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苦しかった時の話をしようか|盛岡毅さん【要約・書評】

【目的意識】
・進路で迷う自分に役立てる
・「働くことの本質」を知る

個人的評価は、
★★★★★でした。

この本が、盛岡さんの娘さん(当時20歳)に向けて書かれている内容だったため、読んだ当時の20歳の自分によく刺さる本だった。この本を読んで、自分がどういう人生を歩んでいくべきかの判断の手がかりに大いになったと思う。

内容は300P弱。3日くらいで読めました。

以下は、
個人的に重要だった点を切り抜いて、要点まとめとして紹介していきます。


そもそも人間は平等ではない

「人間は、みんな同じ、平等」と小学校から聞いてきたことは、ウソである。


「人間は、みんな違って、極めて不平等」である。


大きな格差を生むのは、「身体的能力」ではなく、「知力の違い」
生涯年収などの経済的成功の度合いに最も相関するのが知力の格差。

[知力の説明]
人間の両腕がどれだけ優れても飛ぶことはできないし、脚がどれだけ強くても馬には勝てない。しかし、人間が知力を使えば飛行機でも自動車でも作り出せるように、限界知らずの可能性を持っているのが知力である。


■極めて不平等なスタートライン■

東大生の親は世帯所得の平均値が高い事がデータとしてよく使われる。

格差が世代を超えて連鎖して増幅している一つの論拠として挙げられるケースとして多い。裕福な家庭だから恵まれた教育を施せる、知性を高めるのに有利だから東大に入りやすい、つまり不公平である。

実はもっと不平等で残酷な問題がある。
それは、経済格差よりも異次元的にどうしようもない、埋めようがない残酷な格差。それは生まれつきの「知力の差」である。

東大生の親の平均世帯収入が多い本質的な理由は、搭載性の親の「知力」が高いから。知力の高い人が社会で成功して、似たような知力の高い相手と結婚して、その世帯が高い知力のお陰で平均よりも稼いでいるに過ぎない。


■自分がコントロールできる変数■

①己の特徴の理解
②それを磨く努力
③環境の選択

これらの事実を直視することは、自分にとってのキャリアの勝ち筋を見つけるための大切なスタートラインになる。


資本主義の本質

資本主義の本質は「欲」であると見ている。

資本主義は、人間の「欲」をエネルギー源にして、人々を競争させることで社会を発展させる構造を持つ。

資本主義は、「欲」を本質とし、「競争」を構造とする。

■どんな物事にも必ず本質がある■

本質→構造→現象

本質によって構造が決まり、その構造に従って複雑に様々な現象が埋めれてくる。

「本質→構造→現象」の順に上位が下位を拘束している。

本質を理解する事ができれば、その物事が今後どのような変遷をたどるのかさえも、ある程度は予測する事ができる。


■資本主義における2種類の人間■

①自分の24時間を使って稼ぐ人
②他人の24時間を使って稼ぐ人

前者を「サラリーマン」と呼び、後者を「資本家」と呼ぶ。
資本主義とは、文字通り後者の「資本家」のためにルールが作られた社会である。

言い換えると、資本主義社会とは、サラリーマンを働かせて、資本家が儲ける構造のこと。

[個人メモ]
「バカは搾取される」と言うが、資本主義だから仕方ないと言える。
賢い人は、賢くない人が搾取されている事すら気付かないような構造を作る。

セブンイレブンなどのコンビニのように、近場になんでもあるとなれば少し高くても買う。人間の怠惰の部分をうまく利用したビジネスモデル。


会社の将来性を見極めるコツ

[個人メモ]
この方法は、就活の際の企業を見極める際にも使える上に、株式投資をする際に役立つ分析方法である。投資を中長期で成功させたい人は、株を買う前にその企業の「需要」と「構造」について分析することを強く勧める。

コツは大きく2つ。

①持続可能な「需要」の有無を診る
②持続可能な「構造」の有無を診る


①持続可能な「需要」の有無を診る

その会社の主な売り上げを支えている市場の需要が、どれだけ将来にわたって安定してあり続けるのか?を、5年後〜30年後のスパンで自分で推測してみる。
→これによって、成長産業と衰退産業の区別が出来るようになる。

[ポイント]
❶人口度遺体の変遷による需要の変化を追う
❷会社が今稼いでいる基幹技術に対する代替技術の出現可能性
❸市場の需要は、マクロ視点見ると必ず消費者のプレファレンスに従う


②持続可能な「構造」の有無を診る

①の需要から持続的にシェアを取り続けるための「構造」の有無を診る。
その会社の現在の業績を支えている競争力の源泉(コア・コンピテンシー)を見極め、その競争力が持続可能かどうかを判断する。

構造としての代表例は、特許権、商標権、著作権などの知的財産。

[参考例]
東京ディズニーリゾートの強力なシェアの源泉は、「ディズニーブランドのコンテンツ」によるソフトパワーである。


自分をブランド化する効果

ブランドエクイティピラミッドは、キャリアを成功させる3つの効果をもたらす構成式。

効果1
プレゼンや面接で緊張することから解放された人生を送れるようになる

緊張の正体は、変化を嫌う脳の現状維持状態。自分をブランド化することで、上手に話そうと思わなくて良い状態になる。だから土壇場での不安や気負いがなくなって、面談やプレゼンで緊張から解放され、まさに中身で勝負という軸に意識を集中できる。


効果2
自分のキャリア戦略の重要な方針として機能する。

どんなスキルを開発するべきなのか、どんな業界でどんな実績を積んだほうがブランド(自分)は強くなるのか、都度の判断が明瞭になる。

「自分」はもう決まっているので、相手によって内容そのものを大きくコロコロ変える必要がない。


効果3
自分のブランドエクイティ(ブランドの資産価値)が縦に積み上がっていく。

最初は理想の割合が多かった設計図にも次第に現実の実力が追いつき、結果として自分の名前で勝負できるビジネスパーソンになれる確率を激増させる。

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