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認知症に携わっている言語聴覚士(ST)。多くの方に認知症について知ってもらいたい。アル…

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認知症に携わっている言語聴覚士(ST)。多くの方に認知症について知ってもらいたい。アルツハイマー型認知症/レビー小体型認知症/前頭側頭葉変性症/BPSDなどについて、言語聴覚士の目線から情報発信をしています。

最近の記事

「〇〇認知症」と「高次脳機能障害」。診断の違いは何?同じ症状でもここが違う!

「認知症」と「高次脳機能障害」。 どちらも認知機能障害でしょ?と思う方も多いですし、まさにその通りです! しかし「アルツハイマー型認知症」などといった認知症と診断される方。 単に「高次脳機能障害」と診断される方。何が違うのでしょうか? 今回はこの2つの違いについてお話しします。 認知機能障害って何? まず、両者の定義をみていきましょう。 認知症(ICD-10より) 通常、慢性あるいは進行性の脳疾患によって生じ、記憶、思考、見当識、理解、計算、学習、言語、判断など多数

    • 認知症の重症度を評価する半構造化面接検査「CDR」

      認知症の患者さまには「神経心理学的検査(認知機能検査)」という記憶や言語・注意機能といった認知機能を評価する検査を行います。 どの機能障害が起きているのか知るのは重要なことですが、 それによって「日常生活にどのような支障が生じているのか」を評価しなければ 認知症の方(ご家族へも含め)への支援にはつながりません。 今回は認知症診療では必須である「CDR」についてお話します。 CDRは何を診る検査? Clinical Dementia Rating(CDR)。日本語で「臨

      • 認知症の方が何度も同じことを聞く...これは「不安」の表れかも?

        「もの忘れ」の症状といえば「何度も同じことを繰り返す」だと思います。 どうして何度も同じことを聞くのか?という疑問について、 記憶機能障害以外の面も含めて、一緒に考えていきましょう! ボケと記憶障害は何が違う? 探し物や置き忘れ、予定を忘れていた、旅行先の出来事で思い出せない所がある。 日常生活ではよくあることですよね。 では「もの忘れ(ボケ)」と「認知症での記憶障害」の違いは何でしょうか? 会話形式で見ていきましょう。 もの忘れ A 「旅行に行ったことは覚えているけ

        • 言葉の記憶がなくなる...前頭側頭葉変性症のうちの1つ「意味性認知症」

          前頭側頭葉変性症。 明らかな「性格変化・行動変化」「言語障害」を特徴とする病気です。 名前の通り、脳の前頭葉・側頭葉に病変があります。 これが原因となる認知症について、お話しします。 前頭側頭葉変性症による「認知症」 前頭側頭葉変性症による認知症には、大きく3つに分けられます。 脳の萎縮する部位によって、さまざまな症状が現れます。 ① 前頭側頭型認知症  前頭葉を中心に萎縮することで生じる認知症です。  社会的に不適切な行動(平気で人を傷つけることを言うなど)や  礼節

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          医師の診察・言語聴覚士も行う認知機能検査「MMSE」

          今回は「認知機能検査」についてお話しします。 医療者ならほとんどの方が知っている検査の1つ「MMSE」をご紹介します。 MMSEとは? Mini-Mental State Examinationの略称で、 認知機能検査(神経心理学的検査)の世界標準として使用されています。 認知症だけでなく、病気になって入院した患者様の認知機能を測るときにも 使われる検査です。 基本的には、医師などが診察をする際に行われるべき検査です。 30点満点で、カットオフ値(正常と異常を分ける値

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          実際にはないものが見える?幻視をともなう「レビー小体型認知症」

          「黒装束の人たちがいる……」「知らない家族づれがいる」 診断される前には警察に相談する人もいる「レビー小体型認知症」について お話します。 レビー小体型認知症って? 脳に「レビー小体」という異常タンパク質がたまることにより起こる認知症です。 レビー小体がたまる病気といえば「パーキンソン病」。 これは中脳と呼ばれる「脳幹」のうちの1つに、レビー小体がたまっていきます。 レビー小体型認知症は、脳全体にレビー小体がたまることで、さまざまな症状を引き起こします。 アルツハイ

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          認知症の中で一番多い「アルツハイマー型認知症」

          「アルツハイマー型認知症」聞いたことがある人も多いのではないでしょうか? 今回はアルツハイマー型認知症をテーマにお話しします。 認知症は大きく分けて4種類ある! ・アルツハイマー型認知症 ・脳血管性認知症 ・レビー小体型認知症 ・前頭側頭型認知症 聞いたことがない認知症もあるのではないでしょうか? 高齢者の認知症では「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」が 全体の約8割を占めています。 こちらの記事では、認知症について簡単に簡略化して説明しています。 認知症は

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          言語聴覚士はリハビリ専門職!たくさんの分野から自分のやりたいことが見つかる

          「言語聴覚士」初めて聞く方も多いと思います。 言語聴覚士とはどんやお仕事なのか、どんな分野に支援するのかについて お話しします。 言語聴覚士はリハビリの専門職! リハビリと聞くと、理学療法士や作業療法士を思い浮かべる人が ほとんどではないでしょうか? リハビリ専門職には3種類あり、そのうちの一つが「言語聴覚士」です! 英語ではSpeech-language and hearing Therapistといい、 病院などの現場では「ST(エスティー)」と呼ばれます。 19

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          認知症は「見た目ではわかりにくい」脳の病気!

          認知症の方は、見た目では健康に見えることもしばしばあります。 もちろん、認知症の種類によっては身体に症状が出る方もいらっしゃいますが、 ここでは「見た目ではわかりにくい」をテーマにお話しします。 そもそも認知症とはどういう病気? 簡単にいうと、 正常に脳が働かなくなったことで、「覚えること」「話すこと」「計画を立てること」などのさまざまな機能が障害されてしまった状態のこと。 認知症とは、「脳の病気」なのです。 では、どうしていろいろな症状が出てしまうのでしょうか?

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          言語聴覚士のわたし

          はじめまして。 ご覧いただきありがとうございます。 言語聴覚士のじゆです。 私はいま言語聴覚士として、「認知症」に携わっています。 働いている中で、いろいろな患者さまやご家族の方と出会い 少しでも皆さまに「認知症」について知ってもらいたいと思い noteをはじめました。 そもそも言語聴覚士とはどういう仕事なのか? 認知症とはどういう病気なのか? 認知症の方にはどのように接したら良いのか? このような疑問について、 一緒に悩み、考えたことを共有できればと思っています。

          言語聴覚士のわたし