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イイモノだったら売れるのか?

父(社長)の自信作「ARTMIRROR」ができて早3年。売り上げは親戚のみ。一体単価はいくらで、何個売ったのでしょうね。


入社して私が見た現状は、大量の在庫でした。


売ることを考えずにどんどん制作していってしまった結果、大量の在庫だけが残ってしまったのです。売れないとはっきり言ってくれる人は娘だけ。ほとんどの人が「綺麗」「これは売れる」。

何の根拠もなく、お世辞を鵜呑みにしてしまった父(当時の製作者)は作れば売れる、と思い込んでしまったんですね。

一番きれいにスパッタリング加工(以下シルバー加工)がでるのが「Lサイズ」というアクリル板にシルバー加工を施し、白抜きのプリントを施す製品でした。

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しかし、この製品は前項でもご紹介したとおり、サイズは大きく値段も3000円以上を設定していました。営業先で放たれた「大きすぎる」という言葉。

社長はもっと小さくしようと奮起しました。そしてできた小さいサイズ。

小さいサイズの「ART  MIRROR」の特徴

・サイズは55mm×78mm

・シルバーの加工をするので絵柄部分にはカバーをした設計

・裏が鏡っぽい(拡大鏡みたいな感じ)

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と言う、今までのサイズよりもだいぶ小さいものを作りました。社長自信作2作目です。写真のデザインについては別として、商材は上記の写真です。

この商品も身内には好評でした。しかし、この商品を持って営業にはいかなかったようです。本業が忙しくって営業に行くことができませんでした。当時は、営業に行く人材もいなければ、販売担当もいなかったんです。


たまに私たち娘が東京から、マーケティングについてLINEで教えてあげる程度。実践される機会は一切ありませんでした。専門家がいても行動に移さなければ何の結果にもつながりません。当時の社長は、営業・製作・本業の製造・受注先とのやり取りをすべて一人で行ってきました。

結果、自社商品については手薄になってしまったのです。

しかし、ここで教訓を経ました。期待してはいけない。


「綺麗」と興味を持ってくれたお客様が広めてくれる「だろう」

一個売れたから、もっと売れる「だろう」


これは絶対に実現しません。いいものを作っても売れない時代


今まさにその時代なのだ、と社長は痛感しました。(私ものちに痛感することになる)


社長は、販売経験がなく、製造ばかりに携わっていた当社はそもそもの「売り方」と言うものがわからなかったんです。

しかし、営業や地元営業の甲斐あって、2018年にやっと、地元の観光協会で商品を「売る」場所を得ることができました。


2018年の教訓


自分でいいものだと「思っている」商品は売れない。

※ただし知名度が高い人が出品する場合等は除く


自分が傑作だ!と思った商品が売れるわけではないと言うことです。ただただ絶望を見ます。値段をギリギリまで下げて販売した「ARTMIRROR」の売り上げは販売する場所を経てもなお、1か月に数枚程度しか売れなかったのです。しかも社長渾身のLサイズは一つも売れませんでした。



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