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Xtendチーム座談会 その3 (インタビューシリーズ第8回)

Xtendチーム座談会、いよいよ最終回となる3回目です。
冨田 洋さん(JAXA)、
森 浩二さん(宮崎大学)、
中嶋 大さん(関東学院大学)、
吉田 鉄生さん(JAXA)、
4名の方々にお話を伺いました。

皆さんのお話聞くと林田さんを尊敬しているのが伝わってきます。林田さんはどのようなリーダーでしたか?

冨田)林田さんの前までの開発リーダは、どっしり構えている感じ。

一方、林田さんは自分で手を動かすのが好きな人。技術の細かいところまでわかっていて、それがやりやすい面もあったし、やりにくい面もありました。PI(技術責任者)とIM(マネジメント責任者)という間柄で、電話で言い合ったりもしたのが、今では良い思い出です。

森)これまでのリーダは、年齢的な面もあって、私にとっては”尊敬”という感じで、少し遠い存在でした。でも、林田さんは私にとって、近い存在でしたね。

どんどん現場に出てくるので、それはPIの仕事じゃないでしょ、と喧嘩した。面と向かって2回くらいはしたかな(笑)。  

林田さんは、信頼する仲間の一人、一緒にXtendを作り上げてきた仲間の一人という感じです。そして、今でも傍にいて、一緒にやっているという感じでいます。長期出張に行っていてそのうち戻ってくるかな、という。 いなくなった、とは思えないのです。

中嶋)一言で表すのが難しいですね。私は、林田さんには修士1年からお世話になりました。今でも”先生”という感じです。その後、阪大(大阪大学)でスタッフ同士としてもお世話になりました。ですから、林田さんは、"先生"であるが、最終的には"仲間"という感じ。

今思い返すと、ASTRO-Hの時もいろんなことが起きて、四六時中悩んでいた気がします。そんな時、林田さんは必ず、ニヤッと不敵な笑みを浮かべていました。

そういう表情を見ると、林田さんは心底この仕事が心底好きなんだな、と思えました。一緒に過ごすうちに、自分にもそのニヤッが自分にもうつって来た気もします。

Xtendチームはメンバーの距離感が近い印象を受けます。大学院生なども多く参加していますが、彼らとの距離も近いのでしょうか?

中嶋)チームみんな同じ方向むいて開発できている気がする。

吉田)私から見ても、学生含めて、チームメンバーの距離は近いと思います。

森)冨田さんが、皆の声が届くように、うまくマネジメントされています。昔は、それを自然とやっていた気もするが、XRISMでは明確に風通しをよくするという方針を打ち出して、実際に、風通しは良いです。

  ・・・と思っているが、そう思っているのは我々だけで、学生は実は違ったり(笑)

冨田)皆マネジメント側の意図を汲んで動いてくれてたんじゃないかな。今までの文化もあるのか、マネジメントに力入れたという感じではないです。

最後に、XRISMを待っている人へのメッセージをお願いします。

冨田)成果を期待して下さい、サイエンティストの方以外にも、この分野の面白さを伝えたい、一緒に楽しみましょう。

森)今までない新しい成果を出せると確信しています。開発メンバーとして、今非常にわくわくしていて、新しい成果を皆で共有して、これからも貢献していきます。

中嶋)私は、一人のユーザとしても楽しみにしています。開発者としても、自分の手あかがついた装置で新たな知見を皆に知らせることができるのは非常に楽しみ。

普段の大学で過ごしていると、いろんな方から宇宙に関する質問をいっぱい受けるので、研究者も研究者じゃない人も楽しみにしてくれているという実感があります。
ぜひ楽しみに待っていてください。

吉田)私は、2年しかXtendの開発に携わっていないのですが、自分がかかわった機器が宇宙に行くということで興奮しています。開発して打ち上げて終わりではありません。打ち上げた後の成果創出にはサイエンティストの協力が必要なので、ぜひXRISMで多くの成果を上げていただきたいです。
多くの科学成果を、楽しみに待っている皆さんに早く届けたい。

インタビュー日:2022年3月17日
インタビュアー・編集:堀内貴史・生田ちさと

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