マイ・インターンに学ぶ、上司に信頼される部下
「幸せになる人生のアドバイス。」
そんなキャッチーな映画『マイ・インターン』は
私の大好きな映画のひとつです。
一見、女性向きの映画だと思われがちですが、
実は現代のダイバーシティにおいて、ジェンダー、若手、シニア人材など、あらゆる世代が交わる働き方の重要なヒントを与えてくれる映画だと思っています。
あらすじ
女性として、家庭と両立しながらファッションサイトを運営する会社のCEOであるジュールズ(アン・ハサウェイ)にある日試練が訪れ、アシスタントとして雇用することになったのは40歳年上の男性、ベン(ロバート・デ・ニーロ)でした。年上の部下を持つことになった彼女は自分がやった方が早い、と部下の扱いに戸惑いますが、いつしか彼の的確な助言に頼るように。彼の豊かな人生経験が、信頼のできる部下の形として彼女を支えます。
上司から見る、信頼できる部下とは。
日本全体が人手不足の厳しい状況の中で、幅広い世代の人材や、海外人材を上手く活用することが求められる今、彼らの早期退職を防ぐために、企業としても人間関係、上司と部下の関係性に関心が集まっています。
昨年、マンパワーグループが
入社2年目の社員が部下にいる30歳~59歳の中間管理職400名に向けて、「部下との信頼関係」についての調査を実施した、という記事がありました。
これは部下の仕事の目的理解が、上司との信頼関係をつくる要素になるというデータです。
今回は仕事の目的という「理解」と「共有」について
この映画から学べる要素を考えたいと思います。
仕事の目的の理解は、上司への尊敬を生む
映画の中で、ベンは初め全く仕事をもらえませんでした。指示を待つものの全く音沙汰なし。ジュールズから無視される状況が続くのですが、ベンはどんな小さな雑用でも頼まれる前に進んで行動をしていきます。
もちろん、この積極的な泥臭い姿勢こそ、
部下に求められるものなのかもしれません。
しかしここには、それ以上に学ぶべき
彼の視点があったと思うのです。
映画の中で、ジュールズが部下であるベンの言葉に心動かされるシーンがあります。
皆に包装を教えるのを見て感心したよ
この姿勢こそが成功の秘訣だと
君ほど会社に 打ち込める人はいない
簡単な話だ
会社には君が 君には会社が必要だ
経験豊富な人が来ても君には及ばない
長く生きたってたいていの人はーー
君ほど すばらしいものを生み出せない
部下は右も左もわからない、1人では何もできない、
何ができるかわからない。それは上司と経験値が圧倒的に違うのだから仕方のないことでしょう。
しかし、ベンは部下として、ただ手持ち無沙汰を解消するための行動ではなく、日々上司を観察し自分の仕事を模索したのです。そして誰に教えられることなく、彼女の、つまり上司の仕事の目的を理解しました。それは上司へ尊敬を抱く一歩でした。
自らが動く、その気遣いの一歩先に
「上司は何にこだわっているのだろう」
「上司の目指す仕事はどんなものなのだろう」
その疑問を持つことさえ出来れば、
答えが垣間見れる瞬間は必ずあるのでしょう。
そうして自分の上司の素晴らしさを
誰より一番に知る部下になれるのだと思います。
上司との目的の共有が信頼関係を創る
そうは言っても、日々振られる雑多な仕事に追われ
また多忙な上司に細かいことをいちいち確認することに申し訳なさを感じてしまうのが現実。
より効率的に「私はあなたと仕事の目的を共有できていますよ」というすり合わせが望まれます。
そのためには、上司から仕事を振られるその一瞬にどれだけ自分の捉えたアウトラインを提示できるかがポイントとなるのです。
よく、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、どうして、どのように)を必ず確認しよう!という教えがありますが、これだけの情報をいちいち上司に聞くのは少し勇気がいるように感じます。
そこで受ける仕事のアウトラインを
下記の3つに絞ってみたらどうでしょう。
□いつまでに
□何につかうものなのか
□指示を聞いた自分のイメージ
①期日
逼迫度はとても重要な情報です。もし、別の仕事が残っているのであれば優先順調も併せて確認をする必要があります。また期日という約束をあえて自分から交わし、それにきちんと答えることは信頼の獲得に繋がります。
②用途
単純作業を振られる時ほど、重要となるのは
自分がこれから行う仕事が何に使われるか、です。
ただリスト化をお願いされた仕事だとしても
用途によってフィルターの掛け方や関数の組み方など
工夫できる箇所があるかもしれません。
③イメージ
これが一番大切です。「前回の〇〇みたいな感じですか?」「こんな感じで作ったらいいかなと思うんですけどどうですか?」簡単で構わないので、指示を受けた自分のイメージを確認することで、大枠のズレが生じなくなります。また、目的の理解ができている、というここでの共有は上司にとって安心感を感じさせるものとなります。
あくまで最初から細かく確認する必要はありません。
作業を進める中で、期限から逆算し、進捗を軽く報告するスケジュールを自ら決めます。その都度修正ができることが重要です。
上司に信頼される部下とは
上司はあなたのことをよく見ています。
それは立場上、当たり前のことなのかもしれません。
映画の中で、
部下であるベンはジュールズをよく見ていました。
上司は自分へ敬意・好意を示してくれる人がいると分かると嬉しいはずです。
仕事の目的を理解し上司を尊敬できた時、
そして、その目的を共有できた時、
信頼される部下として
良きパートナーになれるのではないでしょうか。
マイ・インターンは
明日、ジャケットを羽織るのが楽しみになる
そんな映画です。
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