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やさしい日記。


このあいだ、
5年ほど前に亡くなった祖父の日記が出てきた。


とても貴重面だった祖父は、
亡くなるほんの少し前まで
とても丁寧に毎日まいにち日記をしるしていて、

少し古びたノートには
日付とともにその日の出来事や
時には食べたものまで
色々と綴られていた。


パラパラめくりながら読み返すと、
特に私たち家族のことについて
それはそれは細かくたくさん書かれてあって。


そういやこの日はこんなことがあったなあ、
というのが読むとありありと思い出されて、
懐かしくて寂しい気持ちになる。


一緒に夕飯を囲んだり、お出かけした日のこと。

少しだけ顔を見に学校帰りに寄って帰った日のこと、、


私が大学生のころ、
学校とバイトのほんの合間に
祖父の家に少し立ち寄ったそんな日のことも、

祖父はこと細かに、

私が顔を見せてくれてどんなに嬉しかったか、
ということを綴ってくれていた。


「何をした」とか「誰に会った」とか、
そういう事実とともにこれでもかと書かれてるのが、

日記の出来事に登場するひとたちへの
感謝だったり、嬉しかった気持ちだったり、、

読み返せば読み返すほど
祖父のやさしさが思い出されて。


懐かしくてさみしくて、
会いたくてたまらない気持ちになるけれど、

同時に、

どこかで見守ってくれてるであろう祖父が
ちゃんと安心できるような、
誇れるようなわたしでいたいなと、

背中をそっと押してもらうような気持ちにもなった。


日記ってきっと、
その人の人柄がすごく出るもので

やさしい日記はこうして
その人がいなくなったあとも
周りをあたたかい気持ちにしてくれるみたいです。


今はまだ、日々のもやもやした感情も書き連ねてしまう私だけど、

素敵な歳の重ね方をして、
晩年にはそうやって

やさしい日記を書けるような人に
なっていたいな。

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