでも増えると嬉しいです。
そして、認知症分野へ進むSTも増えることを願っています!



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