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クリティカルシンキング(批判的思考)

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#因果関係

【まとめ】クリティカルシンカーに入門するまで「批判的思考」+18

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+10,+11,+12,+13,+14,+15,+16,+17) 前回までで、原因を推測するための方法や原因を帰属する方法について説明してきました。 今回は、いままでの話を総括していきます。原因を推測したり帰属したりする上で、気をつける点をまとめていきましょう。 物事の原因についてそもそも原因とは?から深堀り、必要原因や十分原因の說明をしています。 〇〇飲んだら痩せました!が原因としておかしい理由など、変な原因の特徴を説明し

この合わせ技なら高確率で因果関係を読み取れる「批判的思考」+11

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+1,+2,+3,+4,+5,+6,+7,+8,+9,+10) 前回は、因果関係を決定する方法の1つ、一致法を解説しました。今回は、「一致と差異の併用法」ついて解説していきます。 一致と差異の違いとは一致法の使い方を振り返りつつ、一致と差異の違いを考えてみましょう。 一致法とは、似たような出来事Aと出来事Bが起きたときに仮説として立てられる原因が同じXだった場合、2つの出来事の原因をXだと考える手法です。(例:集団食中毒)

真実はいつも1つ!でもアレは1つじゃないから気をつけよう「批判的思考」+10

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+1,+2,+3,+4,+5,+6,+7,+8,+9) 前回までで原因推測の落とし穴を一通り説明しました。ここからは、因果関係を決定するための方法について解説していきます。 真実はいつも1つでも原因はいつも複数名探偵コナンくんの名台詞に、「真実はいつも1つ!」があります。たしかに真実はいつも1つなんですが、その真実を生み出した原因は複数あるのが常です。 そして因果関係を決定する要因は複雑なので、これさえやればOK!な原因推測法

考えるときにこれを見落とすから騙されやすくなる「批判的思考」+9

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+1,+2,+3,+4,+5,+6,+7,+8) 前回は原因推測の落とし穴の1つ、「平均方向への回帰」を説明しました。今回は、前-後論法を使うときの注意点としての「欠落したケース」について説明します。 こんな落とし文句には気をつけるたとえば、「1ヶ月続けただけで効果絶大!話題のダイエットグッズが今なら半額セール中!」と書かれたチラシを「クレヨンしんちゃん」のしんちゃんのお母さんが見たとしましょう。 みさえは、「あら…これなら痩

人間誰しも伸び続けるのが不可能な理由「批判的思考」+08

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+1,+2,+3,+4,+5,+6,+7) 前回は原因推測の落とし穴の1つ、「前-後論法」について説明しました。今回は、「平均方向への回帰」について説明していきます。 こんな因果関係はまちがっているドラえもんに登場するのび太くんが、テストで赤点を取ったします。のび太くんのお母さんは怒鳴りますね。そしてのび太くんは反省して、次回は勉強してからテストに臨み、高得点を叩き出しました。 するとお母さんは、のび太くんを褒めちぎります。気

スピリチュアルな思考に騙されず考える方法「批判的思考」+7

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+1,+2,+3,+4,+5,+6) 前回は原因推測の落とし穴の1つ、「相関の錯覚」について説明しました。今回は、「前-後論法」について説明していきます。 こんな前-後論法には気をつけるたとえば、2020年の東京都知事でAさんが知事に決まり、2年経ったとしましょう。そのときAさんはこう主張します。 「わたしが知事に就任したため、プラスチック袋の使用が減り、環境問題が改善しました!」 数字で確認しても、Aさんが就任してからスー

これを検討する前に原因を推測してはいけません「批判的思考」+6

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+1,+2,+3,+4,+5) 前回までで原因を推測するための3つの基準を説明しました。しかしこの3つ以外にもクリアしなければいけない問題があります。今回は、原因推測を間違えやすい4つの落とし穴の1つ、「相関の錯覚」についてお話していきます。 こんな共変関係には気をつける相関の錯覚とはつまり、共変関係が存在しない部分に相関関係があると錯覚したり、相関関係が過剰にあると勘違いしてしまうことです。 相関関係があると思いこんでしまう

因果関係を推測するときに見落とすと騙される大事な基準「批判的思考」+5

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+1,+2,+3,+4) 前回と前々回で因果関係を決定する基準である「共変関係」と「時間的順序関係」を説明しました。この2つが揃っていれば原因として使えそうな気もしますが、もう1つ考慮しなければいけない基準があります。 それが「第3変数」。これが難所なので、きっちり理解しておきたいところです。 こんなときに第3変数をチェックする共変関係もあり、時間的な順序も合理的に問題がなければ、それは原因として考えられます。しかし、共変関係

鶏が先か卵が先か問題に戸惑う諸君へのアドバイス「批判的思考」+4

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+1,+2,+3) 前回は因果関係を決定する基準の1つ、共変関係について説明しました。今回は、2つ目の基準である時間的順序関係について説明していきます。 時間軸が論理的かを把握する前回と同様、クレヨンしんちゃんの家族を例に出してみましょう。しんちゃんが部屋を散らかすほど、みさえの怒りも増えていき、両者は共変関係にあると言いました。 では時間的な順序はどうでしょうか? みさえは、しんちゃんが部屋を散らかしたから怒っていますね。

共変関係がどうやって因果関係を決定するか?「批判的思考」+3

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+1,+2) 前回までで、原因を適切に推測するのがむずかしい理由を説明しました。 では、因果関係を上手に推測するにはどうすればいいのでしょうか。1つのやり方として、因果を読み取るための明確なモノサシを用意するのがいいでしょう。そのモノサシに当てはまっていれば、因果関係が正しいと考えればいいのです。 因果関係の決定に使えるそのようなモノサシは、大きく分けて3つあります。今回はその1つの「共変関係」について説明していきます。 出